(1歳4ヶ月~7ヶ月)
1
階段をあがる時、「赤ちゃんガード」をきちんと閉めることにこだわる。
中途半端な閉め方だと、途中まであがった階段を下りてきて、
きちんと閉めてから再びあがる。あるいは、閉めるよう指差しで要求する。
→赤ちゃんのこだわりはおもしろいです。
赤ちゃんガードの目的がまだわからず、
(まさか自分のためだとは思いも付かないだろう。笑)
子どもにとって、赤ちゃんガードは、階段をのぼるための
手続きの一つ、行程の一つなのでしょう。
というか、階段をのぼる「ための」ではなく、
階段をのぼることと、それを閉めることとが概念的に未分化なのでしょう。
「わかる」ことで、こだわりが軽減することがありますね。
「わかる」にも多段階ありますが、こだわりを無くすことを考える前に、
子どもにとってどう見えているかを内側から理解することが
やはり大切なのだなと。
もちろん、行動そのものをどう消去、強化、変容させるかも大事ではありますが。
2
父が出勤するとき、カバンも持っていくよう持って渡そうとする。
帰宅してきたとき、カバンを元の位置に戻すよう、場所を指差す。
→今、父が外に出る時、ということがわかるのと同時に、
過去の記憶を検索して、そのときは必ずカバンを持っていく、
ということがわかっているのですね。
外に出ることと、かばんを持つこととは、やはり概念的に未分化。
でも様々な情報刺激の中で、この二つは結びついているということを
情報的に抽出、関連できたわけですね。
3
父親が服を脱ぎ始めると、お風呂に入るとわかり、
服を脱がせろと、自分の服をつかんで要求する。
最近は、「お風呂だよ」と口頭指示しただけで、服を脱がせろと母に行動で要求する。
→以前は人が服を脱ぎ始めた視覚的な情報に反応していましたが、
今は「オフロ」の音声でわかるようになりました。
たまに、父が襟首に触っただけで反応したり、
さっきお風呂に入ったのに、少しでも「入るかもしれない」似た情報が見えると、
同じ反応を示すなど、「ミスリーディング」も多々ありますが。
様々な情報を総合して、今入るのか否かの判断がだんだん
正確になっていくのを感じます。
生まれて1年半で、情報を総合的に判断することは、
考えてみればすごいことです。
4
パソコンを見ると、風船の爆発ゲームをやりたがり、「バン」と要求する。
→ことば数は少ないですが、「バイバイ」同様、発音がしやすいのもあり、
場面を理解して使っていることばの一つです。
5
場面に合わせて、擬態語を何度か繰り返してやるとゲラゲラ笑って、
繰り返すよう要求する。ことばが出ることもある。
→イナイイナイバーとか、ビー玉が落ちたときに「カタカタン」とか、
階段を上るときに「スパコン、スパコン」が今でも大好きです。
子どもの呼吸に合わせる、
「インリアル」を思い出させます。
「よし、今インリアル法で関わろう」
とは思いません。
「○○法で他児に追いつけ」とも思いません。
そう思った瞬間に、それはインリアル法ではなくなって、
何か義務的な感覚に陥りそうになります。
子どもと呼吸を合わせて、楽しく関わった結果、
振り返ってみると、それがインリアルだったりします。
「インリアル法を使う」と表現した瞬間に、操作的な感覚に陥りそうです。
インリアルは、手段ではなくて哲学だからです。
「哲学を使う」とは言いませんよね。
「哲学する」とは言います。
それと同じです。
「イナイイナイバー」や声かけなどは、操作的にやるものではなくて、
子どもの反応が楽しいから、思わずパラレルトークしたり、
エキスパンションしたりするのです。
もちろん、インリアルの「哲学」だけでなく「技法」も学ぶべきですが、
実際子どもを前にしたら、「技法」を意識しつつも、
そこを応用的に超える、ということが必要と思います。
インリアルの哲学を、そして子どもの行動の意図を
どれだけ深く理解したかが重要なのでしょう。
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