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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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教師と親と行政が「三位一体」で

今日は、研究団体の理事会でした。

会場は私の前任校。

とても懐かしい気持ちと、ついこの前までいたような気持ちとが交錯する、不思議な感覚でした。

指導室は今の職場の2倍の広さ、マジックミラーは数倍の大きさで見やすい、ある程度の防音施工がしてあること、収納スペースがとても広いこと、通路がカーペットで防音にも役立っていることなど、改めて感銘を受けました。

プレイルームがちゃんとあって、おもちゃも豊富。

当時は教室運営のための年間予算が80万円ほどついていました。

おもちゃだけで、年間10万円の予算で、近くのおもちゃやさんに、職員みんなで買いに行ったのが懐かしく思い出されます。そのお店は、障害のある方を積極的に雇用しているところでした。

それだけ予算がついていたのは、ひとえに親の会の力のお陰でした。

当時の親の会は議会とのつながりも深く、教室開設運動当時から署名活動を含め、画期的な運動を展開していました。

当時の職員が作った教材は、開発のための予算を100万円単位でつけてくださり、全国大会で発表したところ、全国的に有名になった、と当時の先輩が教えてくれました。

教師、親、行政が三位一体となって、仲良く連携しながら進めたことが、大きな成果となって現れていたのでした。

あのときの「切なる願い」をときおり思い出すのです。

広い本棚を見ると、もう14年前に退職された、経験20年のベテランの先生が自費で購入されたという本が、今でもたくさん残っていました。

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特別支援学級での言語指導

今日、特別支援学級の研修を担当している先生がいらっしゃいました。

特別支援学級に在籍している子どもで、言語指導のニーズのあるお子さんの指導をどのようにしたらよいかについて、研修会を持つそうです。
本当はことばの教室の先生に講師として、とも考えたが、平日の放課後は指導で埋まっていることをよくご存じで、その先生が聞いた話を研修会で伝えるということでした。

私がお話ししたことを、30分程度の研修会でまとめて伝える、ということはまず無理と判断しましたし、その先生もそれが難しいことをよく理解されていました。そこで、研修会では相談先を紹介するという主旨にして、そこにつなげること、つなげるためには、子どもについての情報をできるだけ多く、まとめて持っていくことが重要、とお話しさせていただきました。

子どもの情報について必要なのは,以下の通り、とお話ししました。

1 主訴
2 家族構成、家族状況
3 生育歴(母子手帳、各健診、医学的情報等)
4 教育歴
5 行動、社会性、言語、コミュニケーション
6 運動面
7 学力
8 基本的生活習慣
9 得意なこと、興味
10 他機関からの情報、在籍校(園)の校内体制

そして、主題は吃音のようでしたので、追加で必要な情報をたとえばということで示しました。

11 吃音の種類(連発、伸発、連発)
12 随伴動作の有無と状況
13 発話のためらいや、意図的な早口などの有無
14 いつから始まったか(生育歴情報ともかぶりますが)
15 どんな時、どんな条件で症状が現れるか、または現れないか
16 症状についての周りの反応
17 本人の自覚の有無
18 チックの有無
19 口腔機能、器質的な問題の有無と状態
20 血縁関係者に吃音のある方の有無
21 その他

この他にもあるかもしれませんが、まず必要な情報ということで例示させて頂きました。

まずは指導方法ではなく、子ども理解、
ということを先生はとてもよくわかってくださったように感じました。

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【教材紹介】 正しいひらがなを見つけよう 「注意」、「ワーキングメモリ」へ




文字の読みの苦手さの背景には、
・視知覚
・音韻分析能力
が関与している場合があります。

ところが、視知覚や音韻分析能力に遅れはなく、もちろん、視力や聴力にも問題はなく、知的にも遅れが目立たないのに、不規則な誤った読みが頻回に起こることがあります。

その背景には、注意、集中、ワーキングメモリがかかわっている場合があります。

今回の教材では、「単語の誤った表記は無視し、正しい単語の時だけ早押しボタンを押す」という遊びにしてみました。

何を隠そう、作成者の私も一度まちがえたのでした。

この教材によって、ワーキングメモリを鍛えようとか、他児並にしようと考えるとうまくいきません。
子どもの発達のペースにじっくりつきあうというスタンスで。

教材は、3モーラの単語のみ使用。
子どもの状態に合わせて加減を。

ダウンロード(ppt)

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あきらめないことが大切だと  探査機はやぶさ帰還

どんな挫折があっても、それぞれの自立した専門性と、チームワーク、そして諦めない意志があれば、乗り越えて行ける、と教えて頂いたように思いました。

これまでの経緯の記録を読むと、本当に一本の映画になり得ると言われるだけのことがあり、感動しました。
信じ続けることがいかに大切かと。

はやぶさは、予定より何年も遅れて、まもなく大気圏に突入するとか。
小惑星「イトカワ」から持ち帰ったかもしれない物質が入っているカプセルの分離に成功し、はやぶさ本体は大気圏突入後の高熱で燃え尽きてしまうとか。

いつかヒトである私もこの世を去るわけですが、人々に夢と希望を遺して逝きたいものです。
自分の痕跡は残さないで。私の理想かもしれません。

「はやぶさ」のコンピュータ部分のスペック(仕様)を見てみると、OSにμTRONを使用しているのですね。
TRONと言えば、携帯や自動車のブレーキシステムなどにも使われているはずです。
フラッシュメモリーは、WINDOWSパソコンに慣れた私には、信じられないほど小さい容量。
TRONは、要求するハードの性能が低くて動く、日本の優れたOSです。

エンジンは、世界初のイオンエンジンというのもすばらしい。

日本の技術はすばらしい。もっと自信をもっていいですよね。

もし教師をやらなかったら、このプロジェクトに参加してみたかったなあ。

今日はちょっと、夢とロマンで心が満たされました。
本当はそんな暇ないはずなのに、逃避です・・・。

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NHK 「名医にQ」 あなたの疑問に答えます! 発達障害

1時間の中で、盛りだくさんの内容をQandA方式で扱っていました。
テンポが速かったのですが、私にはちょうどよかったです。

http://www.nhk.or.jp/kenko/drq/

ある事例に対して、3人の専門家がそれぞれの視点で
回答していたのが印象的でした。

・絵や文字でわかりやすくする認知心理学的な視点
・教師や周りの働きかけに誉めることをたくさん取り入れる応用行動分析的な視点
・薬物療法を取り入れる医学的視点

3人の専門家がそれぞれ自分の視点の主張をしていましたが、
おそらくそれは、番組構成上のことで、実際には3人とも、
一つの視点だけでは解決しない、と思っていらっしゃったことでしょう。

絵カードを見せてわかりやすくすればよいだとか、
ほめれば変わる、というほど、現実は単純ではなくて、
複数の視点を子どもや環境に合わせて組み合わせることが大切、と思っています。


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【教材紹介】 しりとり爆弾


『構音の指導研修DVD』でも紹介した教材です。

しりとりをしながらキッチンタイマーを受け渡しし、
音が鳴った人が負け、というゲームです。

1 
じゃんけんで勝った人が、キッチンタイマーを持ちます。
音の鳴るまでの時間は、子どもの実態に合わせて加減します。

2 
単語を何か言って、相手にキッチンタイマーを渡します。

3 
相手は、語尾を抽出して、それが語頭に来る単語を言います。
つまり、しりとりです。
単語を言ったら相手に渡します。
音が鳴ったときに、キッチンタイマーを持っている人が負けです。

4 
子どもが単語を思いつかないようであれば、
 「すわるもの」→「いす」というように、なぞかけにします。
なぞかけのヒントの出し方によって、抽象概念や言語的推理の力の育成にもなります。
  
5 
語尾音が抽出できない子には、「た・ま・ご」というように
モーラ分解して聞かせ、語尾音を強調することで、語尾の抽出を助けます。

6 
同じ単語を2回使ってはいけない、というルールにした場合、
聴覚的短期記憶の参照という部分での練習にもなります。


応用としては、しりとりではなくて、「か」のつくことば、にしてみたり、
「くだもの」というようにカテゴライズを課題にしてもいいでしょう。
指導のねらいによって。


○ 適用されるケース

(1)音節分解が苦手なために、構音や文字の読み書きの苦手さに現れている場合。
  音節分解や語尾音抽出の力は、一般に4歳代後半までに身につきます。

(2)抽象概念、カテゴライズ、言語的推理の力を育てたい時に。

(3)特定の語音の構音指導が完成期となり、
会話やゲームでも正音が出せるか確かめたり、練習とする場合。


○適用されないケース

(1)音節分解や抽出の力は十分あるが、似た音の聞き分けが難しいなど、
  同じ音韻認知でも、他の要素の問題な場合。

(2)語いが著しく少なかったり、呼称が著しく弱く、教材のレベルが高すぎる場合。

(3)慌てると思考が著しく低下する場合(ワーキングメモリが弱い)

(4)この教材を楽しめない場合。

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「自由会話」を視覚的にフィードバック


私は、子どもが話してくれたことを指導記録用紙の裏に
メモすることがあります。
話してくれた内容を構造的に書き連ね、内容を整理し、
それを子どもに見せることで、フィードバックします。

たとえば冗長な話し方には、単語を箇条書きにし、
すっきりとしたまとめ方ができます。

話しが次々とぶ子には、内容ごとに書く場所を整理して、
会話の全体像がわかるようにしています。

まとめて話す力を育てることに役立つ場合があると
感じているからです。

また、こうした「指導記録用紙の裏」が、あとで重要な手がかりになる
ことがあります。

子どもは話を聞いてくれた、まとめてくれたと喜ぶ表情を
浮かべることが少なくないです。
お年頃の女の子には避けた方がいいですが。

子どもがことばで表現しにくいときには、
絵にしてもらって、その絵を材料に会話が盛り上がることがあります。

最後に、会話について良かったことを取り上げて、
花丸を書いてあげます。
これは、大先輩のマネです。
今でも、あの、大先輩の温かくて感謝あふれる
表情での丸を私は描けません。

あの表情ができるには、一生かかるかもしれません。

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思考の柔軟性と身体の柔軟性

『ことばが劈(ひら)かれるとき』(1975 思想の科学社)の著者 
故 竹内敏晴先生は、
 

「ことば」とは、「からだ」=全存在の志向と身動きが生み出し、
分泌し、そしておのれに対峙させるもの
 

と言っています。
 

子どもの「ことば」をとらえるには、
その背景にあるものを理解することが大切です。


身体もその一つだと思うのです。


たとえば、舌の緊張を見るだけでなく、身体全体の緊張のコントロールを
見ることも大切です。


そして体力、筋力だけでなく、柔軟性とか、自己の身体に
自分で気づくということもとても大切だと思っています。


同じ音楽を聴いても、体調の良いときと良くないときとでは、
聴こえ方が全く異なります。


親の体調がよくないと、普段かわいいと感じている我が子の振る舞いが、
自分をわざと困らせているとさえ感じてしまいます。


子どもの体調が良くないと、見えるもの、聞こえるものが
全て嫌になってしまうことがあります。


食べ物の好き嫌いも、調子の良いときと、良くないときとでは、
許容範囲が変わってきます。


このように、周りの事象への感じ方は、心身の状態から
大きな影響を受けます。


一般的なサポートも大事ですが、身体も含めたサポートが
必要なケースがあります。


以前同僚の先生方と少し習っていたヨーガが、
役に立つ時が来るとは、思っても見ませんでした。


親子の顔の表情、目の輝き、身体、生活リズム、やる気などに変化が訪れるとすれば、
それは支援の一側面として十分有効であるということでしょう。


ヨーガというと、痩せるためのスポーツとか、腰痛、肩こりに効く
というイメージがありますが、実はもっと奥深いものです。


ヨーガは、自分自身を自分で感じ取り、
理解していく過程であるとも言えるでしょう。


学習指導要領には、身体をほぐす運動を通して、
自分の身体の変化を感じ取ることが書かれています。


であれは、ヨーガはその目的に十分かなっていると思っています。


障害の有無にかかわらず、障害そのものを治すということでもなく、
心身が心地よく過ごせるということは、誰にとっても
どんな環境にあっても、とても大事なことだと思っています。


身体が柔軟な人は、必ず思考も柔軟だとか、
その逆も必ずそうだとは思いませんが、
心身に柔軟性があることは、余裕をもって暮らすために必要な要素の
一つであることは間違いないように思います。

 

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通級でよく使う発達検査法

発達検査については、さまざまな意見があります。

・検査結果を絶対視してしまう
・能力の一部しか見ないのだから無意味だ
・数値が独り歩きしてしまう
・個別の認知特性も大事だが、集団でのダイナミズムがより大事だ
・検査よりも日常の行動観察が大事だ。

などなど。

たしかにその通りですが、逆にいえば、これらの注意事項をよく守れば、検査の本来の意義が活かせるわけです。

というより、検査の本来の意味や限界を理解している人は、上記の意見は織り込み済み、ということです。

むしろ、日常の行動観察の一部だけを取り上げて、子どもの特性を判断するのは危険です。
そこは、客観的な検査との組み合わせで判断しなければなりません。
(一定以上のセンスと熟練した見立て能力があれば別ですが)


通級でよく用いる検査(発達検査に限らない)は、以下の通りです。

・WISC-Ⅲ
・K-ABC
・PVT-R(絵画語い発達検査)
・フロスティッグ視知覚発達検査(DTVP)
・DN-CAS認知評価システム
・小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)
・森田式読み書き検査(音読、視写、聴写)
・森田-愛媛式読み書き検査(改訂版)
・ことばのテスト絵本
・LCスケール

このほか、以下の知能検査を行うこともあります。

・田中ビネー知能検査V


また、検査ではないですが、保護者にお願いして書いていただくものもあります。

・新版S-M社会生活能力検査


ほかにもいろいろありますが、代表的なものを並べてみました。

注意事項としては、

・「○○障害」だからこの検査法、ではなく、ニーズに応じて検査法を選ぶ。
・子どもの負担を最小限にしつつ、複数の検査法を組み合わせて判断する。
・信頼性、妥当性のある、標準化された検査を用いる。
・日常の行動観察や収集した情報と付け合わせて解釈する。
・一つの結果を絶対視しない。複数の要素から共通項を見出し判断する。
・数値だけでなく、検査時の行動観察の情報はとても大切。


今回、ITPAを載せなかったのは、最近アメリカではあまり用いられなくなっているからです。
たとえば、ITPAをLDのアセスメントに用いるのは、国際的な批判があります。

また、WISCはWISC-4で改良点が示されている以上、その情報を3でも解釈に生かすべき、と考えます。
たとえば、
http://kotobaroom.blog.shinobi.jp/Entry/305/


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芝桜のお写真

芝桜を見に行ってきました。
テンテンさんのリクエストにもお応えできましたね。
別にブログのためというわけではなかったのですが。

DSCF4673.JPG








向こうに見える山々は、北海道の真ん中あたりです。


DSCF4677.JPG











天気がとてもよかったです。




DSCF4662.JPG












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乳幼児のことばの発達5

illust776_thumb.gif

(1歳4ヶ月~7ヶ月)
 

階段をあがる時、「赤ちゃんガード」をきちんと閉めることにこだわる。
中途半端な閉め方だと、途中まであがった階段を下りてきて、
きちんと閉めてから再びあがる。あるいは、閉めるよう指差しで要求する。

→赤ちゃんのこだわりはおもしろいです。
  赤ちゃんガードの目的がまだわからず、
  (まさか自分のためだとは思いも付かないだろう。笑)
 子どもにとって、赤ちゃんガードは、階段をのぼるための
 手続きの一つ、行程の一つなのでしょう。
 というか、階段をのぼる「ための」ではなく、
 階段をのぼることと、それを閉めることとが概念的に未分化なのでしょう。
 「わかる」ことで、こだわりが軽減することがありますね。
 「わかる」にも多段階ありますが、こだわりを無くすことを考える前に、
 子どもにとってどう見えているかを内側から理解することが
 やはり大切なのだなと。
  もちろん、行動そのものをどう消去、強化、変容させるかも大事ではありますが。


父が出勤するとき、カバンも持っていくよう持って渡そうとする。
帰宅してきたとき、カバンを元の位置に戻すよう、場所を指差す。

→今、父が外に出る時、ということがわかるのと同時に、
過去の記憶を検索して、そのときは必ずカバンを持っていく、
ということがわかっているのですね。
外に出ることと、かばんを持つこととは、やはり概念的に未分化。
でも様々な情報刺激の中で、この二つは結びついているということを
情報的に抽出、関連できたわけですね。



父親が服を脱ぎ始めると、お風呂に入るとわかり、
服を脱がせろと、自分の服をつかんで要求する。
最近は、「お風呂だよ」と口頭指示しただけで、服を脱がせろと母に行動で要求する。

→以前は人が服を脱ぎ始めた視覚的な情報に反応していましたが、
今は「オフロ」の音声でわかるようになりました。
たまに、父が襟首に触っただけで反応したり、
さっきお風呂に入ったのに、少しでも「入るかもしれない」似た情報が見えると、
同じ反応を示すなど、「ミスリーディング」も多々ありますが。
様々な情報を総合して、今入るのか否かの判断がだんだん
正確になっていくのを感じます。
生まれて1年半で、情報を総合的に判断することは、
考えてみればすごいことです。


パソコンを見ると、風船の爆発ゲームをやりたがり、「バン」と要求する。

→ことば数は少ないですが、「バイバイ」同様、発音がしやすいのもあり、
場面を理解して使っていることばの一つです。


場面に合わせて、擬態語を何度か繰り返してやるとゲラゲラ笑って、
繰り返すよう要求する。ことばが出ることもある。

→イナイイナイバーとか、ビー玉が落ちたときに「カタカタン」とか、
階段を上るときに「スパコン、スパコン」が今でも大好きです。

子どもの呼吸に合わせる、
「インリアル」を思い出させます。

「よし、今インリアル法で関わろう」
とは思いません。
「○○法で他児に追いつけ」とも思いません。
そう思った瞬間に、それはインリアル法ではなくなって、
何か義務的な感覚に陥りそうになります。
子どもと呼吸を合わせて、楽しく関わった結果、
振り返ってみると、それがインリアルだったりします。

「インリアル法を使う」と表現した瞬間に、操作的な感覚に陥りそうです。
インリアルは、手段ではなくて哲学だからです。

「哲学を使う」とは言いませんよね。
「哲学する」とは言います。
それと同じです。

「イナイイナイバー」や声かけなどは、操作的にやるものではなくて、
子どもの反応が楽しいから、思わずパラレルトークしたり、
エキスパンションしたりするのです。

もちろん、インリアルの「哲学」だけでなく「技法」も学ぶべきですが、
実際子どもを前にしたら、「技法」を意識しつつも、
そこを応用的に超える、ということが必要と思います。

インリアルの哲学を、そして子どもの行動の意図を
どれだけ深く理解したかが重要なのでしょう。


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新学習指導要領と通級時間帯

来年度完全実施の新学習指導要領により、授業時数がさらに増えます。
その結果、放課後の「他校通級」はさらに遅い時間帯となり、
指導時間割が組めない事態が懸念されます。
今回は某組織の専門部会で取り組みが求められた
この件について取り上げます。
 
○新学習指導要領の授業時数
 
旧週時数
新週時数
増減
1年
23
25
+2
2年
24
26
+2
3年
26
27
+1
4年
27
28
+1
5年
27
28
+1
6年
27
28
+1
1年生は毎日5時間授業、2年生は週1日6時間、3年生は週2日6時間、
4~6年生は週3日6時間ということになります。
児童会活動やクラブは含まれません。
ということは、「授業を休まないで、給食を食べたあとにすぐ通級」
という低学年への対応が、来年度からは全くできくなることを意味します。 

 
当教室では、毎年度末に、他校に対して、授業時間のアンケートをとり、
通級時間編成の参考にしています。
今年度は14校が対象でした。(下図)

Image2.jpg















指導要領は移行措置期間ですが、今年度の授業時数が新指導要領の
時数に達している学校は、やはりほぼありませんでした。

今年度は通級担当の増員により、時間割が何とか組めたものの、
来年度は、通級時間割の編成がさらに難しくなることが懸念されます。
このため、通級妥当の判断を行う就学指導委員会では、
以下のような取り組みを始めています。
 
1 保護者との面接時に、通級時間が授業に食い込む場合があることを相談し、
同意を得る。
→今年度は、新規通級児童のうち、8割の保護者から同意を得られました。
 
2 在籍校へ送る『就学指導通知書』に以下の文言を付加する。

「ことばの教室の時間割の混雑の解消のために、
通級時間が在籍校の授業時間に一部食い込む場合があります。
通級指導を受けた時間は、在籍校で授業を受けたものと見なす規定になっていますので、
早退扱いにはなりません。
何とぞご理解くださいますようお願い致します」

 
また、授業を抜けることについては、通級担当からだけでなく、
保護者からも学級担任にお願いするようにしました。
その方がより理解を得やすいと考えています。


ところで、時間割混雑の根本問題として、指導要領はもちろん他には、
1 未だ「他校通級」が6割に達している
2 通級システムへの能力以上の過剰な期待

なども挙げられます。

また、抜けた時間の授業内容の補償?ということも問題になります。
授業を「抜けてまで」通級する教育的価値が、その子にあるのかという、
指導内容の妥当性について、保護者や場合によっては本人と
じっくり話し合う必要があると言えます。

ところが、放課後通級がラッシュアワーになると、保護者とゆっくり
面接する時間も取れません。
ある子の指導が終わったら、もう次の子が来ているという状態です。
そこで、午前中に親御さんだけ来て頂くことも考えるのですが、
ほとんどの保護者は仕事などで忙しく来られないという状態です。

保護者面接も含めて通級の機能なわけですが。

その本質がゆがんでいるのが現在と言えます。

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《教材》 地域のお祭りにはネタがいっぱい

先日行ったお祭りにも、ネタがいっぱいでした。

D1002172.JPG











魚釣り。
この魚は重さがけっこうあるので、引っ張り上げるのに力が必要です。
市販のおもちゃより本格的。
重さがあるということは、感覚統合的にかなり意味があると思います。


D1002170.JPG













輪ゴムの力で上に跳ばすと、くるくる回りながら落ちてきます。
体育館の天井部分まで高く跳び、よく回ります。
両面テープを貼る、はがす、手先でつまむ動作など。
くるくる落ちてくるの見ていたら、追視にも?


b583052d.JPG













これは違うおまつりで作ったものですが、
マグネットシートの磁力で、羽がひらひら動きます。
最近は、モールもマグネットシートも百均で買えますね。

色を塗る、紙を切る、両面テープをはがすなど手先の運動に。
予め用意する材料にどれだけ手を加えておくかで、
難易度が調整できます。

物作りの実践では有名ですね。
ネットで検索したら、展開図も出てきました。


どれも楽しめました。

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通級による指導実施状況調査結果

文部科学省HPによると、
「平成21年度通級による指導実施状況調査結果」が
まとまったようです。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1294040.htm

通級の利用はさらに増えていますね。
特に中学生の増加数は過去最大とのこと。

こちらの地方でも、中学生の通級指導の保障ということが、
親の会を中心に切実な声になっていますが、全国的にも同じなのでしょう。

自校通級が4割、他校が6割弱、巡回指導がわずか数パーセントというのは変わらず。

障害種別では、言語障害がもっとも多く、
LDや肢体不自由は自校通級が多い、
という点でも今までと変わりません。

アメリカでもかつては言語障害の通級が多かったですが、
今はLDが一番多かったのではなかったでしょうか。

日本もいずれはそうなるかもしれません。
新しい考え方が広がるのは、時代の必然ですが、
従来の言語障害の指導のニーズのある子への、指導の場と人が
ないがしろにされるということは、あってはならないと思っています。

スペシャルニーズ教育は、従来の障害を含めて、ですから。

一方、言語障害の指導では、週1~3回がフィットしますが、
LDの指導はそういうわけにはいきません。
LDの指導がわが国で急テンポに進まないのは、
週時数の問題、それの前提となる教員配置の問題、
専門性の問題があるのだと思います。

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チューリップのお写真

自然風景のお写真のご要望もありますので、
今日はチューリップ。(クリックで拡大)
最高の天気でした。




mDSCF0975.jpg













mDSCF0977.jpg














mDSCF0979.jpg














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通級担当の人事と研修保障

今から9年前、言語障害教育関連の研究会に全員で出席することに
管理職や一般の先生方の理解を得られない事態が発生していました。

9年前だけでなく、今でも、そうした話をちらほら耳にし、
最近も、人事を含め、理解されていない話を聞きました。

「通常学級と同じように、担当は毎年替わるべきだ」
「通級の専門性と言うが、通常学級担任も専門性は必要であり、同じだ」

これらの不理解の背景には、通常学級の人事とプールで行っている、
という制度上の問題もあります。

「養護教諭」と同じように、免許や採用段階から別枠であれば、
こうした不理解は生じにくいかもしれない、と思います。

実際、そうでなければなりません。
現在の人事システムのあり方の側がおかしいのです。

言語障害教育の専門性を保障する研修養成機関が全く不十分であるということは、文部科学省も認めているところです。

以下、9年前当時、管理職や一般の先生方への説明資料として作成したものがあります。以下、一部抜粋して引用します。

****************************

1 ことばの教室の研修についての基礎的理解

(1)ことばの教室の業務は、医療的な知識も含めた、教員免許の取得できる大学では学べない知識が必要であり、教室の担当になってから初めて研修しなければならない。この点で、普通学級の教員の研修とは質的に異なるものである。
 

(2)全国的に見ても、教員免許の単位と、言語障害教育の知識を履修する単位の両方を取れる大学はほとんどない。また、その業務の特殊性にも関わらず、普通学級の教員の人事と同じ枠でことばの教室の人事を行うという問題が未解決である。ことばの教室では、高度な専門性が必要であるにも関わらず、養成機関が全く未成熟である、という基本的認識に立たなければならない。旧文部省、現文部科学省も同じ見解を諮問機関を通して表明している。
 

(3)他市町村の「ことばの教室」の研修旅費については、普通学級の予算枠とは別に、複数の市町村がお金を出し合い、独自の枠で研修旅費を立てている。これは、ことばの教室が他の市町村の子ども達も利用するという「通級制」という開放性の実状に合わせたものである。
 

(4)これらのことから、普通学級と同じ考え方、ことばの教室が「学校の一部」という考え方は、ことばの教室の特殊性を無視したものである。
 

(5)研修会への参加の仕方について、「全員が参加すべきでない」としている教室は、他に例がない。また、公的調査によると「全職員が参加できる教室の割合」は、毎年80~90%以上である。しかも、参加を断念する教室については、担当者が通級児の指導を休めないと判断したものであり、「普通学級と同じ扱いにしなければならない」という理由で参加できない教室は、皆無である。
 

(6)一部の担当者が参加して、参加できなかった担当者に後日環流すればよいとか、研修図書を読めば参加しなくてもよい、とも言われる。しかし、口腔内のビデオ撮影は文書では環流できない。また、難解な用語を理解するためには、本を読むだけでは全く足りない。そうではなく、ことばの教室担当者の養成機関は全く未整備である、という基礎的理解に立たなければならない。
 

(7)研修中の指導の振り替えについては、過去の確認通りに進めているし、親御さんからも苦情は一切ない。時数よりも、むしろ「質」については、様々な苦情が出ている。
 

2 ことばの教室担当者の研修を巡る国内情勢

(1)文部省調査研究協力者会議第2次報告(98.10.21)「特殊教育の改善充実について」
→ 言語障害の専門性の確保については、研修制度で対応してきたが、養成・免許制度の側面からの対応が不十分。
 

(2)教員養成系で言語障害の専門課程を卒業した担当者はごくわずか。


(3)通級学級に関する調査協力者会議「通級による指導に関する充実方策について(審議のまとめ)」
平成4年3月30日
 → 「通級による指導を適切に行うため、市町村や校内の力量を養うための研修の充実が必要」


(4)「言語聴覚士」の国家資格化により、病院内の「医療ST」と「学校のことばの教室ST」が同レベルで専門性を問われるようなったこと。


(5)文部科学省諮問機関最終答申(2001.1.15)でも、通級制担当教員に対する市町村レベルでの研修のフォローの重要性、養成機関の未整備について厳しく指摘した。


3 通級制担当教員の研修についての文部省方針

「通級による指導が教育効果を上げるためには、何よりも担当教員の資質が重要となります。なぜなら、通級による指導は、限られた時間の中で1対1の個別指導が中心になるため、(中略)期待された教育効果を上げることができなければ、通級の意義そのものを問われることになります。
(中略)
・・・なお、通級による指導は・・・高度の専門性が要求されるので、特殊教育諸学校の教員免許を所有している教員を充てるなど指導力のある教員をその担当とするなどの配慮が必要になります」
 
『通級による指導の手引き』文部省特殊教育課内特殊教育研究会 第一法規出版


4 親の会の声

「・・・当事者の先生もお気の毒ですが、最大の被害者は子ども達ということになってしまいます。この原因は、第1に制度上『小・中学校教諭普通免許状所有者なら言語障害教育もできる筈』という建て前になっているからであり、第2には、人事異動に関して、6~10年以上の同一校勤務または同一障害種別担任を認めない都道府県ごとの内規があって、それを頑なに守ろうとすることによります。現実には、何の知識も無しに言語障害教育に就任した先生は何をどうすればいいのか困惑し、十分な指導ができないという例が多いことは、各種の調査・統計が物語っています。」

『全国言語障害児をもつ親の会 ことば』No.188号 1999.12.8 より引用


5 研究団体調査
(1)一教室一担任で困っている内容は? 
    ・教室内で研修できない    59%
    ・ケース会議ができない    44%
    ・悩みを相談できる人がいない 44%


6 これまでの話し合いの経過

・(研修で指導が欠ける場合の振り替えについて)→ 親や子どもと話し合った上で可能な範囲で振り替えるよう努める。(1998年9月5日確認)
・(地教委の回答)ことばの教室の研修の大切さはわかる。どんどん参加して研修を深めるのは良いのではないか。ただ予算は計画的に執行して欲しい。
・(地教委の回答)「現場の苦労は分かっている。親から(時数が欠けることについて)苦情は上がってきていない。親の会とも話し合って理解を得て進めることについてはその通りだと思う。」


7 関係者発言

(1)「地域の研究団体は、地域の言語治療教育の質的レベルの維持に重要」(全国組織幹部)

(2)地域研究会会長(管理職)の公式発言主旨(1999.11)
  「私は、ことばの教室のある学校で勤務したことがあるので、ことばの教室のことはよくわかる。研修は過程が重要だ。ことばの教室のような専門性の高い仕事は、本を読むだけではわからない。集まって協議することが重要だ。『側音化構音障害』の指導に7年かかったという話を聞いた。教育の本質がここにある」


8 その他
(1)親の会は、指導時数よりも「質」を問題にしている。2年前親の会が、「質」の問題で一触即発の事態に至った経緯を知るべきである。
(2)私たちは、「旅費」の増額を要求していない。お金よりも、全員が参加できることを優先しているためである。したがって「予算がないから、全員参加できない」と言うことはできない。

*************

今の私にできること。
・通級担当を1年でも長く続けること。
・新しい先生への支援を本気で進めること
・通級担当の専門性の理解のために、様々な活動を行うこと

『構音の指導研修DVD』にしても、それらは私の自己顕示欲、地位欲のためでなく、
永く苦しい道のりを経て来て、それらに応えるために、
今しなければならないことを形にしたものの一つです。


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桜のお写真

(いずれもクリックで拡大)

せがまれて、急遽公園へ。




今年は気温がなかなか上がらず、開花が遅れましたが、
やっと咲きました。


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45.jpg













癒されますね。

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「人見知り」は閉じこもって暮らすから起こるのではないですよ


常識とされていることが、実は正しくない、
ということを主張するのは勇気がいりますね。

子育て、子どもの発達に関しても、そうしたことは例外ではありません。
人見知りは、環境が原因ではなく、個人差が大きいのです。

http://park5.wakwak.com/~kosodate/qa/qa3.html

昔からの「常識」をネタに、親が責められることがいかに多いことか。

「昔は、親が子どもを殺すなんてなかった」
「昔は、学校が楽しくないなんてあり得なかった」
「昔は、学校にいじめなんてなかった」
「昔は、いつまでも母乳を与えたりしなかった」
「昔は、おむつをいつまでもさせていなかった」
「子どもが上目遣いするのは、親が上からのぞいて育てたから」

ついでに、
「スケートのひもが結べないのは、親がさせなかったから」
「できないのは、親が経験させなかったから。今教えたらできた」
「何でも育て方ですよ」

「○○だから△△」
「ひとつの原因→ひとつの結果」

これらの「仮説」が本当なのか、ここをご覧の方は
その真偽のほどはよくおわかりと思います。

私も一人の親として、色々苦労しているのは事実です。
でも、一般世間は仕方がないとして、
子育ての専門の方々には、常に「常識」を「メタ的に」
とらえ返す力量が必要と思っています。

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発達外来の事例検討会で教材発表



前半の事例検討会では、休日に集まる関係者ということもあり、
いつもながら、質の高い議論がされたように思いました。

スーパーバイザーとしていらした大学の先生の
コメントもすばらしいものでした。


事例検討会後の茶話会で、教材発表をさせていただきました。
冒頭、教材や指導方法が先にあるのではなく、
アセスメントが先にあること、
そのまま使うのではなく、子どもに合わせてアレンジすることの
大切さをお話しさせて頂きました。

教材発表のリスクは、いつもそこにあると感じているからです。

発表後の質疑応答では、
自作教材を作る秘訣や、その教材を子どもができなかったときに、
どうアレンジするかについての質問がありました。

教材の作成の時間がなかなかとれない現場では、
カードのような汎用性の高いものを作り、
同じ教材を他児にも、使い方やルールを変えることで使えるようにすること。

空間関係の把握が難しく、図形を模写できない子に対しては、
紙を重ね合わせて透かして見せてから書かせるとうまくいく
場合があることを回答させて頂きました。

「うちの子には、どういう指導方法がありますか?」
という質問には、やはり答えにくいものがありました。

その子のことをよく知らないので・・・。
その子のことをよく知る中に、指導方法のヒントはあるわけです。
認知心理学的にも、応用行動分析学的にも・・・。

解散後、発達外来で教具作成を専門に職種とされている方と
直接お話しできたのは収穫でした。
部品の入手方法など、いいヒントを頂きました。
ありがとうございました。

今回はパワーポイントでの発表で、
実物を一つも持っていかなかった(忘れた!)のは、
私らしいミスなのでした・・・。

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ハートキャッチプリキュアカード




今回のプリキュアシリーズには、
「こころのたね」というのがあります。

似た様な模様の「こころのたね」がたくさんあります。

まだ機能とか、役割とかはよくわからないのですが、
これをカード化して、数字も入れれば、
ウノ風のカードゲームになるのでは、と想像しています。

まずは、同じカードを2枚ずつ作ってラミネートし、
神経衰弱やばば抜きができるようにしました。

単調な構音指導で、
・10回「ケ」を言ったら、一枚箱から取る。先生も取る。
・先に「こころのたねカード」を5枚取ったら勝ち。

というゲームにしてもいいでしょう。
これだけで、50回「ケ」の練習になります。

スポーツ車の好きな子には、車カードを作って同様に。

子どもの笑顔を見ると、作った甲斐があるものです。

これで、何週間かはもつかな。

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 講座「言語障害教育」バーチャル再現 3 読み書きの評価と指導

 
 
この講座では、
・読み書き困難を発達全体の理論との関連で概観し、
・アセスメントの具体的な方法を演習し、
・教材紹介を含めた、実際の指導方法の例示

を行いました。
特に理論はきちんとやりたいと思いました。

実践のない理論は机上の空論ですが、
理論のない実践は、独善にすぎないからです。
子ども理解を軽視して、方法論に傾倒することを最もおそれます。

初めて担当した先生への支援は、まず理論をしっかりお伝えすること、
そして2回目の講座では、応用的実践、演習に力を入れる組み立てに
なっている、ということもあります。


さて、講座中では、
遠城寺式の概観をしたあと、以下のような質問をしました。



08dfd6e7.JPG 
 



 







・・「聞く」・・「話す」・・「計算する」・・「推論する」
「読む」「書く」
 
これは、子どもの発達の一般的な順序を示しています。
「読む」「書く」はどの位置に入るでしょう?
 
 
この問題には皆さん解答が見えているようでした。
つまり、「読む」「書く」の前に「聞く」「話す」の土台が必要であること。
もちろん、個人差はありますが、「聞く」「話す」は音声言語には限らないですね。
双方向のコミュニケーションの土台があって、文字に行けるのでは。
文部科学省のLDの定義も「聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」
の順番ですし、成人失語症検査のSLTAも、「推論する」以外はその順番ですね。
 
 
次に、「見る」について問題を出しました。


「見る」を検討することは、文字の読みにとって重要です。
「見る」には、大きく分けて3つの要素があります。何でしょう?
これは難しかったようです。

d09e5325.JPG









 
「視力」「視機能」「視知覚」でした。
よく、「視機能」と「視知覚」を混同した議論や実践が見られます。
 
ことばの定義の問題ではありません。
眼球運動の問題ではなく、視知覚の問題なのに、
眼球運動トレーニングをしたりというように。

もちろん、「視機能」が弱いと「視知覚」の発達は遅れる可能性があるなど、
全く切り離しては考えられません。
しかし、時間のムダにならないよう、
より正確で詳細なアセスメントが必要でしょう。特に通級制においては。

つづく

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講座「言語障害教育」バーチャル再現 2 情報収集は指導のカギ

 
今回のケースレポートには、意図的に「学級担任からの情報」
という項目を入れました。
そして、学級担任からの情報収集を強調した書き方例を示しました。

その結果、ほとんどの先生が、学級担任からの情報を書いて下さいました。
情報の鮮度の問題はまだありますが。

お互いに時間が合わず連絡が取りにくい学級担任の先生と、
スムーズに連絡をとるための秘密の武器も
今回資料につけました。

実は、学級担任の先生からの情報収集をすること自体が、
今回の主要なテーマの一つでした。

ともすると、通級時の行動観察のごく一部を近視眼的にとらえたり、
チェックリストや検査を偏重したりする結果になりがちです。

通級時の行動観察の情報やチェックリスト、検査結果は、
学級担任など日常の情報と付け合わせて判断するのでなければなりません。
 
後で話を伺うと、すでにこの秘密兵器を入手した教室では、
その重要性を話し合い、利用し始めようとしているとのことでした。


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講座「言語障害教育」バーチャル再現 1 客観的事実と主観的判断とを厳しく分けること


今日は公的機関で「言語障害教育」の講座をさせて頂きました。
通級担当の先生がめまぐるしく替わるようになった昨今、
新しい先生からの、「年度のできるだけ早い時期に講座をやって欲しい」
という要望に応えるものです。

定員10名の2倍の人数の参加を頂き、通級担当の先生の他、
特別支援学級の先生、初任者研修を兼ねた先生がいらっしゃいました。

午前中のケース会議では、3グループに分かれて、
それぞれ持ち寄ったケースについて話し合いました。

その席上、ある初任者の先生の質問が、私には衝撃的でした。
「○○する力が弱いと書いてありますが、それはどうやって評価したのですか」

本人は単純に、どうやって評価したのかを知りたかったようですが、
実はこの質問は、レポートの作成の仕方というだけでなく、
アセスメントの本質を突く質問でした。

「○○が弱い」というのは主観的な「判断」であって、検査結果ではありません。
たとえば、
「聴覚的認知が弱い」だけでは、次の指導の手立ては出てきませんし、
出てきても紋切り型の、その子にフィットしない指導になってしまいます。
そもそも主観的な価値がそこに含まれ、子どもの実態から遠ざかってしまいます。

たとえば、
「2音節の逆唱は3問中、3問言えたが、3音節では3問中3問とも、
語頭音が言えなかった」と、子どもの反応をそのまま書くのが、
正確であるし、次の指導の手立てが正確にフィットしやくなります。

本来は、
「『なかさ』の反対は?」の発問に「さか・・・・わかりません」と回答した
という表記が望ましいですが、A4一枚にまとめるには、
ローデータから1歩まとめた内容にする必要はあります。

しかし、主観的な価値付けと、客観的データは厳しく分けて書く、
ということは、アセスメントの基本、本質であります。

8月の指導実習風の公的講座にこの課題を反映していきたいと感じました。


ただ、この忙しい中、A4一枚とは言え、
皆さん一生懸命に作成され、当日に臨まれた前向きな方ばかりで、
きっと受け持った子ども達は幸せだろうと感じました。

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大地に咲く一輪の花



地域の子ども会連合会や児童センター、
自治体などが共同で運営する
お祭りに行ってきました。

毎年、母の日の開催ということもあり、
お花のコーナーが設けられています。

今年も、娘が造ってプレゼントしました。

贈る方も、贈られる方も、ほのぼのとします。

指導してくれた方は、お花に詳しい方のようで、
専門性の高さにほれぼれしてしまいます。
私には「超苦手」な分野です。


今日放映のハートキャッチプリキュアも、
母の日をテーマにしていましたが、
感動のあまり、子ども達に涙をみられないようにするのが
大変でした。

歴代のプリキュアの中で、心を
しかも、子ども達だけでなく、大人も含め、
つらいアンビバレンツな心情を
真正面から取り扱うシリーズは初めてでしょう。

だから、
「大地に咲く一輪の花」
と言って変身するのを見ただけで涙が出てきます。

私は若いとき、そうやって自分を励ましてきたので。


その道を究めてきた人と出会ったり、
つらさをまっすぐ受けとめ、それでも前向きに生きるという
いい話に出会ったりすると、とても励みになります。


その一方、これは影響を受けない方がいいという事象も
あります。

昔は、許せなくて戦いモードだったのですが、
今は年をとりました。

「あきらめ」
の大切さをかみしめます。

「あきらめ」とは、ためいきをつくことではないんですね。

「あきらめ」は「諦め」、「明らめ」

つまり物事の道理を明らかに見つめ、理解することなのでしょう。


思い出しましたが、「ニーバーの祈り」というものを
教えてくださったことがあります。

***

神よ、
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

***

変えられる、変えられない、はそう簡単に分けられるものではないでしょうが、
しかし、振り回されずに、冷静さをもって、
自分にできることをコツコツしていくこと。
これからも大切にしたいです。


それにしても、お祭りの「犯人さがし3名」
写真の3名を見つけてスタンプをもらったら、射的ができる、という企画。
相貌認知が弱い私には、子どもに何の力にもなれず・・・。

改めて私の弱点がはっきりしたのでした。


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乳幼児のことばの発達4

CDラジカセのボタンを適当に押しても鳴らないので、
「鳴らせ」という意味のことばを「あー」や泣き声で要求します。

「このボタンを押すんだよ」とボタンを指差しして見せましたが、
適当にボタンを押し続けます。
ところが
「この指でこのボタンを押すんだよ」と
指示すると理解して実行できたのでした。
音楽がなって喜びました。

実は2週間前に同じ指示を出したときには分かりませんでした。

成功体験を積むうちに、たくさん並んでいるボタンのどれを
押したら良いのかが分かってきて、ヒット率100%になりました。
正確には、ボタン一つ一つに意味があって、特定のボタンを
押すと、望みの音楽が流れる、という一対一対応の理解ができた、
ということでしょう。

要求するときは相手の顔を見るようになり、
要求がかなわないときは、相手のところまで近づいていき、
声を出す、という行動もだいぶ確実になってきました。


子どもの要求することを利用して関わりを育てる。
(利用、という表現も人為的で、実感とはちょっと違いますが)
クンレンではなく、生活文脈に即して。
達成したら報償、といってもわざわざ用意する報償ではなくて、
要求がかなう、という自然な形で。

特に小さい子、配慮の必要な子には大事だと思っています。

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