ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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第10回 午前 第37問
パラトグラフィで異常がみられるのはどれか。
1. 鼻咽腔閉鎖不全
2. 口蓋扁桃肥大
3. 側音化構音
4. 声帯過内転
5. 声門破裂音
***
ヒント
上の図のことをパラトグラムと言います。
口蓋と舌との接触エリアが、●で示されています。
口蓋に電極をつけて、舌が接したら電極が流れて、●で表示されます。
たとえば、「シャ」の発音の時、正音では呼気が正中から出ます。
しかし側音化構音では、舌と口蓋とが密着し、呼気は横から漏れ出ます。
3以外の選択肢は、パラトグラフィーでは異常が検出できません。
なぜなら、鼻咽腔閉鎖不全は、口蓋帆というもっと奥の部分。
口蓋扁桃も奥の部分。
声帯、声門は喉ですので、パラトグラムのエリアの範囲を超えています。
ちなみにパラトグラムの機械は100万円単位で、ことばの教室で買えるものではありません。
ことばの教室では、発音の誤り具合、構音時の舌の動き、鼻息鏡で呼気の向きや、鼻からの息漏れがないかどうかなどで、歪み音の鑑別を行います。
日頃から、どんな音だと、どんな仕組みで歪んでいるのか、判断に慣れていくことが大切です。
研修を積み、慣れてくると、聴印象だけで、だいたい何が原因で歪んでいるのかわかるようになります。
原因がわかって、初めて指導の手立てが検討できます。