ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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午前 第79問
小児の構音訓練について正しいのはどれか。
1. 口蓋化構音の訓練には聴覚刺激法が有効である。
2. 訓練開始前から誤り音を自覚させる。
3. 声門破裂音の訓練では二重構音に注意する。
4. 文の音読が正しくできると日常会話に般化する。
5. 言語発達障害の合併例では構音訓練から始める
***
ヒント
口蓋化構音や側音化構音、声門破裂音、鼻咽腔構音などの歪み音の場合、正しい音を聞かせてまねさせるという練習方法は、無謀という他はありません。
そんな練習法で改善するなら、わざわざことばの教室で専門的指導を受ける意味がありません。
訓練前から誤りを自覚させることが良い場合もあります。
特に通級の動機付けのために初期から自覚させるべきとの主張も過去にありました。
しかし、歪み音は特に低学年では自覚が難しく、本人に困り感がなければ納得できないでしょう。
ましてや、文字を見せて「キ」が言えないから練習するんだよ、はい、「キ」の文字を読みながら練習しましょう、というのは、既に学習した「キ」の歪み音を強化する恐れさえあります。
動機付けは違う内容から入った方がいいです。特に低学年時には。
「楽しいから通う」で、どうしてだめなのでしょうか。
単音節で正音が出せるようになってから、初めて「実はそれが「キ」なんだよ」と告知するのが定石。
文の音読までは正音でも、会話になると歪みが頻回になるお子さんがいます。
通級終了のめやすは、会話レベルでもおおむね改善していることです。
言語発達遅滞を伴っている場合、遅れへのフォローを優先する場合が多いです。
もちろん、構音指導がフィットする例もありますが、「構音障害があるから、ただちに構音の指導」ではありません。
その子にとっての「適時、適切、適量」でなくてはなりません。
声門破裂音とは、たとえばカ行が、喉を締め付けるような「アッ」というような音に歪んでいるものです。指導の順序は、喉から距離的に一番遠い音、つまり舌尖音から行うのが定石。
その際、喉でも舌先でも、二重に構音していないか、慎重に確認する必要があります。