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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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きこえの問題に注目する

第9回 言語聴覚士国家試験

午前 第42問


正しい組み合わせはどれか。

a.耳硬化症  ーー  混合難聴
b.滲出性中耳炎  ーー  感音難聴
c.真珠腫性中耳炎  ーー  後迷路性難聴
d.突発性難聴  ーー  補充現象
e.メニエール病  ーー  低音障害型難聴

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e


***
ヒント

小学校低学年ぐらいまでによく見られる滲出性中耳炎。
ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨のある中耳に水がたまり、鼓膜を圧迫するため、きこえが悪くなります。だから、感音性ではなく、伝音性。
また、真珠腫性中耳炎も中耳の部分なので、後迷路性難聴ではありません。

よって、b,c のある選択肢は除外されます。


 

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支援の組み合わせ

第10回 言語聴覚士国家試験 4

午後 第2問


誤っている組み合わせはどれか。
1. 広汎性発達障害  ーー  TEACCH
2. 中枢性聴覚障害  ーー  人工内耳
3. 発達性吃音  ーー  系統的感作法
4. 口蓋裂  ーー  補綴的発音補助装置
5. 視覚聴覚二重障害  ーー  指点字


***
ヒント 

TEACCHは構造化。自閉系等のお子さんに適用。
「TEACCHと言えば、絵カード」というのは単純であって、聴覚刺激が有効なら、聴覚刺激で構造化します。その子の認知特性に合わせた構造化がTEACCHの本当の意味。

中枢性、つまり脳の問題による聴覚障害なら、いくら補聴器や人工内耳を用いても無意味。
「人の言葉が聞き取れない」の原因には色々あるので、単純にとらえてはいけません。

吃音に行動分析的な系統的脱感作は、有効な場合もあるでしょう。

口蓋裂等が原因で、鼻から抜けるような発音になっていている場合、パラタルリフトなどの補助具を用いて、鼻咽腔閉鎖機能を補う場合があります。

二重障害は、ヘレンケラー。


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第10回 言語聴覚士国家試験 2 パラトグラムと歪み音

第10回 午前 第37問


パラトグラフィで異常がみられるのはどれか。

1. 鼻咽腔閉鎖不全
2. 口蓋扁桃肥大
3. 側音化構音
4. 声帯過内転
5. 声門破裂音


***
ヒント



上の図のことをパラトグラムと言います。
口蓋と舌との接触エリアが、●で示されています。
口蓋に電極をつけて、舌が接したら電極が流れて、●で表示されます。
たとえば、「シャ」の発音の時、正音では呼気が正中から出ます。
しかし側音化構音では、舌と口蓋とが密着し、呼気は横から漏れ出ます。

3以外の選択肢は、パラトグラフィーでは異常が検出できません。
なぜなら、鼻咽腔閉鎖不全は、口蓋帆というもっと奥の部分。
口蓋扁桃も奥の部分。
声帯、声門は喉ですので、パラトグラムのエリアの範囲を超えています。

ちなみにパラトグラムの機械は100万円単位で、ことばの教室で買えるものではありません。
ことばの教室では、発音の誤り具合、構音時の舌の動き、鼻息鏡で呼気の向きや、鼻からの息漏れがないかどうかなどで、歪み音の鑑別を行います。
日頃から、どんな音だと、どんな仕組みで歪んでいるのか、判断に慣れていくことが大切です。
研修を積み、慣れてくると、聴印象だけで、だいたい何が原因で歪んでいるのかわかるようになります。

原因がわかって、初めて指導の手立てが検討できます。

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第10回 言語聴覚士国家試験 2 児童虐待

第10回午前第22問

被虐待児症候群について誤っているのはどれか。


1. 成長障害が認められる。
2. 骨折の有無を確認する必要がある。
3. 低出生体重児ではリスクが高い。
4. 疑いがあれば児童相談所へ届け出る。
5. 乳幼児より学童に多い。


***
ヒント

虐待の発見のために、基礎知識としておさえたいところ。
必ず成長障害や骨折が見られるわけではないですが、兆候をとらえるひとつの視点ではあります。

低出生体重は、発達障害のリスク要因の一つですが、コミュニケーション障害により、子育てのしにくさから、虐待につながることもあり得ます。

ただし低出生体重や、成長障害があるから、みんな、ではありません。


児童虐待の年齢別件数は、
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/09/kekka8.html


親は糾弾の対象ではなく、支援の対象。


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第10回 言語聴覚士国家試験  幼児の遊び

第67問

幼児の遊びについて誤っているのはどれか。

a. 保育や教育の場では遊べない子どものことが心配されている。
b. ごっこ遊びには生活の流れについてのスクリプト的知識が必要である。
c. いざこざは遊びの楽しさを壊すので大人はすぐに介入した方がょい。
d. 遊びを通して認知発達を促すことを認知行動療法と呼ぶ。
e. ある物を別の物に見立てるには象徴機能の発達が必要である。


1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e

***
ヒント

遊びを通して認知発達を促すのは遊戯療法です。
あるものを別の物に見立てるには、象徴機能の発達が必要です。
象徴機能の発達が遅れると、
積木を食べ物に見立てるのは難しい。
積木は積木。
この場面はこの場面。

だから、幼児の見立て遊びの様子が大事。
一方的に、他人に振る舞い方や台詞まで含めて指示してやらせる遊び方かどうか。
それとも相互にやりとりしながら遊べるか。

遊び一つをとっても、奥は深い。

だから、その子にあわせた遊びが大事。
勝負へのこだわりが強いから、初めのうちは勝たせてあげることも有り。
まずはルール理解、やりとりができることが目標。
勝負への耐性は、そのあとに考えればいい。

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第11回言語聴覚士国家試験 10 保護者支援

第73問


保護者支援として適切なのはどれか。
a.障害児・者の当事者団体を紹介する。
b.言語訓練についてのセカンドオピニオンを希望した場合、評価と指導経過の資料を作成する。 
c. 就学に関する相談に際し、 子どもの知能指数によって特別支援学校を勧める。 
d. 保護者の要望に基づいた指導をするように担任に要望書を送付する。 
e. 保護者に知能検査の意味を説明し同意を得てから検査を実施する。

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e


***
ヒント 

知能指数だけで就学先を勧めるのは問題です。知能数は確かに情報の一つではありますが、検査時の行動観察などから、その数値の解釈をすることが大切です。
また、検査結果だけでなく、日常の様子などのアセスメント情報も含めて総合的に判断し、就学先について情報提供するのでなければなりません。

保護者の要望だけに基づくのではなく、科学的、客観的な立場で、担任と連携する必要があります。


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第11回 言語聴覚士国家試験 9 特異的言語発達遅滞 




第72問


3歳の特異的言語発達障害児の指導で適切でないのはどれか。
a. 単語の復唱練習を行う。
b. 語彙の拡大を促進する。
c. ジェスチャーによる表現を認める。
d.形や文字などの同定課題を行う。
e. 要求時には音声で表現させる。

1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e


***

ヒント

しゃべらせる指導ありきではなく、まず、理解ことばを育てること。
理解ことばを育てるためには、経験を統合していくこと。
机の前でお勉強ではないですね。
3歳なら特に。

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第11回 言語聴覚士国家試験 8 老人性難聴

午前 第97問


老人性難聴で正しいのはどれか。
a. 聴覚伝導路の末梢器官の変性による。
b. 聴力程度に比べて語音明瞭度が低い。
c. 騒音下の会話了解度が低下する。
d. 聞こえについての本人の訴えは初期の段階から多い。
e. 低周波域の聴力低下が最初に出現する。

1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e

***
ヒント

子ども臨床から離れて、老人性難聴の問題ですが、各種難聴の理解は、子どもの難聴の理解にも役立つでしょう。
老人性難聴は高い周波数がきこえにくくなります。
だから、全体的な聴力の数値の低下は少なくても、特定の語音が聞き取りにくくなります。

蝸牛(内耳のカタツムリの部分)にある聴覚神経は、入り口付近が高い音を感じ取り、蝸牛の奥に行くほど、低い音を感じるように神経が並んでいるようです。
加齢により、入り口の部分から変性していくということでしょうね。

後迷路性難聴、心因性難聴など、このほか難聴には様々な複雑な背景があります。
単純にはとらえられないのですね。

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第11回 言語聴覚士国家試験 7 アスペルガー症候群

午前 第11問


アスペルガー症候群でみられるのはどれか。
1. 知能障害
2. 記憶障害
3. 言語障害
4. 睡眠障害
5. 社会性の障害

***
ヒント

ヒントは必要ないかと思いますが・・・。
基礎中の基礎です。

アメリカ精神医学会のDSM-Vでは、「アスペルガー障害」が削除されて、従来の自閉症も含め、「自閉症スペクトラム障害(症?)」に一本化されました。


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第11回 言語聴覚士国家試験 6 吃音

午後 第87問


吃音について正しいのはどれか。
1. 原因不明の構音障害である。
2. 学童期以降は発症しない。
3. 遅延聴覚反応(DAF)を用いると発話速度が速くなる。
4. 斉読で吃音頻度が減少する。
5. 適応効果がない。


***
ヒント
吃音は構音障害とは違います。
吃音は、出だしが詰まるなどの話し方のリズムの障害であり、構音障害は、発音がうまくいかない障害を指します。

吃音は、学童期前から発症します。3歳前後、就学前後の発症が多いです。
DAFを用いると、発話速度は遅くなります。不自然に遅くなります。
斉読で症状が緩和する場合があります。
何度もリハーサルすることで、症状が軽減すること(適応効果)があります。

ちなみに最近、幼児期のお子さんに適用される「リッカムプログラム」が脚光を浴びていますが、統計上、その効果は、「環境調整」と有意差がないという報告もあります。
新しい学説なので、色々と調べた上で、導入の可否を検討する必要があるでしょう。

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第11回 言語聴覚士国家試験 4 小児の構音訓練




午前 第79問


小児の構音訓練について正しいのはどれか。
1. 口蓋化構音の訓練には聴覚刺激法が有効である。
2. 訓練開始前から誤り音を自覚させる。
3. 声門破裂音の訓練では二重構音に注意する。
4. 文の音読が正しくできると日常会話に般化する。
5. 言語発達障害の合併例では構音訓練から始める


***
ヒント

口蓋化構音や側音化構音、声門破裂音、鼻咽腔構音などの歪み音の場合、正しい音を聞かせてまねさせるという練習方法は、無謀という他はありません。
そんな練習法で改善するなら、わざわざことばの教室で専門的指導を受ける意味がありません。

訓練前から誤りを自覚させることが良い場合もあります。
特に通級の動機付けのために初期から自覚させるべきとの主張も過去にありました。
しかし、歪み音は特に低学年では自覚が難しく、本人に困り感がなければ納得できないでしょう。

ましてや、文字を見せて「キ」が言えないから練習するんだよ、はい、「キ」の文字を読みながら練習しましょう、というのは、既に学習した「キ」の歪み音を強化する恐れさえあります。

動機付けは違う内容から入った方がいいです。特に低学年時には。
「楽しいから通う」で、どうしてだめなのでしょうか。

単音節で正音が出せるようになってから、初めて「実はそれが「キ」なんだよ」と告知するのが定石。

文の音読までは正音でも、会話になると歪みが頻回になるお子さんがいます。
通級終了のめやすは、会話レベルでもおおむね改善していることです。

言語発達遅滞を伴っている場合、遅れへのフォローを優先する場合が多いです。
もちろん、構音指導がフィットする例もありますが、「構音障害があるから、ただちに構音の指導」ではありません。
その子にとっての「適時、適切、適量」でなくてはなりません。

声門破裂音とは、たとえばカ行が、喉を締め付けるような「アッ」というような音に歪んでいるものです。指導の順序は、喉から距離的に一番遠い音、つまり舌尖音から行うのが定石。
その際、喉でも舌先でも、二重に構音していないか、慎重に確認する必要があります。


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第11回 言語聴覚士国家試験 3 話しことばのある「自閉症児」

午前 第70問


話しことばのある自閉症児の言語特徴について誤っているのはどれか。
a.自分の興味があることはよく話す。
b. 共感的言語表現が乏しい。
c.コミュニケーション意欲は発達しない。
d. 初期に獲得される語彙は健常児と同様である。
e. 会話での間合いの取り方がずれる。

1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e


***
ヒント

自閉症のあるお子さんは、相手の話すことを聞かずに、あるいは最後まで聞かずに、一方的に話すことがあるので、間合いの取り方のずれが見られます。
でも、間合いがずれていなくても(むしろとても上手でも)、社会性、コミュニケーションの困難など、自閉症の状態を示す子も多いです。

コミュニケーション意欲は発達しない、は言い過ぎですね。
そのこの興味関心に合わせて、その子なりのコミュニケーションの取り方はあるでしょうし、
少しずつでも育っていくものです。

そうすると、c.eが誤りと言うことになりますが、選択肢にありません。(笑)
ということは、dが誤りがということでしょうか。
でも、自閉圏のお子さんの場合でも、3歳児健診までは通常のことばの発達を示すことも少なくありません。ということは、この問題では「自閉症児」の定義を狭く解釈し、アスペルガー症候群とは別としてとらえる必要がありそうです。
ならば、会話のずれも生じやすい。
5年前の問題ですから、「自閉症スペクトラム障害」の概念はまだ整理されいていないですね。


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第11回 言語聴覚士国家試験 2 「意味発達」

午前 第46問

意味発達の指標はどれか。
1. 喃語(babbling)の発達
2. 汎用(over-generalization)の出現
3. 共同注意(joint-attention)の成立
4. 心の理論(theory of mind)の理解
5. 音韻意識(phonological awareness)の成立


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ヒント

「喃語」は音遊び。

「共同注意」が意味の指標のような気もしますが、同じ物を見ている時に、そこに「意味」を見いだしているのかは別問題。「意味」より前の段階ですね。

「心の理論」は、5歳半前後に獲得されていきますから、「意味」を理解するずっとあと。
「音韻意識」は、「たまご」は3つの音からできている、と語音を分解する力のこと。「意味」とは無関係。

ある物事が、他の場、物、人にも同じように適用されるのだ、あるいは違うのだ、がわかるのが「意味」の理解。

ズボンを「はく」と言うのは全国共通ですが、北海道では、手袋も「はく」と言います。
体の長い部位に装着するという意味では、手袋は「はく」ものだよなあと思います。
手袋が「はめる」なら、ズボンや靴下だって「はめる」でしょう、と。

その「ことば」の意味の指し示す範囲は、どこからどこまでか、どこで線を引くか。
構造主義。
それが「意味」ですね。
そう考えると、「意味」とは「言語」ですね。
「言語」とは「汎用」ですね。

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第11回 言語聴覚士国家試験 純粋語聾

午前 第56問


純粋語聾で障害されるのはどれか。
1. 純音聴力
2. 音源定位
3. 音楽の認知
4. 語音の認知
5. 環境音の認知


ヒント
耳から入る方が得意とか苦手とか言われますが。
聴覚にも、いろいろな聴覚があります。

・車の音や風の音などの環境音
・ことばの音声である語音

この2つの認知は別物です。
だから、ことばの理解は苦手でも、美しい演奏は楽しめます。

音源定位や音楽、純音(ピー音)、環境音は、全て、ことばを聞いて理解する力とは別ものです。

「純粋語聾」は、純粋に音声のことばを認識する力だけが低下していること。
環境音認知には、原則として問題はありません。

もちろん、「聴力」が低下していると、環境音も語音も聞き取りにくくなります。

「聴力」と「聴覚」も全く別物。

「プリンタをつないだのに、パソコンが認識しない」
物理的な「結線」と、「認識」とが別なのと同じ。

「純粋語聾」は失語症の用語ですが、LDや言語発達遅滞、などのモデルを検討する際に参考になります。


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第12回 言語聴覚士国家試験 3 生活年齢と発達年齢

第12回午前


第71問


生活年齢6歳で精神発達3歳レベルの言語発達遅滞児の評価項目で重要性が低いのはどれか。

1. 対人相互干渉
2. 言語理解
3. 言語表現
4. 非言語性知能
5. 書字

***

ヒント

「文字の読み書きができないから文字の指導」となってしまいます。これが学校教育の文化でした。(過去形?)
 私も今の仕事に就く前には、おおざっぱに言って、「生活年齢」と「発達年齢」という二つの年齢があるということを知りませんでした。

 発達的に3歳であれば、通常発達の3歳の子に、文字を教えることが、いかに子どもにとって負担が大きいか、と想像できるはずです。
ならば、文字の読み書きの前に、聞く、話すの指導の方が大事だな、遊びを通してが大事だな、となるはず。




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第12回言語聴覚士国家試験 2 吃音のリハ

午後第88問

吃音の流暢性促進訓練で誤っているのはどれか。


1. 発話の低速化
2. 軟起声
3. 力を抜いた構音動作
4. 筋緊張のフィードバック
5. モーラ指折り法


ヒント
モーラ指折り法は、モーラごとに指を折って発声する方法で、非流ちょう性失語、麻痺性の構音障害には良いかもしれませんが、吃音には・・・。
リズム法といって、メトロノームに合わせながら五七五の文を読む練習はしたことがありますが、モーラ毎だとリズムにはなりにくいし、よけいな緊張を生む可能性もあるのでは。
ほかの4つの選択肢は、吃音の指導の代表例でしょう。




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第12回言語聴覚士国家試験 特別支援学校の対象となる障害者

午前第49問

特別支援学校の対象者はどれか。
a.病弱者
b.聴覚障害者
c.言語障害者
d.情緒障害者
e.肢体不自由者


1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

***

学校教育法を参照。
言語障害者、情緒障害者は、学校教育法上、あとから出てきた障害。
特別支援学級も同様。

通級による指導では、上記の他、LD,ADHD、自閉症も含まれます。

あとから出てきた障害について、障害のレッテル貼りが増えたという批判がありますが。
でも、情緒が不安定で学校生活がままならない子はいますし、全般的な知能水準に遅れはなくても、言語に落ち込みがあるというような発達のアンバランスを示す子の存在を認知するということは、その子の特性に合わせた支援につながるわけです。


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第13回言語聴覚士国家試験 3

午前 第68問


正しい組み合せはどれか。

1. フロスティッグ視知覚発達検査  ーー  目と手の協応運動
2. 絵画語い発達検査  ーー  言語伝達力
3. WPPSI知能診断検査  ーー  継次処理能力
4. DN-CAS評価認知システム  ーー  言語性IQ
5. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法  ーー  認知能力


ヒント
これは、言語聴覚士でなくても、通級担当としては押さえておきたい基礎知識です。

絵画語い発達検査(PVT-R)は、語い力を見るテストです。指さしで回答しますから、「伝達」というより、語い量を測ります。
WPPSIは言語性、動作性。ウェクスラーの知能モデルがベース。WISC、WAISもウェクスラー。
継次処理、同時処理を見るのは、K-ABC。ルリアモデル。
DN-CASは、同時処理、継次処理、注意、プランニングを。ルリアモデルからバージョンアップしたPASS理論がベース。

遠城寺式は、認知能力というより、移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解の6領域を見ます。

ちなみに、PVT-R、WISCー4、KABC-2、DN-CASのそれぞれの「評価点」は、同じ標準得点法で計算されているので、お互いに比較できます。


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第13回言語聴覚士国家試験 2




第13回
午前第90問

小学校入学前児。聞き返しがあり発音が不明瞭である。優先順位の低い検査はどれか。


1. 純音聴力検査
2. ティンパノメトリ
3. 言語発達検査
4. 視知覚検査
5. 口腔内の形態と機能の検査

ヒント

就学相談や教育相談に必要な知識でもあります。

純音聴力検査は、「聞き返しがあり」との状態から、聴力を測るものです。

ティンパノメトリは、耳管の狭窄や中耳炎など、鼓膜の動きの異常がないかを診る検査です。
「聞き返しがあり」ということから、聴覚障害の疑いを除外(あるいは特定)するために行います。学校では行いませんが、医療機関で。

ことばの教室では、聴力検査機器の設置が望まれますが、ない場合でも、ささやき声がきこえるかとか、耳の後ろで指をコショコショしたり、ポンポンたたいたりする簡易な検査もあります。
そこで聴力の異常が疑われれば、医療機関の紹介をします。

言語発達検査は、言語の遅れが発音にも出ているという可能性を検討するためです。
言語発達年齢がたとえば3歳で、ラ行がダ行に置き換わる、と言った場合、その子にとっての発達相応の構音発達と見なすこともできます。ならば、構音指導が優先なのか、言語発達の支援が優先なのかの検討資料にもなります。

口腔内の形態と機能の検査は、発語器官の異常によって、構音に影響しているかを診る検査です。鼻咽腔閉鎖機能や、舌小帯、歯のかみ合わせ、アデノイド、鼻づまりなどを診ていきます。

異常があれば器質性構音障害、器質的なものがなければ、機能性構音障害の疑います。

このように、聞こえや構音だけをとっても、様々な要因について除外して、特定していくことが必要になります。

視知覚検査は、図形の認知処理能力を評価するもので、聴力や構音には直接関係しません。
そのほかの困り感を検討する上で、必要になる場合もありますが、まず出会っての検査としては、優先順位が低いです。





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第13回言語聴覚士国家試験



第70問


ディスレキシア(発達性読み書き障害)の検査で優先順位が低いのはどれか。
1. 音韻削除課題
2. WISC-Ⅲ知能診断検査
3. 単語の逆唱課題
4. 語流暢性検査(WAN)
5. 心の理論検査


「心の理論」は、サリー・アン課題などで有名な、自閉性についての理論。
一時はやりましたが、高機能群では課題が解けてしまうことから、心の理論課題ができない=自閉症とは言えない、というのが現在です。
もともと、心の理論課題CDのマニュアルにもそう書かれています。

いずれにせよ、ディスレキシアの判断には用いられません。

「○○の体系化冊子」などと言って、教科書のように各教室に常備すべきだ、などと決められてしまったことがありますが、LDの検査の欄に「バウムテスト」が入っていて、幻滅してしまいました。
学習障害の問題と、心理的な問題とがごちゃ混ぜ。
基礎知識のレベルです。

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第14回言語聴覚士国家試験 2


第62問 暗算に関係するのはどれか。

a.エピソード記憶
b.手続記憶
c.意味記憶
d.作業記憶
e.展望記憶

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

***
ヒント

エピソード記憶は、今日公園に行って、ブランコに載って、と時間や場所などの経験の記憶のことなので、機械的な暗算の処理過程には関係がないです。

展望記憶は、将来行う行動についての記憶なので、これも無関係。

どういう手順で計算し(手続き記憶)、その計算にはどんな意味があるか(意味記憶)、そしてテーブルの上で数字を並べて操作する(作業記憶)が関与。

というのが正解なのでしょう。

でもまれに、1個のリンゴが家にあって、隣のおばさんが2個のリンゴを持ってきてくれた、全部で3個になったという経験を覚えていて、お母さんが「3個になったね」と言っていたのを思い出したとしたら、それはエピソード記憶も関与するのでは。
そんなことは滅多にないですが。
それ以前に、その設定自体、「暗算」の定義からはずれますね。

「記憶力はあるのに、ことばを覚えていない」とか、
「記憶力はないのに、ポケモンの名前は全部覚えている」とか。
それは当たり前の話で、記憶の種類が違うからですね。
興味関心の強さも関与するでしょうが、記憶の種類の違いが無視されがちだなと。

だからたとえば、聴覚的な音韻の記憶の底上げを図る指導で、料理のレシピの手順を覚えるという手立ては、全く的外れなわけです。

逆に「連想記憶術」というのがあります。
にんじん、大根、タマネギ
という3つの物を覚えて(意味記憶)、買い物に行くときに、何を買いに来たか忘れる。
そうしたときには、例えば、
「頭ににんじんを突き刺した」
「おでこを大根で冷やした」
「目にタマネギで涙」
と体と結びつけて覚えれば(エピソード記憶)
忘れにくい、という方法があります。
違う種類の記憶法で補う訳です。

ちなみに、記憶と結びつける体の部位を頭の上から、予め決めておいて、いつもそれを使うようにすると混乱しません。


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第16回 言語聴覚士国家試験 2

以下は、第15回の時の試験問題です。
小児領域からピックアップ。
こうしてみると、小児領域の問題は結構たくさんありますね。
私が受けたときと、問題の傾向が変わっているように思います。
私の「言語通級教育士」試験のパクリもあるのでは?(爆)
学校教育との連携のあり方に関する問題が複数あるのは、素敵です。

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午後
第69問
小学3年生の男児。 主訴は「読み書きができない」。IQは105。実施すべき検査はどれか。

a.心理教育プロフィール三訂版(Psychoeducational Profile Third Edition)
b.CARS(Childhood Autism Rating Scale)
c.Rapid Automatized Naming Test)
d.単語逆唱課題
e.reading-test

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
「心理教育プロフィール」は自閉性尺度のようですね。CARSもそうです。
c.のRANは、不規則に並んだ文字や絵などを素早く読テストで、読み障害のテストとしては有名。
d.の単語逆唱課題は、「はさみ→みさは」のように音の配列を並べ替える課題。こうした音韻分析の力が文字の読みに影響していることが多いです。
e. reading-testは、文字通り。
すると正解は自明です。


午後
第70問
知的障害児への言語指導で適切なのはどれか。
a.全体発達重視
b.言語表出重視
c.個別指導重視
d.細かいステップ重視
e.親への支援重視
1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
知的障害のある子に限らず、ことばで表現することにこだわる指導がどうしても見られますが。
「ことば」というものをもっと広くとらえなくてはいけませんね。
また、知的障害だから個別指導ばかりが良いとは言えない。様々な経験の中には、集団でのかかわりも含まれるものです。


午後
第71問
小学校5年生の男児。発達性ディスレキシア(発達性読み書き障害)の指導で適切でないのはどれか。
1. 手書き認識可能なワープロソフトを用いる。
2. 筆順を事前に示し、模写する。
3. 学年相応の漢字を練習する。
4. 興味のある分野について読む。
5. 音読して聞かせ、意味内容を把握してから自分で読む。
ヒント
 発達性ディスレキシアのある子への指導で、学年相応の漢字を練習することが間違いとまでは言えないかもしれませんが、子どもの実態に合わせることから出発するのでなく、まず学年相当の内容ありきという判断であれば、不適切と言えます。






午後
第73問
教育との連携で言語聴覚士の適切な役割はどれか。
a.保護者からの依頼で担当児の学校に報告書を送る。
b.担任と保護者と三者で話し合う。
c.就学支援委員会のメンバーとして知り得た内容を保護者に伝える。
d.言語聴覚士の判断で担当児の担任と電話で連絡を取る。
e.教育委員会の依頼で巡回相談をする。
1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
学校の先生や保護者の立場で考えれば、すぐにわかる問題かと。
プライバシーや、職務上知り得た情報の扱いの問題。


午後
第78問 3歳児がカバンを[tabaɴ]と発音したときの誤り方はどれか。
1. 省略
2. 歪み
3. 構音位置の誤り
4. 構音方法の誤り
5. 音節配列の誤り

ヒント
まず、[tabaɴ]と発音したなら、省略や歪みではないです。歪みなら△とか、歪みの記号になるはずです。
カバン→バンカなどのように音節の配列が誤っているわけでもない。
「カ」が「タ」になったのであって、どちらも破裂音です。
弾く音や、摩擦音になっているのではないので、構音方法が誤っているわけでもないです。


午後
第79問 6歳の男児。主訴は「サ行とカ行が言えない」。
 まず行うべき検査はどれか。
a.構音検査
b.純音聴力検査
c.言語発達の検査
d.視知覚認知検査
e.読み書きの検査

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
視知覚に苦手さがあっても、構音には関係ないですね。読み書きができなくても同様。
その子が、視知覚や読み書きにも困難がある場合があるかもしれませんが、まずは主訴の状態がなぜ発生しているのか、その要因を特定することが重要。
聴力による問題なら、サ行、カ行に限らないし、「鼻から抜けるような声」などのことが多いでしょうが、主訴というのは概して、子どもの状態を正確に表現していないことが多いわけです。そこを正確に評価するのが、ことばの教室担当の仕事です。



午後
第88問 小児の吃音への対応について適切なのはどれか。
1. きょうだいで競って話をするように勧める。
2. 吃ったら本人の代わりにすぐに言う。
3. 苦手な言葉の言い換えを推奨する。
4. 構音障害の合併例でも構音訓練を実施しない。
5. 低学年児でも吃音についての正しい理解を促す。

ヒント
吃音のイロハがわかっていれば解ける問題かと。
最後までだまって聞いてあげる、タイムプレッシャーを与えない、が基本。
吃音と構音障害が合併している場合で、相互に影響していると判断される場合には、構音練習をすることもありです。ただし、慎重な判断と、適切な指導が必要でしょうが。


午後
第92問
前言語期の難聴児のコミュニケーション指導について適切でないのはどれか。
1. 子どもの発声に呼応する。
2. 子どもとの相互的な関係を成立させる。
3. 母親から子どもを分離して指導を行う。
4. 情動レベルのコミュニケーションを重視する。
5. 身振りや表情を豊かにする。
ヒント
ヒントは不要ですね。非言語的、情動的、相互的なコミュニケーションはとても大事。


午後
第96問
教育機関での聴覚障害者に対する情報保障の方法として適切でないのはどれか。
1. 手話通訳
2. FM補聴器
3. ノートテイク
4. CROS補聴器
5. 赤外線補聴援助システム

ヒント
CROS補聴器というのは、一側性難聴に適用される補聴器のことなのですね。しりませんでした。片側性の場合は、教育的には難聴の判断ができないのですが、本人にとっては、音源定位なども含めて、実は結構聞き取りにくいものです。
だから、座席の位置を工夫するなどの対応が必要になります。
でも専用の補聴器まで必要になるか・・・、購入には自己負担になるでしょうね。現実的、教育的とは言い難いのでは。


午後
第99問
人工内耳について正しいのはどれか。
a.電極の先端で高周波数情報を伝える。
b.定期的な電池入れ替え手術が必要である。
c.FM補聴システムを併用することができる。
d.コード化法の進歩で聞き取りの成績が向上してきた。
e.体外器の種類は箱形と耳かけ型、挿耳型の3つである。

1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e

ヒント
最近は、人工内耳の性能もよくなって、地域の学校で学ぶ子が増えてきました。難聴・言語担当としては、人工内耳の基礎知識は持っていなければなりません。一度、どんなものか、図や実物で確かめておけば、解ける問題です。
bのように電池を替えるたびに手術が必要だとしたら、こんなに不便な機械はないですね。
箱形なんて、人工内耳でなくても、見たことないですね。
昔は地域のおじいちゃんが箱形を持っていて、耳につなげていたのを覚えていますが。

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新しい先生に対して、「話し合う」研修も大事かもしれませんが、その前に基礎知識を学ぶ場がなければならないのでは?
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第16回言語聴覚士国家試験

(知識が全てではないが、支援の方向性を大きく誤らないために、知識は必要である。よく、今正しいと思われることも、将来は変わるかもしれないから、知識は絶対ではないという議論を聞く。しかし、今考えられる最善の方向をめざすのが支援者の務めではないか。)

第16回言語聴覚士国家試験 昨日だったようですね。


解答速報はこれから出てくると思いますが、
今年も、小児領域からも出題されたことでしょう。

以下は、第15回言語聴覚士国家試験の過去問から、
小児分野や、LDの指導のための神経心理学的の知見として必要な内容の一部をピックアップしてみました。

ことばの教室担当教員の皆様、チャレンジしてみては。
見てわかるように、専門学校で勉強しなくても、日常の教室での研修、経験の長い先生のスーパーバイズを受けながらでも十分勉強できる内容ばかりです。

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第32問

WISC-Ⅳ知能検査の下位検査でないのはどれか。
1. 知識
2. 符号
3. 数唱
4. 迷路
5. 理解

ヒント
WISC-4を見たことのある人ならすぐにわかります。
3にはあったけど、4ではなくなったのは、検査の信頼性に問題があるからです。
だから、3で検査を行うときは、3の弱点をしっかり理解した上での活用が望まれます。


第57問


失語症の書字能力について正しいのはどれか。
1. 非利き手でも評価できる。
2. 書き取りができれば書称はできる。
3. 漢字が書ければ平仮名は書ける。
4. アラビア数字が書ければ漢数字は書ける。
5. 自分の氏名と住所が書ければ失書はない。


ヒント
聞いた言葉を文字に書けても、目の前の物の名前を想起して書けるかどうかは別問題。
3、4は論外。5は、内容や入力方法によって書けない、書けるがあるかもしれないので、氏名住所が書ければ問題ない、ということにはなりません。
「会話できれば、言語発達に問題はない」というのと同じ誤りですね。


第68問


誤っているのはどれか。
1. LCスケール  ーー  形容詞の理解
2. 絵画語い発達検査  ーー  聴理解
3. 〈S-S法〉言語発達遅滞検査  ーー  単語の読み
4. 標準抽象語理解力検査  ーー  読解
5. 小学生の読み書きスクリーニング検査  ーー  1文字の読み

ヒント
S-S法を私は、試案の検査しか実物を見たことがありませんが、検査の主旨がわかっていれば、S-S法に文字の読み書き課題が含まれないことから、すぐに正解がわかりました。


第73問


5歳の女児。言語理解は単語レベルで、事物名称と人名は理解可能。動作語と大小・色名は理解不可。指導する2語連鎖で適切なのはどれか。

1. 対象+動作(みかんを食べる)
2. 動作主+動作(男の子が洗う)
3. 大小+事物(大きい車)
4. 色名+事物(赤い車)
5. 所有者+事物(女の子の車)


ヒント
わからない単語を使って、しかも2語文連鎖の指導というのは、ハードルが高すぎますね。
指導のねらいは焦点化しなければなりません。語いの指導なのか、統語の指導なのか。


第74問


前言語期の言語発達障害児の保護者への助言で適切なのはどれか。
a.登園カバンを見せて行き先を予告する。
b.牛乳パックを見せて子どもにコップを取ってこさせる。
c.色名の理解を促す。
d.成人語音声の模倣を促す。
e.身振りの理解と表現を促す。

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e


ヒント
前言語期というのは、有意味語(一語文)が出てくる前の段階ですから、色名の理解はレベルが高すぎです。成人音声の模倣をさせるのも無意味。


第80問


側音化構音の訓練に用いられるのはどれか。
a.鼻息鏡
b.バイトブロック
c.外鼻孔の閉鎖
d.語音弁別訓練
e.舌の脱力訓練

1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e

ヒント
これは、ことばの教室の先生には、比較的やさしい問題かと思います。バイトブロックや外鼻孔の閉鎖の意味がわからなくても。
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言語聴覚士国家試験 現職救済

 「ya先生は、どうやって言語聴覚士の資格を取ったのですか?」
「ya先生は、どうやって学校教育に入り込めたのですか?」

というご質問をときおり頂きます。

中には「資格を持っているというのはウソでは? 学校の先生が取得できるはずがない」
という方まで・・・。

なので、「証拠」を写真に載せました。
坂口さんが、厚生労働大臣の時です。
鑑もなにもつかずに、クリアファイルに入れて封筒で、書留で送られてきました。

言語聴覚士法が施行されたとき、「現職救済」の規定があったのです。
つまり、法施行後5年間のみ、現職でことばの教室などの言語聴覚療法を行っている人は、指定のスクーリングを受ければ、国家試験を受けられる、という規定でした。
(今はもうありません)

私は言語聴覚士としてではなく、あくまでも公立学校教員として雇用されています。
採用試験は学校教員です。

今から専門学校に行って、資格を取ろうかなと思っておられる学校の先生もおられますが・・・。
資格を持っていても、どうかなという方もいますし、持っていなくても、すばらしい先生もたくさんおられます。
資格をとれば信頼されるとか、そういう話ではないですね。
2年間休職して、専門学校に通うよりも、現職で研修を積み上げた方が、はるかに勉強になるのでは。

私の場合、資格を持っているから、いろいろなことができる、のではなく、資格を取るまでの自学自習と経験が今に生きている、ということです。

土日も図書館で自習、各種講演の参加、ウォーキングしながら講習の録音を聞く、ノートを作る、など色々やりました。
独身の時だからできたというのもありますが。

一方、「心理職」の国家資格の制定にあたっても、「現職救済」の規定が盛り込まれるのでは、という話がありますが、どうなっていくのでしょう。各種検査ができる人が学校現場に居てくれないと困ります。
「特別支援教育士」の資格を持っている人は・・・、というようになるといいのですが。
資格を持った人が検査を正式にできる、という方向性は、上記の主旨にかかわらず、大事なことになっていくだろうなと。

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言語聴覚士臨床実習

毎年受け入れていた、言語聴覚士臨床実習ですが、今年は間に合っていますとのことでした。しかし、新規設置予定だった実習先が、厚生労働省の基準を満たさなかったそうで、改めてこちらに実習の要請がありました。10月に受け入れることにしました。
 
就学指導委員会の季節で、あまりお構いできないかもしれませんが、いろいろな意味で、今年が最後の受け入れになるかもしれません。

今回で、受け入れは10人目になりました。
小児分野の就職は難しいと言われますが、けっこう小児に就職されています。


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