小学校入学前児。聞き返しがあり発音が不明瞭である。優先順位の低い検査はどれか。
1. 純音聴力検査
2. ティンパノメトリ
3. 言語発達検査
4. 視知覚検査
5. 口腔内の形態と機能の検査
ヒント
就学相談や教育相談に必要な知識でもあります。
純音聴力検査は、「聞き返しがあり」との状態から、聴力を測るものです。
ティンパノメトリは、耳管の狭窄や中耳炎など、鼓膜の動きの異常がないかを診る検査です。
「聞き返しがあり」ということから、聴覚障害の疑いを除外(あるいは特定)するために行います。学校では行いませんが、医療機関で。
ことばの教室では、聴力検査機器の設置が望まれますが、ない場合でも、ささやき声がきこえるかとか、耳の後ろで指をコショコショしたり、ポンポンたたいたりする簡易な検査もあります。
そこで聴力の異常が疑われれば、医療機関の紹介をします。
言語発達検査は、言語の遅れが発音にも出ているという可能性を検討するためです。
言語発達年齢がたとえば3歳で、ラ行がダ行に置き換わる、と言った場合、その子にとっての発達相応の構音発達と見なすこともできます。ならば、構音指導が優先なのか、言語発達の支援が優先なのかの検討資料にもなります。
口腔内の形態と機能の検査は、発語器官の異常によって、構音に影響しているかを診る検査です。鼻咽腔閉鎖機能や、舌小帯、歯のかみ合わせ、アデノイド、鼻づまりなどを診ていきます。
異常があれば器質性構音障害、器質的なものがなければ、機能性構音障害の疑います。
このように、聞こえや構音だけをとっても、様々な要因について除外して、特定していくことが必要になります。
視知覚検査は、図形の認知処理能力を評価するもので、聴力や構音には直接関係しません。
そのほかの困り感を検討する上で、必要になる場合もありますが、まず出会っての検査としては、優先順位が低いです。