ルリア・ダスモデルによって作られたDN-CASという検査では、
認知処理過程である、
同時処理
継次処理
に加えて、
注意
プランニング
を測ろうとしています。
「プランニング」とは、
http://www.nichibun.co.jp/kobetsu/kensa/dn_cas.html
での説明でもあるように、
「提示された情報に対して、効果的な解決方法を決定したり、
選択したりする認知プロセス」
ということです。
また、「注意」とは、
「提示された情報に対して、不要なものには注意を向けず、
必要なものに注意を向ける認知プロセス」
とあります。
最近私は、プランニングと注意が非常に重要な視点であると
感じています。
学力やコミュニケーションの支障の背景として、これらの視点で
考えた方が良い場合が少なからずあるのではないかと。
WISCの「数唱」とりわけ「逆唱」が標準的な力だったとしても、
(順唱は短期記憶、逆唱はワーキングメモリ、などと言われますね)
DN-CASの「注意」の各下位検査は
低く出る場合があり得ます。
プランニングと注意を治す、とか、力をつける、ということを
直接意図するというのはどうかとも思いますが、
きっかけの提供という意味では、意味があるかもしれません。
1 「赤白旗あげ」
→「赤下げないで、白下げる」というやつです。
ことばを「注意」して聞きながら、「下げない」「下げる」の
ひっかけにもひっかからないようにしながら、
動作に移すという過程を楽しみます。
応用的には、先生がわざと間違えているのを目の前で見せながら、
それにつられないように旗を操作する、というのはいかがでしょう。
実は家に、「赤あげて」の録音の入った教材があります。
ベネッセの教材は完成度が高いので驚きです。
いつかは頂きたいとねらっています。
2 「船長さんが言いました」
→「船長さんが言いました。立って下さい」など
船長さんが言った時だけ指示に従います。
「部長さんが言いました」の時は従わない。
はじめに聞いたことばを聴覚的に把持しながら、
次の指示内容を理解し、従うかどうかを判断し、
動作に表す過程を楽しみます。
やはり応用的には、目の前に先生がわざと間違えているのを見せながら、
それにつられないように注意を維持しながら、妨害刺激を
コントロールしながら旗を操作する、というように。
3 「あっちむいてほい」
→以前の記事にも書きましたが、相手の指先の動きに釣られないように
首を動かすことが難しい子がいます。
あるいは、いつも首を同じ方向にしか動かせないなど。
こうした子は、妨害刺激に反応しやすく、多動の様相を呈していることが
あります。
この遊びができるようになるからと言って、すぐに多動が改善する
ということではないでしょうが、
妨害刺激をうまくコントロールする過程を楽しむということは
決して無意味でないと思うのです。それが日常に応用するための
きっかけ作りになるならば。
そして簡単な遊びですから、親御さんにも負担をかけずに
家でも取り組めます。
4 「ウノ」
→色を合わせるか、数字を合わせるか、その他各種要素を
検討して実行し、その結果をフィードバックするプランニングの力が求められます。
ばば抜きなどのトランプ、カードゲームにはそうした要素が
たくさん含まれていると思います。
こう考えると、プランニングと注意は、全く区別することは難しい、
お互いに関係し合っている能力なのではと思いますが、
まさにその通りということのようです。
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