発達検査については、さまざまな意見があります。
・検査結果を絶対視してしまう
・能力の一部しか見ないのだから無意味だ
・数値が独り歩きしてしまう
・個別の認知特性も大事だが、集団でのダイナミズムがより大事だ
・検査よりも日常の行動観察が大事だ。
などなど。
たしかにその通りですが、逆にいえば、これらの注意事項をよく守れば、検査の本来の意義が活かせるわけです。
というより、検査の本来の意味や限界を理解している人は、上記の意見は織り込み済み、ということです。
むしろ、日常の行動観察の一部だけを取り上げて、子どもの特性を判断するのは危険です。
そこは、客観的な検査との組み合わせで判断しなければなりません。
(一定以上のセンスと熟練した見立て能力があれば別ですが)
通級でよく用いる検査(発達検査に限らない)は、以下の通りです。
・WISC-Ⅲ
・K-ABC
・PVT-R(絵画語い発達検査)
・フロスティッグ視知覚発達検査(DTVP)
・DN-CAS認知評価システム
・小学生の読み書きスクリーニング検査(STRAW)
・森田式読み書き検査(音読、視写、聴写)
・森田-愛媛式読み書き検査(改訂版)
・ことばのテスト絵本
・LCスケール
このほか、以下の知能検査を行うこともあります。
・田中ビネー知能検査V
また、検査ではないですが、保護者にお願いして書いていただくものもあります。
・新版S-M社会生活能力検査
ほかにもいろいろありますが、代表的なものを並べてみました。
注意事項としては、
・「○○障害」だからこの検査法、ではなく、ニーズに応じて検査法を選ぶ。
・子どもの負担を最小限にしつつ、複数の検査法を組み合わせて判断する。
・信頼性、妥当性のある、標準化された検査を用いる。
・日常の行動観察や収集した情報と付け合わせて解釈する。
・一つの結果を絶対視しない。複数の要素から共通項を見出し判断する。
・数値だけでなく、検査時の行動観察の情報はとても大切。
今回、ITPAを載せなかったのは、最近アメリカではあまり用いられなくなっているからです。
たとえば、ITPAをLDのアセスメントに用いるのは、国際的な批判があります。
また、WISCはWISC-4で改良点が示されている以上、その情報を3でも解釈に生かすべき、と考えます。
たとえば、
http://kotobaroom.blog.shinobi.jp/Entry/305/
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを
***
PR