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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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場面緘黙  ことばの教室担当者 問題集

 情緒障害(場面緘黙)
 家では話せるが、学校で話せない小2女児。もっとも適切な指導はどれか。


1. 話せるようになるまで、学級の前で発表の訓練を行う。
2. 学級で順番に当てるとき、本児の順序は抜かすようにする。
3. ことばを先取りしてきた親の対応が原因なので、甘やかさないお願いをする。
4. 本人が安心できる人、場所、活動内容を保障し、徐々に難易度を上げる。
5. 「家では話せるのに、どうして学校では話せないのかな」と本人に質問してみる。


***


家では話せるので、話す能力に問題があるわけではありません。
よって、「訓練」によって「改善」しようとするのは、原則として適切とは言えません。
ただし、決まった発表内容だと話しやすい子もいるので、全く誤りとは言えないかもしれません。
いずれにせよ、本人の気持ちを第一優先にすべきではないでしょうか。


順番を抜かすというのは、本人にとっても、周りにとっても不自然だし、傷つくのではないでしょうか。当てられたら、指さしなど非言語的な手段で答えられるような発問にする、発表が難しい場合は先生に合図する約束を予め本人と話し合って決めておく、などの工夫が考えられます。


場面緘黙は、親が甘やかしたことが原因ではありません。
そもそもそうなりやすさ、素因があるのです。

5 
本人に聞いてもわかるはずがありません。
余計な心理的な負担を与える質問は、しない方がいいでしょう。





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学校に行けない自分はダメじゃない、不登校の時期は人生に意味があった

と思えるように支援するのが、関わる大人の役割。

人生80年のうち、学校教育は長くても16年。

卒業後の時間の方がはるかに長い。

同年齢の子が40人も同じ部屋で過ごすという環境自体が、一般社会ではあり得ない。

学校に行かないと、社会性が育たないなどの良くない影響が、というけれど。
無理して学校に行かせて心をぼろぼろにして、成人以降も精神疾患に悩まされることの方が、はるかに「良くない影響」。

子どもの人生を長い目で見つめること。

問題なのは、不登校に対応できる教員配置が決定的に不足していること。

理想はわかっていても、対応が十分できない歯がゆさ。


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場面緘黙のビデオ



ビデオをみんなに見せるというのは、大きな賭とは思いますが、
その結果、みんなが話しかけてくれるようになったこと、
発話を強制せず、かかわってくれるようになったことは
とてもよかったことでしょう。
本人が一番つらい、という理解がもっとも大切かと。


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選択性緘黙への治療

「そだちの科学」2014.4 日本評論社

ここでも、場面緘黙に対する早期介入が必要であることを統計的に説明しており、これまで言われてきたことが支持されています。

ASDとの合併率も高いと。


また、医師の立場からか、やはり統計的にも入院治療の方が有効とのこと。

誤解されやすい障害なので、ぜひ研修を深めたいところです。

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みんながダイナミックすぎて怖かった

周りの子はみんな、他の子とダイナミックに会話したり、関わったり、難しい言葉を使ってコミュニケーションしていました。
それがとても怖かったです。
幼稚園の夜の行事で、グラウンド(園庭)で盆踊りをしている中に入るのがとても怖かったです。

幼稚園か、小学校低学年の頃は、みんながどうしてこんなにたくさんのことばを知っているのだろう、自分だけは、何か習っていないこと、行ったことがないところがあるのではないか、と思っていました。

年に一度の大型花火大会では、怖くて一人で泣いていました。
周りの大人は「こわくないしょ。きれいでしょ」と言うのですが、恐怖心は強まるばかりでした。

歯からわずかの出血があっただけで、死の恐怖を味わいました。


自分の子どもの頃をあのとき、思い出しておくべきでした。
ごめんね。無理させて。



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場面緘黙Q&A

『場面緘黙Q&A』かんもくネット著、2008、学苑社
http://www.gakuensha.co.jp/cn27/pg346.html


「かんもくネット」場面緘黙児支援のための情報交換ネットワーク団体
http://kanmoku.org/index.html


「Knet資料」には、保護者や学校の先生向けのパンフレットもあります。
就学を控えた、場面緘黙のあるお子さんのために、役立つのではないでしょうか。



ひとつ、実話を。

入学式後の学級。
私は新入学担当の係として、ドキドキしながら、遠くから見守りました。

新1年生に一人ずつ名前を呼んで、返事してもらう時間でした。
たくさんの保護者が教室内を埋め尽くし、机には真新しい教科書の山が。
この上ない緊張感に包まれていました。

先生は一人ずつ名前を呼んでいきました。
元気なお返事がたくさん聞かれました。

そして、その子の番。

「○○さん」

やっと起立した○○さん。
しかし、予想通り、お返事はできませんでした。

祈るような気持ちでした。

通常であれば、
「ちゃんと返事をしなさい」
とか、
「次は言えるようにね」
と声かけするでしょう。

しかし、そのとき担任の先生は、おだやかな笑顔で、予想もしないことばをその子にかけたのです。

「○○さん、立ってくれてありがとう」

私は涙を抑えるのが精一杯でした。

こちらこそ、子どもを理解してくれてありがとうと。
本人も、親御さんも、どれだけほっとしたことでしょう。

「話さない」のではなく、「話せない」のが場面緘黙という障害です。
このことが理解されずに、「話さない」ために罰を与えられ、かえって人間不信に陥る事例が後を絶ちません。

支援のためには、まず理解なのです。

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場面緘黙と不登校

子どもの内側からの理解が必要だと思うのです。

そして、話せるようになること、登校できるようになることが、指導のゴールではないのでは、ということ。

話せるようになる「ことによって」、登校する「ことによって」、何が願われるのか、ということが大事なのでは。
その願いこそが、「話せる」「登校できる」ことよりも、まずは大事なのだと。

その子にとっての安心感、楽しさ、共感が全ての基本だと思うのです。
そして、安心感を前提にした所属感も。

関係者が理解してくださって、とてもありがたいのです。
長い目で見ることの大切さを。
そして、一日一日が、手作りの関わりの積み重ねであり、長所を生かすための関係調整であるということを。


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子どものトラウマへの認知行動療法

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 『こころの科学』 2012年9月号『トラウマ』によれば、トラウマの治療法として、認知行動療法をベースとしたTF-CBTというものがあるそうです。
 トラウマを体験した子どもは、自分の状況を理解できなかったり、自分を責めたり、感情が麻痺したりします。
 この治療法では、「自分だけではない」とか、感情に名前をつけるなど、認知面にアプローチしたり、呼吸法や筋肉の弛緩などのリラクゼーションスキルも学ぶとのこと。
 欧米のいくつかの疫学調査では、一般人口におけるトラウマ体験率は40~80%だそうです。
 でも、大部分は病理的な症状を示さないか、示しても一過性。ただ、一部はその後の人生においてもトラウマを体験するリスクが高く、長期的に社会生活や健康面に影響していく場合があります。

 また、トラウマによる「解離」が起こるかどうかは、愛着、養育者との情緒的な関わりの有無とも関係があるようです。
 
 ただ、特別支援教育の臨床で、子どもの心の傷を発見するのは難しいです。幼少期にそれがあったとしても、その心をのぞいて見るわけに行きません。

 しかし、子どもの行動観察や周辺情報から、心の傷という観点で見ていった方が、理解する上で整合性がとれると思えるときがあります。
 

 実は大人でも、支援者の立場の方々にもそれを感じることがあります。

 発達障害という切り口だけでなく、社会的立場というだけでなく、様々な観点で子ども、大人を見つめる必要を感じます。


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小児鬱病についての講演会

小児鬱病と、双極性障害、そしてそれらと、
発達障害に関連しての講演を聴きました。

一見しただけではわからないのが、子どもの軽度のうつ。
単にふさぎ込んでいる場合だけではなくて、
イライラな態度を見せる場合にも。

少年鑑別所では、事件を起こした子の7割が自殺未遂経験者だというのは、
驚くべき数字ですが、考えてみるとよくわかるような気がしてきます。

また、発達障害のある子は、鬱病を併発しやすいと言われますが、
それは、失敗体験の積み重ねの結果ということはももちろんあります。
しかしそれだけではなくて、「もともと」なりやすい素因があるからだ、
ということは改めて確認できましたし、実感的にもそうだろうと思います。

私は、教育相談や日々の指導で、
少しでも鬱の徴候を疑った場合は、必ず以下のことを尋ねます。

1 ご飯は食べられていますか?
2 よく眠れていますか?
(朝は気持ちよく目覚めていますか?)

保護者は意外と、2の実態については把握できない場合が多いです。
本人からの聞き取りでわかったりします。

就寝時間は把握しやすいでしょうが、
中途覚醒は把握しにくいですね。

それと、夜中にいびきが多い子は、
睡眠が十分にとれているか検討する必要も。
日中や就寝時にも口がポカンと開いている子、
そのために歯のかみ合わせや発音にまで影響することもあります。

ちょっと話がずれましたが、
もうひとつ、あまり聞かなかったのですが、これからは
意識して聞いてみたいと思います。

3 好きなことを楽しめていますか?

まあ、最近の子は、好きなことというと、テレビゲームが多くて、
人との関わりが薄いなあと感じるのですが。

***

先日、幼稚園の関係の方とお話ししたのですが、
幼稚園の先生方のメンタルヘルスも、かなり危機的なようです。
最近は預かり保育をするようになって、保育所と差がなくなってきていること。
家への仕事の持ち帰りが多く、途中で挫折してしまうこと。

とても増えたそうです。

確かに幼稚園の先生方の仕事を拝見していると、
この飾り付け、いつ作ったの? いつ用意したの?
ということをよく感じています。

学校の先生ももちろんですが。

大人も子どもも、メンタルの危機ですね。
何よりも、大切にしたい心です。

もう少し、世の中全体が、ぼちぼちと、ということが大事なのと、
家族のつながり、地域のつながりの再生が必要ですね。

昔は、子どもの就寝時間は早く、土曜夜の「8時だよ!全員集合」は、
土曜日だから特別遅い時間まで起きて見ることを許された記憶があります。
大人でも9時には寝ていました。

ぐっすり眠る余裕があったのですね。

ネットもビデオもCDもなかった時代、ということもあるでしょうが。

夕方は家族で銭湯にでかけて、近所の人と談笑している大人が多かった。
この子はどうしたというような会話もあったように記憶しています。

お薬も大事なのでしょうし、一定の効果もあるのでしょうが、
環境をもっと、人間中心に変えていく必要もありますね。

動物園の動物も鬱が増えていて、SSRIが効いていると言う話には、
とても驚いてしまいましたが。

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「人見知り」は閉じこもって暮らすから起こるのではないですよ


常識とされていることが、実は正しくない、
ということを主張するのは勇気がいりますね。

子育て、子どもの発達に関しても、そうしたことは例外ではありません。
人見知りは、環境が原因ではなく、個人差が大きいのです。

http://park5.wakwak.com/~kosodate/qa/qa3.html

昔からの「常識」をネタに、親が責められることがいかに多いことか。

「昔は、親が子どもを殺すなんてなかった」
「昔は、学校が楽しくないなんてあり得なかった」
「昔は、学校にいじめなんてなかった」
「昔は、いつまでも母乳を与えたりしなかった」
「昔は、おむつをいつまでもさせていなかった」
「子どもが上目遣いするのは、親が上からのぞいて育てたから」

ついでに、
「スケートのひもが結べないのは、親がさせなかったから」
「できないのは、親が経験させなかったから。今教えたらできた」
「何でも育て方ですよ」

「○○だから△△」
「ひとつの原因→ひとつの結果」

これらの「仮説」が本当なのか、ここをご覧の方は
その真偽のほどはよくおわかりと思います。

私も一人の親として、色々苦労しているのは事実です。
でも、一般世間は仕方がないとして、
子育ての専門の方々には、常に「常識」を「メタ的に」
とらえ返す力量が必要と思っています。

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