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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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「プランニング」「注意」にアプローチする教材

ルリア・ダスモデルによって作られたDN-CASという検査では、

認知処理過程である、

同時処理
継次処理

に加えて、

注意
プランニング

を測ろうとしています。

「プランニング」とは、
http://www.nichibun.co.jp/kobetsu/kensa/dn_cas.html
での説明でもあるように、

「提示された情報に対して、効果的な解決方法を決定したり、
選択したりする認知プロセス」
ということです。

また、「注意」とは、
「提示された情報に対して、不要なものには注意を向けず、
必要なものに注意を向ける認知プロセス」
 
とあります。

最近私は、プランニングと注意が非常に重要な視点であると
感じています。

学力やコミュニケーションの支障の背景として、これらの視点で
考えた方が良い場合が少なからずあるのではないかと。

WISCの「数唱」とりわけ「逆唱」が標準的な力だったとしても、
(順唱は短期記憶、逆唱はワーキングメモリ、などと言われますね)
DN-CASの「注意」の各下位検査は
低く出る場合があり得ます。

プランニングと注意を治す、とか、力をつける、ということを
直接意図するというのはどうかとも思いますが、
きっかけの提供という意味では、意味があるかもしれません。


1 「赤白旗あげ」
→「赤下げないで、白下げる」というやつです。
ことばを「注意」して聞きながら、「下げない」「下げる」の
ひっかけにもひっかからないようにしながら、
動作に移すという過程を楽しみます。

応用的には、先生がわざと間違えているのを目の前で見せながら、
それにつられないように旗を操作する、というのはいかがでしょう。

実は家に、「赤あげて」の録音の入った教材があります。
ベネッセの教材は完成度が高いので驚きです。
いつかは頂きたいとねらっています。


2 「船長さんが言いました」
→「船長さんが言いました。立って下さい」など
船長さんが言った時だけ指示に従います。
「部長さんが言いました」の時は従わない。
はじめに聞いたことばを聴覚的に把持しながら、
次の指示内容を理解し、従うかどうかを判断し、
動作に表す過程を楽しみます。

やはり応用的には、目の前に先生がわざと間違えているのを見せながら、
それにつられないように注意を維持しながら、妨害刺激を
コントロールしながら旗を操作する、というように。


3 「あっちむいてほい」
→以前の記事にも書きましたが、相手の指先の動きに釣られないように
首を動かすことが難しい子がいます。
あるいは、いつも首を同じ方向にしか動かせないなど。
こうした子は、妨害刺激に反応しやすく、多動の様相を呈していることが
あります。
この遊びができるようになるからと言って、すぐに多動が改善する
ということではないでしょうが、
妨害刺激をうまくコントロールする過程を楽しむということは
決して無意味でないと思うのです。それが日常に応用するための
きっかけ作りになるならば。
そして簡単な遊びですから、親御さんにも負担をかけずに
家でも取り組めます。


4 「ウノ」
→色を合わせるか、数字を合わせるか、その他各種要素を
検討して実行し、その結果をフィードバックするプランニングの力が求められます。
ばば抜きなどのトランプ、カードゲームにはそうした要素が
たくさん含まれていると思います。


こう考えると、プランニングと注意は、全く区別することは難しい、
お互いに関係し合っている能力なのではと思いますが、
まさにその通りということのようです。

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Comment
無題
Ya先生こんばんは。いつもいろいろな情報をありがとうございます。
私も、WISC-Ⅲではあまり示唆されなかったものの、DN-CASで、プランニングと注意が極端に落ち込んだ子どもさんと出会いました。ADHDの不注意の傾向をもっている子どもさんかな?と、感じていたところを、DNーCASの検査が裏付けてくれたように感じました。そこで、苦手さへの対処療法とともに、プランニングと注意力をつけるために、いろいろ取り組むことができました。
日本文化科学社からの、お知らせをいただきました。(私も少しだけ、英文を読ませていただきました。)

DN-CAS関連図書(参考図書)について
現在、DN-CASの関連図書を製作中です。
(仮)「DN-CASによる子どもの学習支援
   -PASS理論を指導に活かす49のアイデア-」

翻訳本のため、米国の事情に基づいた内容となっておりますが、
PASS理論をどう指導に活かすかというヒントが詰まったものになっています。
2010年春~夏ごろを目指して進行中です。

Re:無題
Sさん、貴重な情報ありがとうございます。検査マニュアルにも記されていたので存在は知っていましたが、いよいよ日本語訳として出るのですね。楽しみです。
【 管理人ya 2010/01/14 08:22】
無題
いつも参考にさせていただいています。

すみません、また違う話題のことで質問を
したいのですが・・・。

速読のトレーニング方法でよいものがありますか?本を縦に読むのが苦手のようで、今、ビジョントレーニングの本を買い、目線を動かし文字や
数字を読む練習をしています。

飽きがこないように、いろいろ工夫したいのですが、漢字を使ってフラッシュ形式に出すやり方など、もっと詳しく知りたいと思い、コメントしました。もし、あれば教えてください。
Re:無題
文字の速読、ということは、日常は読みが遅いという困り感があるのですね?
読みの苦手さの背景には色々なことがあって、子どもさんのデータがないと、指導の手立ては何とも言いにくいです。
ビジョントレーニングをされているということは、視知覚、視機能に苦手さがあるという評価があってのことですね?
文字の読みには他に、語いを含めた発達の状況、注目・集中などの問題などが影響していますし、見る力なのか、音に変換するときの問題なのか、音に変換するけど意味理解の問題なのかで、指導方法は全く変わってきます。
【 管理人ya 2010/01/20 16:05】
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