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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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乳幼児のことばの発達5

illust776_thumb.gif

(1歳4ヶ月~7ヶ月)
 

階段をあがる時、「赤ちゃんガード」をきちんと閉めることにこだわる。
中途半端な閉め方だと、途中まであがった階段を下りてきて、
きちんと閉めてから再びあがる。あるいは、閉めるよう指差しで要求する。

→赤ちゃんのこだわりはおもしろいです。
  赤ちゃんガードの目的がまだわからず、
  (まさか自分のためだとは思いも付かないだろう。笑)
 子どもにとって、赤ちゃんガードは、階段をのぼるための
 手続きの一つ、行程の一つなのでしょう。
 というか、階段をのぼる「ための」ではなく、
 階段をのぼることと、それを閉めることとが概念的に未分化なのでしょう。
 「わかる」ことで、こだわりが軽減することがありますね。
 「わかる」にも多段階ありますが、こだわりを無くすことを考える前に、
 子どもにとってどう見えているかを内側から理解することが
 やはり大切なのだなと。
  もちろん、行動そのものをどう消去、強化、変容させるかも大事ではありますが。


父が出勤するとき、カバンも持っていくよう持って渡そうとする。
帰宅してきたとき、カバンを元の位置に戻すよう、場所を指差す。

→今、父が外に出る時、ということがわかるのと同時に、
過去の記憶を検索して、そのときは必ずカバンを持っていく、
ということがわかっているのですね。
外に出ることと、かばんを持つこととは、やはり概念的に未分化。
でも様々な情報刺激の中で、この二つは結びついているということを
情報的に抽出、関連できたわけですね。



父親が服を脱ぎ始めると、お風呂に入るとわかり、
服を脱がせろと、自分の服をつかんで要求する。
最近は、「お風呂だよ」と口頭指示しただけで、服を脱がせろと母に行動で要求する。

→以前は人が服を脱ぎ始めた視覚的な情報に反応していましたが、
今は「オフロ」の音声でわかるようになりました。
たまに、父が襟首に触っただけで反応したり、
さっきお風呂に入ったのに、少しでも「入るかもしれない」似た情報が見えると、
同じ反応を示すなど、「ミスリーディング」も多々ありますが。
様々な情報を総合して、今入るのか否かの判断がだんだん
正確になっていくのを感じます。
生まれて1年半で、情報を総合的に判断することは、
考えてみればすごいことです。


パソコンを見ると、風船の爆発ゲームをやりたがり、「バン」と要求する。

→ことば数は少ないですが、「バイバイ」同様、発音がしやすいのもあり、
場面を理解して使っていることばの一つです。


場面に合わせて、擬態語を何度か繰り返してやるとゲラゲラ笑って、
繰り返すよう要求する。ことばが出ることもある。

→イナイイナイバーとか、ビー玉が落ちたときに「カタカタン」とか、
階段を上るときに「スパコン、スパコン」が今でも大好きです。

子どもの呼吸に合わせる、
「インリアル」を思い出させます。

「よし、今インリアル法で関わろう」
とは思いません。
「○○法で他児に追いつけ」とも思いません。
そう思った瞬間に、それはインリアル法ではなくなって、
何か義務的な感覚に陥りそうになります。
子どもと呼吸を合わせて、楽しく関わった結果、
振り返ってみると、それがインリアルだったりします。

「インリアル法を使う」と表現した瞬間に、操作的な感覚に陥りそうです。
インリアルは、手段ではなくて哲学だからです。

「哲学を使う」とは言いませんよね。
「哲学する」とは言います。
それと同じです。

「イナイイナイバー」や声かけなどは、操作的にやるものではなくて、
子どもの反応が楽しいから、思わずパラレルトークしたり、
エキスパンションしたりするのです。

もちろん、インリアルの「哲学」だけでなく「技法」も学ぶべきですが、
実際子どもを前にしたら、「技法」を意識しつつも、
そこを応用的に超える、ということが必要と思います。

インリアルの哲学を、そして子どもの行動の意図を
どれだけ深く理解したかが重要なのでしょう。


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Comment
インリアル
DVDを先日買わせてもらった者です。
いつもブログ興味深く拝見させていただいています。

先生のお子さんはお風呂は嫌いではないのかなと関心して読ませていただきました。
うちの子は小さい頃お風呂を嫌がっていた記憶がありますので・・・。
それとも嫌という自我の芽生えはもっと後でしたっけ??
先生の意図とは異なった感想ですみません^^;)

私は4,5歳児の指導にインリアル・アプローチを実践しています。
先生のおっしゃるようにインリアルはその姿勢、その考え方が要素の大部分を占めるように思います。
また、賢いお母さんなら自然とインリアルの技法を使っていらっしゃるでしょう。
それを低年齢児ならまだしも4,5歳児の指導にその技法を使おうと思うとやはり、応用的に超えるということが必要だと感じます。
私は、インリアルを学ばれ実践されてきた先生に教えていただいているだけなのですが、インリアルを先生なりに発展させたやり方で子どもにアプローチされていますし、
今年度から日本インリアル研究会にも参加させてもうらようになったのですが、その場でも本通り?のインリアルではなく応用的に超えたやり方でアプローチされているように思います。

いずれにせよ、子どもの意図を無視してしまわぬよう感覚を研ぎ澄ませて子どもを観る毎日です。


Re:インリアル
このたびは、DVDをお求め頂いてありがとうございました。
ブログもいつも見て下さっているそうで、重ねてありがとうございます。
この子は生まれたときに、産湯に入れてくれた看護師さんから、「この子気持ちよさそうに入っていたよ。風呂好きの子かもしれない」なんて言われました。父親の遺伝子ですねえ。

インリアル・アプローチを学び、実践されている先生からのご助言、ありがとうございます。
私自身はきちんと教えてもらったことはないのに、ちょっと背伸びした記事になってしまったかもしれませんが、インリアルに限らず、形を真似するのでなく、哲学、本質をということを常々感じています。

どんな考え方、方法でも、子ども理解が一番のベースになければなりませんよね。それは古くから大切にされてきたこと、今まで実践されてきたことの中に
解答があるのではないかと思っています。
【 管理人ya 2010/06/04 21:23】
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