ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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パソコン上の絵カードが一枚ずつ替わるので、
1
「き」の音が入った絵カードだったらボタンを押す。(例「きつね」)
→構音障害があって、単語の中の特定の音の抽出が難しい子に。
単語中にあるかないか、どの位置にあるかが瞬時に判断できるようになることが、
正音の定着には必要です。
2
「食べ物のカード」が出たらボタンを押す
→衝動性のコントロールなどに。
3
「なぞなぞの答えがわかったらボタンを押す」
→短文の読みの育成に
4
「(同時に4つの絵を表示して)、仲間はずれの絵がわかったらボタンを押す」
→カテゴライズ、抽象概念、言語表現の育成に
この早押しボタンのゲームは、グループ指導でよく使えます。
グループ指導の長所は、少人数での他児との関わりによる教育的効果。
弱点は、一人一人の特性に合わせた指導が難しくなり、一人一人の行動観察が手薄になりやすい。
この長所と短所を踏まえないと、何でもグループ指導でやってしまう、それ自体が自己目的化してしまう危険性をはらんでいると言えます。逆に言えば、個別指導では補い得ないことが、グループ指導で補える可能性はあります。
また、遊びの方法や内容をどこまで統制するか、自由にするかは、それぞれの子どもの実態やグループ指導のねらいによって検討される必要があります。
原則としては、グループ編成は、指導のねらいや子どもの実態が似通っているということがあるでしょう。
逆に言えば、子どもの状態像が似通っていても、その背景(機序)が違っていれば、グループ指導を組むかどうかは慎重な判断が必要と思われます。反対に言えば、状態像が全く違っていても、背景(機序)が一致していれば、そこへのアプローチとしてグルーピングは可能ということになります。
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『イラスト 子ども川柳』 熊田 松雄編、なかにしけいこ絵、1995、汐文社
残念ながら絶版になったようですが、川柳の内容がおもしろいので、別の指導にも使えそうです。
音読と会話とでは、発声までの機序が違うので、リズムのある文の音読によって、会話での流ちょう性にただちに改善があるわけではないとの指摘もあります。
しかし、リズムの音読時に流ちょう性が見られるのであれば、音声表出の流ちょう性への自信というメンタル面での支援にはつながる可能性があると思います。
もっと言えば、来室時に症状が見られたのが、音読後は症状が短期的にでもおさまったケースもあります。
これは日常会話への般化のとっかかりになる可能性を秘めていると感じます。
予期不安の軽減との関係も考えています。
流ちょうに発声できるという経験を短時間でも積み重ねられるということが重要と思います。
このほか、歌うときには吃音が出ない方がいるところから、音楽を用いた指導もあるようですが、『英国王のスピーチ』関連の映像でも指摘があるように、会話ではいつも歌うことはできず、かえって不自然なリズムで話さなければならないわけです。
ただ、メンタル面での支援につながる事例は実際にあるだろうと思われます。
某巨大掲示板の吃音の話題を見ると、音楽で流ちょう性を獲得(確認?)したあとに、徐々に音階やリズムを消去して日常の会話の調子にまで般化を図るという事例もあるようです。
また、運動リズムに関しては大脳基底核の関与が指摘されているようですが、脳科学のモデル通りに指導すれば良いというものでもないと感じています。そのほか様々な指導法が出ていますが、同じ吃音でも一人一人本当に違います。そのサブタイプに合わせることの重要性を思います。
【目的】
1 音韻抽出の練習をすることで、発音や文字の読みの定着に必要な音韻分析能力を高める。
【指導目標】
1 単語の中の特定の音の有無を素早く判断できるようにする。
2 考えてから手を動かすという衝動性のコントロール力の向上を図る。
【やり方】
1 じゃんけんをして、勝った人から、絵カードを一枚めくって場に置く。
2 めくった絵カードに特定の音が入っていれば、そのカードの上にすばやく手を載せる。(たとえば、「さ」がテーマなら、「はさみ」は取る。「つくえ」は取らない)
音が入っていなければ、次の人が、次の絵カードをめくってその上に重ねて置く。
3 早く取った人は、それまで積み上げたカードを全部もらえる。たくさんカードをもらった人が勝ち。
【適用できない例】
1 事前に絵カードを呼称してみて、呼称できない場合。(絵の名前が言えない)
2 単音節でも、特定の音との比較、照合ができない場合。(レベルを下げる必要)
3 勝負へのこだわりが極めて強い場合(わざと負けてあげるなら可能)
【コメント】
特定の音の有無の判断は、会話レベルでの構音の定着には欠かせない能力です。複数音節レベル以上の文字を流ちょうに読む場合にも必要な力でしょう。このゲームはトランプを参考にしていますが、トランプをアレンジしてまだまだ作れそうです。
【教材名】逆唱カルタ
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【目的】聞いた言葉を頭の中で逆に唱え、該当するカードを取ることで、語音を分析する力(発音や読み書きの土台となる力)を育てる。
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【指導目標】
1 一定の音節数(2~5音節)の反対ことばを聞いて、音の順序を入れ替えて単語を
同定し、その絵カードを取ることができる。
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【やり方】
1 一定の音節数のある絵カードをばらまき、指導者が「反対ことば」を言う。
2 子どもはそのことばを頭の中で順序を入れ替え、単語を思いつき、その絵カードを
取る。
3 子どもの実態や必要に応じて、早く取らないと先生が取るよ、とスリル満点にする。
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【適用できない例】
1 事前に絵カードを通常の音の順番で呼称してみて、その名前が言えない場合。
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【コメント】
子どもの実態に応じて、2音節の絵カードから始め、徐々に音節数の多い絵カードにしていきます。また、音節数を少なめにして子どもに出題させることで、よりいっそうの効果をねらうこともできます。
発音が一音ずつなら正音だが単語になると置き換わるとか、文字が逐次読みである、新しいことばがなかなか覚えられない、などの場合、音韻分析機能の弱さが背景にあるためかもしれません。もちろんそれ以外の要因も考えられるので、子どもの実態を正確に理解した上で、この教材の必要性を検討することが望まれます。
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【教材名】ならべかえて単語!
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【指導目標】
1 頭の中で文字を並べ替えて、単語を作り、言うことができる。
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【やり方】
1 カードを一枚引き、単語を言うことができたら一枚ゲット。
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【適用できない例】
1 ひらがなを一文字ずつ読むことができない場合。
2 できあがる単語の語いが獲得されていない場合。
3 単語の音節数を数えることができない場合。
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【コメント】
文字の読みがたどたどしかったり、発音が単音節レベルなら良いが、単語レベル以上になると置き換わるといった事例に。文字の読みのたどたどしさには様々な背景がありますが、この教材では音韻分析能力にターゲットを当てています。文字の形を見分けたり、注視できない場合といった他の要因から来ている場合は、この教材はヒットしません。
また、単語の音節数を数えること(音韻意識)が難しい場合も、この教材はレベルが高すぎます。(たとえば、「いす」は2音節、「たまご」は3音節など)
子どもの力に応じて、単語の音節数の多少を予め選んでおくことも大切です。
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【教材名】オリジナル組み合わせカード
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【指導目標】
1 4つの中から違うものを指摘できる。
2 違いの理由を端的に説明できる。
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【やり方】
1 オリジナル組み合わせカードを一枚取る。
2 まず絵の名前を一つずつ呼称した後で、違うものを発見し、指さしする。
3 違いの理由を説明する。できたらカードゲット。
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【適用できない例】
一つ一つの絵が何であるかがわからない段階の時。
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【コメント】
物には属性、つまり、機能や用途、材質などがあって、物の名前とは別に存在していて、同じ物でも名称と属性とで違った呼び方をすること。それは抽象概念であって、多くの具体物からの共通点、異質点の抽出、捨象であること、ということの了解が難しく、一つ一つ丁寧に教えてあげることで獲得していく子がいます。
人間関係でも、数多くの経験から共通点、異質点を見いだすことが難しいと、過去の経験を次に生かすことが難しくなります。
抽象概念の発達を手助けする教材です。
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【教材名】かんたん4択なぞなぞ
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【指導目標】
1 短文をスムーズに読む(聴く)ことができるようになる。
2 短文の意味を正確に理解できるようになる。
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【やり方】
箱から取り出したカードを読み(読んであげて)、なぞなぞの答えを選ぶ。正答ならゲット。
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【適用できない例】
ひらがなの読みがまだ困難な場合。字間の狭さのために読みが著しく困難になる場合。(読んであげる場合は可能)
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【コメント】
キッズラブ http://www.kidslab.net/quiz/index.htmlの「クイズであそぼう」のなぞなぞがたいへん役立ちます。
なぞなぞの内容自体はとても簡単なので、問題の意味が理解できさえすれば、ほとんど答えられるでしょう。逆に言えば、誤答の場合は、短文の理解ができていない可能性があります。
文字の読みが若干たどたどしかったり、ミスがあったとしても、正答できれば、意味は理解できていた可能性があります。
ただ、たまに少し難しい抽象語の意味を問われるときもあります。
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【指導目標】
1 短文をスムーズに読む(聴く)ことができるようになる。
2 短文の意味を正確に理解できるようになる。
3 短文の内容的な誤りを指摘することで、分析的に思考したり、人の話を注意深く聞く(読む)力が育つ。
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【やり方】
箱から取り出したカードを読み(読んであげて)、内容的な誤りの有無や、誤った内容、修正候補について説明できたらカードゲット。(子どもに応じて難易度を変える)
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【適用できない例】
「まどをぞうきんでふく」の「で」の意味がまだわかっていないなど、不注意の問題というより、文法的な理解がまだの場合。
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【コメント】
人の話を注意深く聞けないということの背景には様々あります。言語理解の問題、注意の問題、関係性の理解の問題などなど。
これは、人の話を注意深くために、明らかに誤った内容を指摘するというゲーム的要素を取り入れた教材です。もともとは失語症のHP「岡山県言語聴覚士会」から借用し、子ども用にアレンジしたものです。
http://www.kawasaki-m.ac.jp/mw/commhw/okayamast/cms/
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つりざお。
昔、一年生がザリガニ釣りに本当に使っていたそうです。
ところが最近は釣れないので、用務員さんのお部屋に置かれ、
いずれ処分されるはずでした。
でも、一年生向けとあって、安全に作られていますし、
竿のしなり方が本格的です。
釣り糸を短くすれば、指導室でも使えます。
魚釣りゲーム。
運動面を育てるのはもちろんのこと、
魚に数字をかけば、釣った数字の足し算になり、
カテゴライズする問題にすれば、
当てはまるものだけ釣るなど、言語概念の育成にもなり、
文字を書けば読みの練習になるなど、
汎用性が高い教材です。
幼児向けのすべり台なので、小学生にはどうかとも思いましたが、
ぴったりの子がいるのは確かです。
本格的なすべり台だと恐怖心が先に出ますが、
これぐらいだとちょうどいいのです。
スピーカ。
ほとんど傷なし、完動品です。
これは掘り出し物でした。
ICレコーダーに録音した構音を
付属の小さなスピーカで再生しても、
ほとんどわかりません。
こうした外部スピーカーにつないで再生するのが基本です。
昔は、オープンリールで録音し、部屋に大きくドカンと置く
ステレオで聴いたものです。
ICレコーダーなどは、技術的にせっかく進んでいるのに、
使い手が上手に使わないと、せっかくの技術が泣きます。
このスピーカ、欲しい教室があるはずです。
管内で困っているあの教室に寄付しようかなと。
(寄付行為は可能か、ということはありますが)
***
子どもは一人一人違いますから、指導者は支援の引き出しをたくさんもっている必要があります。
支援の引き出しを多く持つということは、教材を多く持つということです。
私の指導室がいつも片付かないのは、支援の引き出しがたくさんあるからです。
つまり、ちらかり具合と、支援のフィット度は、比例している、
つまり良き指導者なのです。(笑)
これを「三段論法」といいます。(^_^;)
怪しげな三段論法のプロパガンダを、支援の場で見聞きします。
それを皆で見抜いていれば問題はないのですが。
蛇足でした。