小児鬱病と、双極性障害、そしてそれらと、
発達障害に関連しての講演を聴きました。
一見しただけではわからないのが、子どもの軽度のうつ。
単にふさぎ込んでいる場合だけではなくて、
イライラな態度を見せる場合にも。
少年鑑別所では、事件を起こした子の7割が自殺未遂経験者だというのは、
驚くべき数字ですが、考えてみるとよくわかるような気がしてきます。
また、発達障害のある子は、鬱病を併発しやすいと言われますが、
それは、失敗体験の積み重ねの結果ということはももちろんあります。
しかしそれだけではなくて、「もともと」なりやすい素因があるからだ、
ということは改めて確認できましたし、実感的にもそうだろうと思います。
私は、教育相談や日々の指導で、
少しでも鬱の徴候を疑った場合は、必ず以下のことを尋ねます。
1 ご飯は食べられていますか?
2 よく眠れていますか?
(朝は気持ちよく目覚めていますか?)
保護者は意外と、2の実態については把握できない場合が多いです。
本人からの聞き取りでわかったりします。
就寝時間は把握しやすいでしょうが、
中途覚醒は把握しにくいですね。
それと、夜中にいびきが多い子は、
睡眠が十分にとれているか検討する必要も。
日中や就寝時にも口がポカンと開いている子、
そのために歯のかみ合わせや発音にまで影響することもあります。
ちょっと話がずれましたが、
もうひとつ、あまり聞かなかったのですが、これからは
意識して聞いてみたいと思います。
3 好きなことを楽しめていますか?
まあ、最近の子は、好きなことというと、テレビゲームが多くて、
人との関わりが薄いなあと感じるのですが。
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先日、幼稚園の関係の方とお話ししたのですが、
幼稚園の先生方のメンタルヘルスも、かなり危機的なようです。
最近は預かり保育をするようになって、保育所と差がなくなってきていること。
家への仕事の持ち帰りが多く、途中で挫折してしまうこと。
とても増えたそうです。
確かに幼稚園の先生方の仕事を拝見していると、
この飾り付け、いつ作ったの? いつ用意したの?
ということをよく感じています。
学校の先生ももちろんですが。
大人も子どもも、メンタルの危機ですね。
何よりも、大切にしたい心です。
もう少し、世の中全体が、ぼちぼちと、ということが大事なのと、
家族のつながり、地域のつながりの再生が必要ですね。
昔は、子どもの就寝時間は早く、土曜夜の「8時だよ!全員集合」は、
土曜日だから特別遅い時間まで起きて見ることを許された記憶があります。
大人でも9時には寝ていました。
ぐっすり眠る余裕があったのですね。
ネットもビデオもCDもなかった時代、ということもあるでしょうが。
夕方は家族で銭湯にでかけて、近所の人と談笑している大人が多かった。
この子はどうしたというような会話もあったように記憶しています。
お薬も大事なのでしょうし、一定の効果もあるのでしょうが、
環境をもっと、人間中心に変えていく必要もありますね。
動物園の動物も鬱が増えていて、SSRIが効いていると言う話には、
とても驚いてしまいましたが。
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