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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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難聴が疑われる就学児。気導聴力検査で不適切なのはどれか。

1 大きい音から聞かせ、徐々に小さくする。
2 左右のうち、健側から測る。
3 機械のスイッチを押すところは見えいないようにする。
4 1000Hzから始める。
5 1000Hzは2回測る。

***

一対一では聞こえに問題がないからと言って、聴力が正常とは限りません。
集団の中で、わずかの雑音があるととても聞き取りにくくなったり、
音源が遠い(座席が後ろの方など)と聞き取りにくい。
後ろから話しかけられると、話しかけられたこと自体に後で気づくなど。
集団での様子のアセスメント、そして聴力検査が重要です。

学習障害を疑うなら、必ず聴力検査の情報を頂くか、自ら検査すること。

就学時健診での聴力検査は上記より簡易なものですが、それを行わないのは違法です。
自治体規模で実施するか否かを決めるのはおかしい。
法で定められている以上、必ずやらなければならないのです。



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片側性難聴児の就学相談

右耳は全く聞こえないが、左耳には問題のない就学児の就学相談。就学先の学校への助言で適切なのはどれか。


1 特別な配慮はしない
2 通常学級では座席を子どもから見て左側にする
3 手話を用いる
4 ことばの教室では、騒音下での聞き取り練習をする。
5 指示が通らない時は、説明が聞こえたか確認する


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家庭でできるきこえの検査

さっぽろ子どもの聞こえ相談ネットワークを作る会 編

幹事は学校の先生です。
医療関係者と連携すると、こんなに質の高いビデオも作れてしまうのですね。

3歳時健診でこれだけきちんとした検査を各家庭で行えるかということがありますから、このDVDはグッドアイデアです。


一方、就学時健診で、きこえや視力の検査を行わず、家庭任せにしている自治体もあります。
学校保健安全法違反であり、違法です。




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某作曲家の「感音性難聴」

事態は複雑なようなので、ゴーストライターの有無の是非については論じません。


ただ、難聴について、一部誤解のある報道があるようなので、当事者の一人として言わなければと思いました。

・伝音性難聴=耳から入った音が、鼓膜→耳小骨→蝸牛の聴覚神経に届くまでの問題です。音の震えが物理的に伝わる段階。

・感音性難聴=聴覚神経から脳に届くまでの問題です。電気的な伝達の問題です。

この2つの鑑別のためには、気導聴力検査と骨導聴力検査を組み合わせます。
気導は聴力レベルが低くて、骨導に問題がないなら、音の震えの物理的な伝達の問題が疑われます。
骨導にも聴力低下が見られるなら、感音性難聴を疑います。

両方を合わせ有する方もいます。

必要に応じて、他の検査も組み合わせて総合的に診断します。


ちなみに、音の歪みがある場合、「ピー音」も歪んで聞こえることがあります。
しかも周波数によって、歪んだり、歪まなかったりすることもあるでしょう。
私の場合、調子がわるいと、125,250,500Hzだけが歪んで聞こえることがあります。
でも「聞こえる」=「正常範囲」と判断されてしまいます。


1 「障害者手帳の有無」と、「障害の有無」とは一致しません
→聴覚障害として認定し、手帳交付のためには一定の基準にあてはまらなければなりません。

 手帳交付の対象とならず、補聴器を装用している子はいっぱいいます。
 その場合は行政の支援の対象とならず、補聴器は全て自己負担で購入です。


2 感音性難聴で、音に歪みがある場合、補聴器が有効でない場合が多くあります。
→補聴器で音を大きくしても、歪んで聞こえることに変わりはありません。

両手で口をふさぎ、「ゾーサン」と言って、人に聞かせてみてください。
「いまのは、ゾーサンでしょうか、ローソンでしょうか?」
聴覚障害の理解のための疑似体験の一つです。
音を大きくしても聞き取りはよくなりません。


3 大声で話せば聞き取りやすくなるわけではありません。

大声で話すと、後続母音は大きくなりますが、子音が大きくなるわけでないので、余計に聞き取りにくくなります。
たとえば「カサ」は、発音記号で /kasa/ と書きます。
大声にすると、子音部分の /k/ /s/ よりも、 /a/ の部分が強調されるので「ああ」のような感じにしか聞こえません。 / k / も  /s/ も、無声子音(声帯を震わせない音)なので余計です。

4 会話の中で、手話を必要とせず、一部聞き取れる場合があります
「これが、HIROSHIMA ですね?」 → 「そうですね」
という会話が成立したから、聴覚障害ではない、という鬼の首をとったような主張がありますが。

場の状況から、「これが、HIROSHIMA ですね?」と尋ねられたのだろうということがわかれば、返事ができるわけです。
「たとえ、『これが、いろいま でえね」のように聞こえても、おそらく質問者はこう質問したのだろうと推理できるわけです。

作曲について会話したときに、目の前の譜面について尋ねられたら、ほとんど質問の内容は限られるわけです。質問者も譜面に視線を向けながら質問していますし。
そもそも、机の上にHIROSHIMAの譜面が載っているということは、載せるまでの経過があるわけです。
「譜面を見せて頂けますか?」
というやりとりを事前にしなければ、机の上に譜面が載っているわけがないのです。
そうしたやりとりの経過も、会話内容の推理に大きくかかわります。

逆に言えば、会話に脈略がなく、突然違う話題を持ち出されたら、とてもわかりにくいでしょう。
それは聴覚障害のない人にとっても同様ですが、聴覚障害があれば、そのわかりづらさはとても大きくなります。

このように聴覚障害者は、場面の状況、発話者の口元などから、いつも必死で会話内容を推論しているわけです。他の人より何倍もエネルギーを使います。だから疲れます。
でも手帳の対象にならないのです。

むしろ問題なのは、手帳交付の対象にならない障害の程度に対して、行政が手をさしのべていないところにあるのではないでしょうか。

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軽度難聴の理解と支援

大人「おじいちゃんの名前はなんて言うの?」
子ども「たくや」
大人「たくやさんとは、何をして遊ぶの?」
子ども「ゲームとか」

一見、会話が通じているように思えます。
しかし実は、子どもは「おじいちゃん」ではなく、「おにいちゃん」と聞き間違えていました。
会話が通じているように見えて、実は2人は全く別人のことを話題にしていたのです。

このようなことが、軽度難聴では起こりやすいです。
一見、聞こえているように思えるのですが、一部が聞き取れずに、不正確な理解につながることがあります。

周囲の雑音や、音源からの距離があればあるほど(つまりS/N比)、聞こえは悪くなります。

発達障害と同じように、軽度難聴もわかりにくいです。

知識があるのとないのとでは、対応が大きく変わってきます。

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聾学校地域支援 人工内耳、FM補聴器

 聾学校の先生がお越し下さるとのことで、地域の難聴学級のある学校の先生方、幼児発達支援の先生、特別支援学校の先生に声をかけたところ、たくさんの方が集まってくださいました。
それぞれ春休みで、自分の学校の中だけでも忙しさのピークであるにもかかわらず。

色々と、職員派遣依頼するのはどっちなのか、公文書を出すのは誰なのかと、調整にかなり手間取りましたが。
一昔前なら、何の問題もなく集まれたのですが、会計検査院の調査の後からは、みんな萎縮しているし、形にうるさくなりました。
子ども中心の学校運営は、昔の方がやりやすかったなあと。
性悪説で教師を見ていったら、昔ながらの良いことまで削られるのです。

それはさておき、やはり専門の先生のお話は説得力があります。
実際の人工内耳やFM補聴器を見せてもらいました。

初めて知ったこと。改めて確認したこと。
・FM補聴器は、チャンネルが6個までなので、同一学校では同時に6個までしか使えない。また、同時に同じチャンネルで複数のマイクを使ってはいけない(混線するので)。(考えてみれば、当たり前です)

・回覧された、聾学校の自作プリント教材は優れもの。ことばの教室でも使えると思いました。
 印象的には外国の方が、日本語を学ぶ時の文法や語いなどを扱っているように思えました。(パッと見ですが)

・話しかけて聞き返されると、だんだん単語だけでもう一度言うようになるが、かえって文で伝えた方が良い。
 「鉛筆」だけでは、「置いて」なのか「持ってきて」なのかわからない。文と一緒に語いは獲得する
 →幼児の反応を見ていても、それがよくわかりますね。「語い」は、生活文脈、話しの文脈の中で獲得するのは、難聴でないお子さんでも同様のはずです。

いずれにせよ、聴覚障害に関連して、関係者が顔を合わせられたので、今後については、今回集まったメンバーが連絡を取りながら、パートナーティーチャー派遣事業を合同で活用することなどで一致しました。

放課後が指導の混雑時間である私は、今後、放課後の会議には出席できないだろう、だから先生方で自主的に動いて欲しいとお願いしました。


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聴覚障害と音韻認知障害

聴覚的認知が苦手なお子さんの場合、聴力検査を行って、聴力が正常域であるかを確かめることが必要なことがあります。私が通級を担当して以来、通級指導時の聴力検査で初めて聴力に問題があることがわかった子が数名いました。
 
また、聴力(きこえ)と聴覚は、まったく別物です。
 
きこえがよくても、語音の認識能力に苦手さがある場合もあります。それがLDにつながるわけですが、聴力を確かめずにLDと判断してしまうケースがあるのでないかと危惧します。
 
小学校低学年であれば、1年生の聴力検査以降に、中耳炎による聴力障害が見つかることもあるし、高学年でも耳垢がたまってきこえが低下している場合もあります。除外するために、少しでも疑ったら検査した方がよいでしょう。

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片側性難聴

片側性難聴と耳鳴りが伴うと、一層聞き分けが難しくなるのを実感しています。
 
つまり少しでも雑音があったり、同時に複数の人が話すと、人のことばを聞き分けるのが難しくなります。
 
また、環境音にしても、語音にしても、音がインプットされた段階で、耳鳴りの「ボリューム」?が大きくなり、聞き分けの困難さに拍車をかけます。
 
時によっては、その声がどの方角から聞こえたかわかりません。
 
後ろで話しているらしいのに、壁に反射した前方からメインに聞こえたりします。
 
片側が聞こえていれば問題ない、というがいかに誤解であるかを実感しています。
 
成人の片側性難聴の方もそのようにおっしゃっていました。
 
きっと天は、もっと当事者の気持ちによりそいなさい、と呼びかけてくださっているのだろうと思います。
 
私の人生、ずっといろいろなことでそうでしたから。
 

 
同僚には「私にとって都合の悪いことは聞こえません」と冗談を言って、余裕があるフリをしていますが。(^_^;)

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【研修レポート】難聴の疑似体験

 夏季休業中、地域の発達支援センターで、聾学校の先生が
 講座を開いて下さるという案内を頂き、参加してきました。

 講座のメインは「難聴の疑似体験」でした。
 ヘッドフォンで音楽を聴き、周りの会話が聞き取れない体験をすることで、
難聴のある子どもの心情を理解するものです。

 一人ずつ順番に体験し、yaの番になりました。
 みんな楽しそうに話していますが、私にはさっぱりわかりません。
 みんなが爆笑するのを見て、私もつられて笑いましたが、
内容はわかっていませんでした。
 だんだん、腹立たしい気持ちになってきました。

 ヘッドフォンをはずし、講師の先生に「何の話をしていたかわかりますか?」と尋ねられました。

「実は、ya先生の娘さんの話をしていたのですよ」と言われ、
親をさしおいて、と腹立たしさがさらに増しました。

 講師の先生はおっしゃいました。

 「難聴のある子は感情のコントロールが難しいと言いますが、
聞こえなければ孤立感を深め、腹立たしい気持ちになるものです」
 
 「一度でも、ある人と気持ちが通じたという体験があれば、
その人に安心感を持ち、頼りたいと思うようになります。
 ジェスチャーや文字など、他の手段を使って、気持ちを
わかってもらえるということがとても大事なのです。
これは発達障害の子も同じです」

 また講師の先生は、「難聴の疑似体験はこんなに簡単にできます。
周りの理解を得るためには、疑似体験がとても有効です」とおっしゃいました。

  *

 とても貴重な体験でした。

 そして、「指導方法」とか、「改善目標」の設定とかの前に、
子どもの心情を内側から感じ取ることがとても大切だと
改めて認識させられました。

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【研修報告】『標準聴力検査の方法』

発達支援センターには、定期的に聾学校の先生がいらっしゃって、
相談をしてくださっています。

今回は相談時間の合間を縫って、「標準聴力検査の方法」と題して
お話を頂けるので小学校の先生もどうぞ、とお誘い頂き、急きょ数名が参加してきました。

内容は極めてベーシックで、聴力障害の基礎知識と、聴力検査機器の使い方の話でした。

聴力検査は、気導と骨導の2種類あり、比較によって、
障害のある耳の部位を把握できます。

気導聴力だけ弱ければ外耳、鼓膜、中耳の問題、つまり伝音性難聴。
骨導の値も低ければ内耳、つまり感音性難聴。
両方であれば、混合性難聴です。
また語音と音の周波数とは関連しています。

LD(学習障害)の「聞く」ことの困難は、聴力障害がないのが、定義上前提です。

だから、聴力検査で異常がない、つまり「きこえ」に問題がなくても、
語音の認知は脳の別の部位の問題です。
パソコンにたとえれば、プリンタには線がつながっているのに、
プリンタを「認識」しないと印刷できない、ということと同じです。

ただ、LDだと思って指導していたら、実は特定の周波数が聞こえていない、
ということに後で気づかされる場合もあります。

低学年までは中耳炎などできこえが弱くなっている場合も疑う必要があります。

聴力障害の除外診断(判断)のためにも、ことばの教室で、
必要に応じて聴力検査を行うのは基本と言えます。

教室に6つの周波数が測れる聴力検査機器はありますか? 
なければ予算要望を!

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この記事は、当言語障害教育団体の記事を先取りして掲載したものです。


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聴覚認知障害を疑う前に耳の中を見ましょう

このネタは何度も書いていますが。

かつて、自閉症のなのに難聴という誤診を受けたという
エピソードがたくさん紹介されました。
脳機能のこともあるのだよ、という啓発的な意味合いも
あると思います。

しかし、何でもかんでも発達障害と言ってしまう前に、
正確に、かつ情報を欠かさずアセスメントすることが必要
ということを最近よく感じます。
流行に左右されず、確かな評価を。

たとえば、


「耳垢塞栓」
耳垢がたまっているために、
「聴力」に課題が出る場合があります。
実は結構な頻度だと思うのです。

視覚機能障害の前に、
実は乱視、近視ということも。

その状態がいつから始まったのか、
生活習慣や、各種学校保健の検査の結果、
医療的な見解、ということも含めてアセスメントするのでなければ、
誤った判断と指導ということになります。

もちろん、原因と結果は1対1ではないことが多いので、
単純には言えませんが、
間違って単純な因果律に陥らないように注意が必要という主旨です。

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