「長期目標」にしては具体的すぎるけど、この目標には、心理面、行動面、健康面、学習面、社会性、コミュニケーションなど、あらゆるスモールステップの想いがこめられています。
 だから、卒業式を偶発的に欠席してしまえば、この目標は達成しなかったのかというと、そうではありません。
 ついにその日が来てしまいました。
 私の教職人生の中で、これほどまでに濃密に関わった子はいませんでした。
 通級としての機能をはるかに超えて、枠を超えて、関わりました。
 ただ、最後には段々とフェードアウトしていきました。
 映画「英国王のスピーチ」に登場する言語療法士のように、初めはスピーチの仕方を指示していたけれど、最後は何もせず、じっと温かなまなざしで見つめるだけ。丸ごとのあなたを受け止め、未来を信じるまなざし。   
 ここまでたどりつくのに、どれだけの支援の手が加わったか。
 いや、一番がんばったのは、君自身ですね。
 学校は恐怖、不安の対象だったのに、最後の年は「楽しかった」で終われたこと。
 握手の中に、6年間の全ての想いが、お互いにつまっていましたね。
 君から頂いた手紙に涙。
 そして、お母さんの涙。   
 ガッコウの先生、たまに自分に合っているのだろうかと思うこともあるけれど、やっぱりやってよかった。人の役に立てて良かったなあと。人の人生を変えるとても重要な仕事。
 短所をつっつくのではなく、長所を伸ばすこと
 不安や恐怖を否定するのでなく、ありのままに受け止め、本人と相談しながら進めること。  
 そして何よりも、
 子どもの未来を信じ続けること。  
 子どもは変わり得る存在。私自身も大きな学びを頂きました。
 卒業、おめでとう。
 20歳になったら、一緒にお酒を飲もうね。
 私はあまり飲めないけれど、ぜひ大人になったら顔を見せてほしい。
 
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