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某公立学校ことばの教室教員。言語聴覚士。特別支援教育士。  SINCE 2000.1.1 
「ただ遊んでいるだけ」
と、ことばの教室の指導を揶揄する論調が見られることがありますが。

指導場面のビデオを見て、
子どもの反応と教室の関わりの視点についての説明を受け、
もう一度、同じビデオを見ると、

2回目には全く違うビデオを見ているかのように感じた
という感想が見られることがあります。


ごっご遊びの中で、さりげなく支援者は、
子どもの気持ちや行動を言語化して返してあげたり、
子どもの遊びの世界に入り込んで、双方向のコミュニケーションを育てようとしたり、
プラレールに少しずつ大人の視点を入れていって、社会性の参照と模倣につなげたり。
(たとえば、列車を走らせて終わりだった遊びから、切符を買い、改札を通ってなどの「やりとり」に発展させていく。お金を登場させれば、数概念の指導にも)

子どもの行動の裏の意図を細かくとらえて返す力量が支援者には必要です。

漫才のように、子どもの行動につっこみを入れて、支援者がひとりで喜んでいる指導を見ることがありますが、これは遊びでも何でもない。
支援者の自己満足にすぎません。

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今年度一年を振り返って


赴任一年目ではありましたが、従来の考え方、やり方について改革を提案、実施してきました。


1 教育相談のあり方の改変
(1)アセスメント情報の収集のあり方について
→発音が主訴だから発音だけ検査するのでなく、生まれてから今までの生育歴、学校生活の様子、幼稚園、保育園の引き継ぎ情報など、多面的、総合的に見立てる。
「行動観察、生育歴、標準化された検査」の3つ


(2)教育的判断の根拠の明確化
→アセスメント情報を総合的に判断し、おおよその支援の方向性を教育的に判断。
障害種は国が定める通級対象と照らし合わせ、科学的根拠に基づく判断へ。
教室独自の判断基準の廃止。
もちろん、国が定める基準通りにやるということだけではなく、障害の教育的判断にどんな根拠があるのかを明確にすること


(3)ことばの相談と就学相談との連携の強化


(4)教育相談報告様式の改変
→箇条書き的見立てから、論述的見立てへ


(5)マニュアル的自由会話から、その時、その場、面接者と子どもとの呼吸に合わせた自由会話へ


2 指導の改変
(1)マニュアル主義から、子ども一人一人の違いに合わせた指導へ
→コミュニケーションが苦手だから、SST、という本に書いてあることではなく、関わり合い、子どもの反応から読みとることへ。


(2)無根拠な指導から、科学的根拠に基づく指導へ


(3)言語発達遅滞のとらえ方。表出言語ではなく、内言語へこそ注目へ。


3 就学相談のあり方についての改変提案


4 保護者との連携強化
→子どもが何年も通っていて、今年初めて親が教室に入りました、という親御さんが何人も。
 特に参観日など、保護者が来校しやすい日時に来て頂く等の工夫。
→個別の指導計画を保護者と話し合い、指導の方向性について共通理解に立とうとしてきました。

***


これらの取り組みの結果かどうかは別として、今年度、


教育相談件数は昨年の2倍強。(もうすぐ3倍に)


就学時健診、就学相談と、ことばの相談との連携、情報交流により、より適切な就学相談へ


定期に通う通級児童の増加


につながりました。


今後の課題


1 乳幼児部門と学校教育とのスムーズな接続、早期の相談体制
 →アンケートで、約3割の保護者が、もっと早く支援につながりたかったと回答。
  教室啓発の強化。

2 就学相談体制の抜本的な改善、特に研修の強化、保護者、本人の立場に立ったシステムへ
3 担当教員の専門性の向上
4 人事面
5 物理的環境面
6 仕事内容の選択と集中(なくてもよい仕事は思い切って廃止。必要な仕事(指導時間の確保、指導内容の充実、保護者との連携強化)に労力と時間を重点配分へ。仕事分野の整理統合
7 教室運営計画を「使える計画」へ。


3、4は、私一人の力ではどうにもならないわけですが。


 

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1 読めれば理解できる
→音読できても、意味理解につながらないことがあります。
 読むことに集中が必要なあまり、理解に集中が向かないことがあります。

2 読解力を身につけるのは、たくさんの本を読めばよい
→量より質が大切です。
子どもの理解力に合った内容であること。
3年生だから3年生の読み物ではなく、言語発達年齢が5歳なら、5歳に合わせる。

3 きちんと理解するには、一人静かに集中しなければならない
→読解の苦手な子同士で、お互いに先生役をさせると読解力が向上したということは証明済み。



一般世間では、「自閉症」とか「学習障害」ということばは浸透しましたが、まだまだこうした理解が進んでいないなと。
個々の子ども、自分の子どもに当てはめて考えることが難しい。

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初めてことばの教室を担当した先生は、何をどうやっていいのか、とまどっておられるのではないでしょうか。
 
「通級説明会で何を話したらいいかわからない」
「文書をどう処理すればよいかわからない」 

そして 

「指導の仕方がわからない・・・」 

 まずは慌てずに、しばらくの期間は子どもと楽しく遊び、信頼関係を作ることを重視してはどうでしょう。
「治そう」と思うと、子どもに加重な負担をかけたりするものです。 

「この先生となら話したい」
「こいつとなら遊んでもいいや」 

と子どもに思われるぐらいがちょうど良いのです。
肩の力を抜き、一人の人間として出会ってみては。 

遊びながらも、一方では、子どもがどんな条件でどんな反応を示すか。その子の好きな遊びは。発音の専門的な検査の前に、一人の人間として聞いてみてどうかなど、まず指導方法よりも、子ども理解を。
指導が終わった後は、何でも気づいたことを「指導記録」に。どんなに拙い記録でも、数ヶ月後、数年後に役立つことも。 

最良の「指導書」とは、どこか遠くにあるだけではなく、その子自身が「指導書」であること。
子どもをよく観察し、学級担任、保護者からも情報を頂き、何が問題なのかを考えてみてください。
「問題」とは「原因」ではなく、何に困っているかの事です。「困った子」ではなく「困っている子」。 

そして「空き時間」には、文献にあたってみてください。
初めにハウツーものだけでなく、障害やその子についての深い理解が、その子に合った指導につながります。
わからないことがあったら、他のことばの教室の先生に遠慮なくきいてください。
どの先生にも「1年目」があり、悩み、迷いながら担当してきた経験があるのです。

そして理論も大事ですが、経験の長い先生の指導を見てください。
地域に研究団体があれば、経験の長い先生を紹介してもらってください。

近い方は、私の指導をごらんいただいても良いですよ。

見学を申し込んで、嫌だという先輩はいないはずです。
もしいたら、その先生の指導は見に行かない方がいいでしょう。

経験の浅い先生への支援は、ベテランの先生方にとっても最重要課題です。
それを認識している先生ならば、よろこんで見せてくれるでしょう。


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反射の発達 0~2ヶ月
皮質の発達 2~3ヶ月
両眼視の発達 4~5ヶ月
絵画的奥行き手がかり 5~6ヶ月
複数の手がかりの統合 6~7ヶ月
立ち上がる ハイハイで移動 7~8ヶ月

心の理論 1歳6ヶ月!


生後数ヶ月は、視力が未発達なので、お母さんの顔がぼやっとしか見えない。
しかし、ぼやっとしている分、表情認知は育つ。
くっきり見えたら、逆に顔の表情の部分しか着目できない。

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親の離婚後に子どもが示す反応
・喪失感
・悲しみ
・不安
・怒り
・罪の意識(自分のせいで両親が別れた)


就学前での離婚の影響
・親の離婚を十分に理解できない
・幼稚園、保育園に行くのをいやがる
・指しゃぶり、夜尿が生じる
・自分が悪い子だから親が離婚したと思う
・自分がいい子になれば親が戻ってくると思う


一人親家庭が困っていること
・母子家庭 1位:家計、2位:仕事、3位:住居
・父子家庭 1位:家計、2位:家事、3位:仕事
(H18 全国母子世帯等実態調査)
(家計は、母子家庭でより深刻)


離婚するときに子どもに伝えたいこと
・離婚後の生活
・両親は愛し合っていないが、子どもは愛している
・子どもが原因で離婚するのではない
・離婚の理由
・離れて暮らす親とも会える
・今より幸せになるために離婚する


学校での対応
・児童調査票等の「父」「母」の語句削除
・2年生活科での「生命」「おいたち」の学習の慎重な配慮
・4年生の「2分の1成人式」の慎重な配慮
・クリスマスで「プレゼントもらった?」と問わない。
・ゴールデンウィークで「どこに旅行に行った?」と問わない。
 せいぜい、「最近何かいいことあった?」(日頃からの質問)

一人親家庭でなくても、父親は過労死レベルの勤務時間。
とても多いです。
お父さんも子育てに参加、など気軽に言える状態でもない。

学校教育はもっともっと、配慮が必要。


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部屋の整理をしていたら、今から24年前の教室運営資料が出てきました。
この資料は、前の前の職場で使われていたものですが、今はその教室には保管されていないようです。 
しかし、24年ぶりに開いてみると、そこには目を疑うような内容が書かれていました。

教育相談~受付から会議、事後措置まで~
修了認定会議資料
修了認定の基準
etc

相談面接の進め方、事後の検討ケース会議の進め方まで、端的に大事なことが濃密なエキスとなってまとめられていました。
単に質問するのでなく、出会い場面からのアセスメント、雰囲気作り、保護者の気持ちを考えた質問の仕方などなど。

これほどの珠玉のまとめ方は、ほかにはあまりないでしょう。


「通級の是非については、諸々の条件も考慮して全体的に判断する」

→この文言、国が平成5年4月1日に通級制度を正式にスタートさせるより、2年も前に書かれたものです。
 
 障害があるから、苦手なことがあるから、なんでもすぐに通級、という昨今の傾向。 
 しかし、諸先輩はそのことへの注意を早くから促していたのです。


「ことばの記録票を親に渡し相談日の3~7日前に届けてもらう」
→面接日前に送り返して頂く方式は、私が個人的に考えついたものではなく、古くから必要性が指摘されていたものだとわかりました。
 事前に返される資料、事前に収集した情報を元に、面接の方向性や検査の選択を検討するわけです。


「主訴、相談・治療歴、主訴以外に心配していること、生活の様子(起床、着衣、洗面、歯磨、登校、食事、遊び、就寝、そのほか)、生育歴、病歴、性格、そのほか、各種検査)・・・。」

→ この時代はこのほかに、担任の先生に書いて頂く質問紙もありました。
 学校での様子はそれによって情報収集していました。

 これらの情報の必要性は、特別支援教育士や看護師など、支援に携わる専門職のアセスメントの常識として、古くから伝承されてきたものです。今と寸分違わないのです。
 子どもをトータルに理解する視点です。

古い資料だからと言って捨ててしまうのは簡単ですが、それに代わるものがあるのか。

新しい本や考え方がめまぐるしく移り変わっていますが、ベースとなるものは、何も変わっていないわけです。

新しいどんな文献、冊子よりも、先輩方の作ったものの方がはるかに専門性が高く、各種学術的視点を取り入れている、正確な文献であるように感じました。

前例踏襲がよいと言っているのではありません。
新しいものを作るなら、古くからの伝承を凌駕するだけの内容なのかを問うべきだ、ということです。


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標準化された検査は、標準化された手続き通りに検査を実施しなければなりません。
つまりマニュアル通りにやらなければなりません。
そうでなければ、不正確な結果になる可能性があるからです。

検査実施の資格要件を満たすかどうか以前に、検査のセンス、基本的なルールを守る遵法精神があるかどうかの方が重要に思います。

WISCに限りませんが・・・。

1 教示のことばは、原則としてマニュアル通りに。

2 練習問題は別として、本番では、正答だったら「よし」と言ったり、誤答だったら首をかしげるというようなフィードバックを行ってはいけない。

3 「単語」では、ただ音声だけの教示ですませてはいけない。所定の手続きをしなければならない。

4 誤答だったときに、その理由をお説教のように説明してはいけない。

5 数唱、語音整列は、1秒にひとずつ。語尾の言い方も定められている。イントネーションでまとまりがあるかのような読み方をしてもいけない。手で視覚的に順序を示すようなやり方もしてはいけない。

6 許されていないヒントを出して正答した場合に得点を与えてはいけない。

7 メモやマニュアル等を被験者に見られないようにしなければいけない。

8 マニュアルばかり注視して、子どもの表情、反応を見ないのはいけない。

9 おかしな回答を笑い飛ばしたり、馬鹿にしてはいけない。

10 数唱で「そんな数字出てこなかったぞ」などというつっこみをしてはいけない。

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ここで、このような基本的なことを書かなければならない理由は、読者の想像にお任せいたします。
資格要件はもっと厳しくていい。
資格所持=専門性が高いとはいえない。

これが結論です。




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ホームページ時代を含めると、開設したのが2000年1月1日。
以来、14年と2ヶ月にわたる掲載でした。

当時、ことばの教室関連のホームページといえば、ここと、もう一つぐらいなものでした。


最近は、書き込む時間が見つけにくいのと、ほかのSNSへの気軽な書き込みが増え、こちらが減ってきました。

そして同職種の方の開設も増え、情報があふれる時代となり、このブログも一定の役目を果たしてきたのかなと思えてきました。

情報は増えてきたけれど、本質的な問題は、まだまだ解決していないとは思いますが。

今後、どうしたらいいのかなあと思っています。

よかったら、コメントに今後へのご期待をお気軽に。


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最近更新が滞っています。
年度末は忙しいのと、昨今の報道で色々考えることがあり、発言を控えていました。
でも毎日見てくださっている方もおられるようで。

新人だった言語聴覚士の聴力検査がとても上手になっていました。一年ですごい進歩です。OJTによる研修の成果かと。
新人には知識も大事ですが、まずはベテランの指導を参観したり、実技をしてその場で教えてもらうというのがもっとも効果的と思います。道言協でも議論になったように、初めて担当した先生には、知識の講義よりも、指導記録を読み返したり、実技で学ぶことです。
実技のスーパーバイズを受けたある先生は、その子の指導を改善するのでなく、色々理由をつけて指導を終了にしてしまったのです。
子どもの利益より、自身のプライドを優先してしまったわけです。
公衆の面前では講師レベルのことをしていても、足元がどうなのと。

いくつになっても、学ぶ姿勢を忘れてはいけないということですね。にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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