ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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第15回言語聴覚士国家試験の合格発表について
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/gengochoukakushi/about.html
うちに来た実習生も合格したようです。
おめでとう!
ご活躍を期待しています。
数年後に会いに来てくれる元実習生もいますが、たくましくなっている姿を見るとうれしくなります。
がんばってね。
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(昨年の実習生から【コメント】でメッセージを頂いたのですが、個人情報満載のため、そのまま公開せず、お返事のみ、ブログ記事に掲載します)
本当にお久しぶりですね。
この時期は学校の卒業試験、そして国家試験と忙しい季節ですね。
私のところに来た実習生はみんな国家試験に合格しているという事実を励みにがんばってくださいね。それがプレッシャーだともかつておっしゃってはいましたが(笑)
小児施設の内定、おめでとうございます。
特に小児は就職が難しいと聞いていたので、とてもよかったです。
これまでの資格や経験も生きますね。子ども相手がとても上手な実習生でしたから、担任の視点と専門家の視点と両方からアプローチできる、貴重な人材です。
それでは2月の国家試験、がんばってくださいね。
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日本神経科学学会は、脳活動の測定方法の安全性や測定でわかることの限界を知り、検証を受けた論文などを発信するように求めています。
(該当ページは検索してみてください)
怪しげな論文発表に対して、きちんとした科学的批判の目を持てるかどうかは、日常の子ども理解を正確に行えるかどうかにもつながるのではないでしょうか。
子ども達の利益のために、怪しげなものには毅然と対峙しなければなりません。
そうした力をつけるため、問題を作ってみました。
以下の記述は科学的根拠があると言えるか。言えないとすれば、その理由を説明してください。
1
折り紙が折れないとき、脳の一部が不活性だった
↓
脳のその一部が不活性な別の子は、縄跳びがとべなかった。
↓
したがって、折り紙が折れない子は、縄跳びができない。
↓
転じれば、折り紙が折れる子は、縄跳びもできる。
2
発語ができない子は、脳の言語野が活性していない
↓
脳の言語野が活性していないある子は、話しかけても意味がわからない。
↓
したがって、発語ができない子は、話しかけても意味がわからない。
↓
転じて、発語ができる子は、話しかけても意味がわかる。
昨日でST指導実習が終わり、あっという間の4週間という感じでした。
昨日は、校内研修でことばの教室の内容を取り上げさせて頂いた日で、
実習生にも発表の機会を与えました。
ところが、発表開始直前サプライズが。
掃除当番や休み時間等で交流の多かった3年生の
子ども達が会場に入ってきて、「わたすものがあります」と。
それはクラス全員のメッセージと顔写真が載った色紙でした。
これまで様々な実習生が来ましたが、
通級児童以外の多くの子どもたちからこれほど敬愛された例は初めてでした。
私は「これで発表を終わります」と言ってしまいました。
既に集まっていた先生方から拍手が起こりました。
子どもたちとの信頼関係を見せられて、
その後の発表はどうでもよくなりました、と言っては言いすぎですが。
今回は通常学級の子どもたちとも積極的に交流するよう助言していましたが、
本人の人柄も手伝い、たくさんの子どもから
心のこもった手紙を受け取ったようでした。
最後のあいさつで泣かれると、私ももらい泣きしそうになりました。
実習を受け入れてよかったと思える瞬間でした。
子どもたちに好かれるセラピストをめざさなければと、
襟を正す気持になりました。
問題159 日本語の音韻発達で最も遅い時期に習得されるのはどれか。
1./p/
2./d/
3./r/
4./m/
5./y/
(私見)
構音の発達のおおよその順序は大事です。
パ行はもっとも早い時期に習得します。
最も遅いのは、サ行、ラ行ですから、3が正解です。
問題156 /s/が/t/に置換する5歳児に対して必要でないのはどれか。
1.発声発語器官機能検査
2.バウムテスト
3.聴力検査
4.WPPSI
5.ITPA
(私見)
バウムテストは、心理投影法ですから、構音指導には直接関係がありません。
少し古い本では、LDの認知特性のアセスメントの中にバウムテストが入っていたり、
新しい本でも、LD,ADHD、高機能自閉症を「心の病気と症状」に分類している文献もあります。
まだまだ混乱がありますね。
正解は2です。
問題140 小児の言語訓練で適切でないのはどれか。
1.課題を理解し反応しやすいように提示する。
2.検査で達成できなかった項目から訓練する。
3.興味を示す活動を手がかりに訓練語彙や表現を選ぶ。
4.発達レベルと生活年齢を考慮して訓練計画をたてる。
5.問題の改善につながるような内容を選ぶ。
(私見)
検査でできなかった内容をやるというのは、実は最も効果がないですね。
検査の成績を上げるために指導があるのではなく、検査結果から示唆される
学習や生活の困難の要因、また得意なことを見つけ、得意分野を生かして指導する、
というのが基本と思います。
正解は2です。
問題139 LD(学習障害)の検査で適切でないのはどれか。
1.RAN(Rapid Automatized Naming)
2.視覚的記銘
3.音韻意識
4.CARS(The Childhood Autism Rating Scale)
5.聴覚的記銘
(私見)
CARSというのは、LDではなく自閉症についてなので、誤りだとわかります。
正解は4だと思います。
問題137 高機能自閉症の行動特徴はどれか。
a.相手の話を聞かずに自分からよくしゃべる。
b.漢字や計算は得意だが読解は苦手である。
c.隠喩を理解する。
d.ルールのある遊びに適切に参加する。
e.友達が規則を破るとすぐに指摘する。
1.a、b、c 2.a、b、e 3.a、d、e 4.b、c、d 5.c、d、e
(私見)
高機能自閉症と言っても、子どもによって状態像が違うので、いちがいに○×はつけがたいですが。
教科書的な知識は持っていないよりは、持っていた方がいいのでしょう。
一般的には、d は誤りでしょう。したがって、選択肢の3,4,5は消えます。
また、cも一般的には難しいので、正解は2だと思います。
問題135 4歳で3語発話が可能な子供に適切でない検査はどれか。
1.フロスティッグ視知覚発達検査(DTVP)
2.WISC-Ⅲ知能診断検査
3.絵画語い発達検査(PVT)
4.K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー
5.田中ビネー式知能検査
(私見)
各検査の適応年齢を問う問題ですね。
WISCは5才からなので、正解は2ですね。
就学前にWISCをとったというケースは見たことがありません。
第10回問題134 言語機能の評価を含まないのはどれか。
1.KIDS乳幼児発達スケール
2.遠城寺式乳幼児分析的発達検査法
3.日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査
4.新版K式発達検査
5.グッドイナフ人物画知能検査(DAM)
(私見)5でしょう。
問題133 正しい組合せはどれか。
a.LCスケール 言語・コミュニケーション発達スケール
b.JMAP 日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査
c.STRAW 小学生の読み書きスクリーニング検査
d.PRS 自閉性判断のための調査票
e.MMPI 心の理論課題検査
1.a、b、c 2.a、b、e 3.a、d、e 4.b、c、d 5.c、d、e
dのPRSは、LDの調査票ですね。最近はPRSよりLDIを使いますが。
eのMMPIは、「ミネソタ多面的性格検査(多面的人格目録)」で、心の理論とは違います。
正解は1。
問題67 幼児の遊びについて誤っているのはどれか。
a.保育や教育の場では遊べない子供のことが心配されている。
b.ごっこ遊びには生活の流れについてのスクリプト的知識が必要である。
c.いざこざは遊びの楽しさを壊すので大人はすぐに介入した方がよい。
d.遊びを通して認知発達を促すことを認知行動療法と呼ぶ。
e.ある物を別の物に見立てるには象徴機能の発達が必要である。
1.a、b 2.a、e 3.b、c 4.c、d 5.d、e
(私見)
c 子どものいざこざにすぐ介入してばかりだと、せっかくそこから学ぶことを
もぎとってしまいます。
d 認知行動療法ではなく、遊戯療法ですね。
正解は4だと思います。
問題136 1才半の子どもの発達スクリーニング項目で適切なのはどれか。
a.なぐり書きをする。
b.絵本を見て3つのものの名前を言う。
c.困難なことに出会うと助けを求める。
d.簡単な命令を実行する。
e.「大きい・小さい」がわかる。
1.a、b、c 2.a、b、e 3.a、d、e 4.b、c、d 5.c、d、e
(私見)
大きい、小さい、がわかるのは、3歳前ぐらい。
なぐり書きは1歳ぐらい。
正解は4。
私は言語聴覚士の資格を第4回国家試験で取りました。
あれから6年、久しぶりに試験問題を見ました。
「たんぽぽ」のHPから国家試験のページ。
http://park18.wakwak.com/~tanpopo/mezase/st/10kai-mondai.html
2ちゃんねるの「第10回言語聴覚士国家試験」
http://school7.2ch.net/test/read.cgi/doctor/1203166531/
当時必死で覚えた知識もほとんど忘れてしまい、今受けたら
受からないだろうな・・・。
午後の専門科目では、小児の問題がたくさん出ているので
ありがたいなあと思います。
学校教育の問題も含まれています。
医療現場のSTさんが、少しでも学校教育のことを知っていて
欲しいと願っているのは、問題作成者も同様なのでしょう。
これからシリーズで(できるかな?)、特に小児に関わる問題を
見てみます。
問題143 発語のない3歳のダウン症児の指導で適切でないのはどれか。
1.身振りによる表現を促しコミュニケーションを楽しませる。
2.理解語彙を増やす。
3.構音点や構音方法を教える。
4.発声に意味づけをし、適切な表現を聞かせる。
5.言語面だけでなく遊びや生活習慣・社会性など全体発達を促す。
(私見)
ことばがないからと、お口に注目したい気持ちはわかるのですが・・・。
3歳児に構音点位置づけ法は難しすぎるし、しかも構音障害ではなくて、
発語がないわけですから・・・。
こういう問題が出るということは、実際にそうした指導事例が出かねないという
状況を反映しているのでしょう・・・。
正解は3でしょう。
問題146 教育との連携で言語聴覚士の対応として適切なのはどれか。
a.個別指導計画作成のために言語・コミュニケーション能力を評価する。
b.個別指導計画の作成・実施の援助をする。
c.個別指導計画の親への説明は教師に任せる。
d.学校からの求めに応じ保護者の同意なく検査結果を報告する。
e.日常の授業を参観し集団の中での子どもの状態を把握する。
1.a、b、c 2.a、b、e 3.a、d、e 4.b、c、d 5.c、d、e
(私見)
STが学校の個別の指導計画の知識を持つことを求められた、というのはありがたい話です。
c は、STからも説明が欲しい部分がありますね。
d は、個人情報保護法から照らして、通常は問題ですね。
例外もありえますが。
正解は、2だと思います。
問題147 言語発達障害児の保護者支援について適切でないのはどれか。
1.情報提供とピアカウンセリングの機会として保護者教室を開催する。
2.発達レベルに応じて保育所・障害児施設などへの参加を勧める。
3.発達レベルや障害像を説明する。
4.全体的な発達を促す働きかけを助言する。
5.障害児の育児を最優先するよう助言する。
(私見)
「もっと育児をがんばりなさい」とやってしまうのは・・・。
育てにくさのあるお子さんに疲れ切っておられる親御さんにどう対峙するか。
できないことを指導するのでなく、今できていることを認めたり、
子育ての悩みを共有し、解決策を一緒に考えることが大切では。
正解は、5だと思います。