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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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第13回言語聴覚士国家試験 3

午前 第68問


正しい組み合せはどれか。

1. フロスティッグ視知覚発達検査  ーー  目と手の協応運動
2. 絵画語い発達検査  ーー  言語伝達力
3. WPPSI知能診断検査  ーー  継次処理能力
4. DN-CAS評価認知システム  ーー  言語性IQ
5. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法  ーー  認知能力


ヒント
これは、言語聴覚士でなくても、通級担当としては押さえておきたい基礎知識です。

絵画語い発達検査(PVT-R)は、語い力を見るテストです。指さしで回答しますから、「伝達」というより、語い量を測ります。
WPPSIは言語性、動作性。ウェクスラーの知能モデルがベース。WISC、WAISもウェクスラー。
継次処理、同時処理を見るのは、K-ABC。ルリアモデル。
DN-CASは、同時処理、継次処理、注意、プランニングを。ルリアモデルからバージョンアップしたPASS理論がベース。

遠城寺式は、認知能力というより、移動運動、手の運動、基本的習慣、対人関係、発語、言語理解の6領域を見ます。

ちなみに、PVT-R、WISCー4、KABC-2、DN-CASのそれぞれの「評価点」は、同じ標準得点法で計算されているので、お互いに比較できます。


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子どもに「レコード」を教える


学校図書の現状。
昭和に発行された百科事典に「レコード」のページが。
なるほど、このようにして「レコード」は作られるのですね。
昔の生活を学ぶという意味では勉強になるかもしれませんが。

レコード→カセットテープ→DAT→CD→MD→データネットダウンロード

ちょっと順番が違うかもしれませんが、どれだけ古い本が未だに置いてあるか。

でも、レコードのあのアナログ感のある音質が、また流行しているそうで。
なんとも言えない、たわんだ音質。

そう。この図書は時代最先端なのです(笑)

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【自作教材】まちがいさがし 画像



これは、いったい・・・。

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第13回言語聴覚士国家試験 2




第13回
午前第90問

小学校入学前児。聞き返しがあり発音が不明瞭である。優先順位の低い検査はどれか。


1. 純音聴力検査
2. ティンパノメトリ
3. 言語発達検査
4. 視知覚検査
5. 口腔内の形態と機能の検査

ヒント

就学相談や教育相談に必要な知識でもあります。

純音聴力検査は、「聞き返しがあり」との状態から、聴力を測るものです。

ティンパノメトリは、耳管の狭窄や中耳炎など、鼓膜の動きの異常がないかを診る検査です。
「聞き返しがあり」ということから、聴覚障害の疑いを除外(あるいは特定)するために行います。学校では行いませんが、医療機関で。

ことばの教室では、聴力検査機器の設置が望まれますが、ない場合でも、ささやき声がきこえるかとか、耳の後ろで指をコショコショしたり、ポンポンたたいたりする簡易な検査もあります。
そこで聴力の異常が疑われれば、医療機関の紹介をします。

言語発達検査は、言語の遅れが発音にも出ているという可能性を検討するためです。
言語発達年齢がたとえば3歳で、ラ行がダ行に置き換わる、と言った場合、その子にとっての発達相応の構音発達と見なすこともできます。ならば、構音指導が優先なのか、言語発達の支援が優先なのかの検討資料にもなります。

口腔内の形態と機能の検査は、発語器官の異常によって、構音に影響しているかを診る検査です。鼻咽腔閉鎖機能や、舌小帯、歯のかみ合わせ、アデノイド、鼻づまりなどを診ていきます。

異常があれば器質性構音障害、器質的なものがなければ、機能性構音障害の疑います。

このように、聞こえや構音だけをとっても、様々な要因について除外して、特定していくことが必要になります。

視知覚検査は、図形の認知処理能力を評価するもので、聴力や構音には直接関係しません。
そのほかの困り感を検討する上で、必要になる場合もありますが、まず出会っての検査としては、優先順位が低いです。





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第13回言語聴覚士国家試験



第70問


ディスレキシア(発達性読み書き障害)の検査で優先順位が低いのはどれか。
1. 音韻削除課題
2. WISC-Ⅲ知能診断検査
3. 単語の逆唱課題
4. 語流暢性検査(WAN)
5. 心の理論検査


「心の理論」は、サリー・アン課題などで有名な、自閉性についての理論。
一時はやりましたが、高機能群では課題が解けてしまうことから、心の理論課題ができない=自閉症とは言えない、というのが現在です。
もともと、心の理論課題CDのマニュアルにもそう書かれています。

いずれにせよ、ディスレキシアの判断には用いられません。

「○○の体系化冊子」などと言って、教科書のように各教室に常備すべきだ、などと決められてしまったことがありますが、LDの検査の欄に「バウムテスト」が入っていて、幻滅してしまいました。
学習障害の問題と、心理的な問題とがごちゃ混ぜ。
基礎知識のレベルです。

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第14回言語聴覚士国家試験 2


第62問 暗算に関係するのはどれか。

a.エピソード記憶
b.手続記憶
c.意味記憶
d.作業記憶
e.展望記憶

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

***
ヒント

エピソード記憶は、今日公園に行って、ブランコに載って、と時間や場所などの経験の記憶のことなので、機械的な暗算の処理過程には関係がないです。

展望記憶は、将来行う行動についての記憶なので、これも無関係。

どういう手順で計算し(手続き記憶)、その計算にはどんな意味があるか(意味記憶)、そしてテーブルの上で数字を並べて操作する(作業記憶)が関与。

というのが正解なのでしょう。

でもまれに、1個のリンゴが家にあって、隣のおばさんが2個のリンゴを持ってきてくれた、全部で3個になったという経験を覚えていて、お母さんが「3個になったね」と言っていたのを思い出したとしたら、それはエピソード記憶も関与するのでは。
そんなことは滅多にないですが。
それ以前に、その設定自体、「暗算」の定義からはずれますね。

「記憶力はあるのに、ことばを覚えていない」とか、
「記憶力はないのに、ポケモンの名前は全部覚えている」とか。
それは当たり前の話で、記憶の種類が違うからですね。
興味関心の強さも関与するでしょうが、記憶の種類の違いが無視されがちだなと。

だからたとえば、聴覚的な音韻の記憶の底上げを図る指導で、料理のレシピの手順を覚えるという手立ては、全く的外れなわけです。

逆に「連想記憶術」というのがあります。
にんじん、大根、タマネギ
という3つの物を覚えて(意味記憶)、買い物に行くときに、何を買いに来たか忘れる。
そうしたときには、例えば、
「頭ににんじんを突き刺した」
「おでこを大根で冷やした」
「目にタマネギで涙」
と体と結びつけて覚えれば(エピソード記憶)
忘れにくい、という方法があります。
違う種類の記憶法で補う訳です。

ちなみに、記憶と結びつける体の部位を頭の上から、予め決めておいて、いつもそれを使うようにすると混乱しません。


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第14回言語聴覚士国家試験

このシリーズでは、当ブログのリピーター以外の方からもアクセス頂いているようですので、続けます。
勉強にもなるので。

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午後
第68問

3歳児健康診査の項目で適切でないのはどれか。


1. 自分の姓名を言う。
2. まねて丸を描く。
3. 長い、短いがわかる。
4. ままごとで役を演じる。
5. じゃんけんで勝負を決める。


ヒント
子どもの発達を理解しているとできる問題。
じゃんけんは3歳児には難しいでしょうね。
三すくみの概念は難しいし、チョキが出せるかという手指の運動能力の問題も。

それ以外は、3歳児の段階でできる子が多いわけです。

遠城寺式乳幼児分析的発達検査法などを参照して。

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この英語の教科書は笑えます

この英語の教科書は笑えます。

A: I lost your CD.  I'm sorry. It's all my fault.

B:Don't worry. I lost your CD player.

こんな楽しい教科書が増えたら、英語嫌いは減るかも?

今時、アメリカでは、How are you? I''m fine,thank you. And you? 等と言わないとか。



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第16回 言語聴覚士国家試験 2

以下は、第15回の時の試験問題です。
小児領域からピックアップ。
こうしてみると、小児領域の問題は結構たくさんありますね。
私が受けたときと、問題の傾向が変わっているように思います。
私の「言語通級教育士」試験のパクリもあるのでは?(爆)
学校教育との連携のあり方に関する問題が複数あるのは、素敵です。

***

午後
第69問
小学3年生の男児。 主訴は「読み書きができない」。IQは105。実施すべき検査はどれか。

a.心理教育プロフィール三訂版(Psychoeducational Profile Third Edition)
b.CARS(Childhood Autism Rating Scale)
c.Rapid Automatized Naming Test)
d.単語逆唱課題
e.reading-test

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
「心理教育プロフィール」は自閉性尺度のようですね。CARSもそうです。
c.のRANは、不規則に並んだ文字や絵などを素早く読テストで、読み障害のテストとしては有名。
d.の単語逆唱課題は、「はさみ→みさは」のように音の配列を並べ替える課題。こうした音韻分析の力が文字の読みに影響していることが多いです。
e. reading-testは、文字通り。
すると正解は自明です。


午後
第70問
知的障害児への言語指導で適切なのはどれか。
a.全体発達重視
b.言語表出重視
c.個別指導重視
d.細かいステップ重視
e.親への支援重視
1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
知的障害のある子に限らず、ことばで表現することにこだわる指導がどうしても見られますが。
「ことば」というものをもっと広くとらえなくてはいけませんね。
また、知的障害だから個別指導ばかりが良いとは言えない。様々な経験の中には、集団でのかかわりも含まれるものです。


午後
第71問
小学校5年生の男児。発達性ディスレキシア(発達性読み書き障害)の指導で適切でないのはどれか。
1. 手書き認識可能なワープロソフトを用いる。
2. 筆順を事前に示し、模写する。
3. 学年相応の漢字を練習する。
4. 興味のある分野について読む。
5. 音読して聞かせ、意味内容を把握してから自分で読む。
ヒント
 発達性ディスレキシアのある子への指導で、学年相応の漢字を練習することが間違いとまでは言えないかもしれませんが、子どもの実態に合わせることから出発するのでなく、まず学年相当の内容ありきという判断であれば、不適切と言えます。






午後
第73問
教育との連携で言語聴覚士の適切な役割はどれか。
a.保護者からの依頼で担当児の学校に報告書を送る。
b.担任と保護者と三者で話し合う。
c.就学支援委員会のメンバーとして知り得た内容を保護者に伝える。
d.言語聴覚士の判断で担当児の担任と電話で連絡を取る。
e.教育委員会の依頼で巡回相談をする。
1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
学校の先生や保護者の立場で考えれば、すぐにわかる問題かと。
プライバシーや、職務上知り得た情報の扱いの問題。


午後
第78問 3歳児がカバンを[tabaɴ]と発音したときの誤り方はどれか。
1. 省略
2. 歪み
3. 構音位置の誤り
4. 構音方法の誤り
5. 音節配列の誤り

ヒント
まず、[tabaɴ]と発音したなら、省略や歪みではないです。歪みなら△とか、歪みの記号になるはずです。
カバン→バンカなどのように音節の配列が誤っているわけでもない。
「カ」が「タ」になったのであって、どちらも破裂音です。
弾く音や、摩擦音になっているのではないので、構音方法が誤っているわけでもないです。


午後
第79問 6歳の男児。主訴は「サ行とカ行が言えない」。
 まず行うべき検査はどれか。
a.構音検査
b.純音聴力検査
c.言語発達の検査
d.視知覚認知検査
e.読み書きの検査

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e

ヒント
視知覚に苦手さがあっても、構音には関係ないですね。読み書きができなくても同様。
その子が、視知覚や読み書きにも困難がある場合があるかもしれませんが、まずは主訴の状態がなぜ発生しているのか、その要因を特定することが重要。
聴力による問題なら、サ行、カ行に限らないし、「鼻から抜けるような声」などのことが多いでしょうが、主訴というのは概して、子どもの状態を正確に表現していないことが多いわけです。そこを正確に評価するのが、ことばの教室担当の仕事です。



午後
第88問 小児の吃音への対応について適切なのはどれか。
1. きょうだいで競って話をするように勧める。
2. 吃ったら本人の代わりにすぐに言う。
3. 苦手な言葉の言い換えを推奨する。
4. 構音障害の合併例でも構音訓練を実施しない。
5. 低学年児でも吃音についての正しい理解を促す。

ヒント
吃音のイロハがわかっていれば解ける問題かと。
最後までだまって聞いてあげる、タイムプレッシャーを与えない、が基本。
吃音と構音障害が合併している場合で、相互に影響していると判断される場合には、構音練習をすることもありです。ただし、慎重な判断と、適切な指導が必要でしょうが。


午後
第92問
前言語期の難聴児のコミュニケーション指導について適切でないのはどれか。
1. 子どもの発声に呼応する。
2. 子どもとの相互的な関係を成立させる。
3. 母親から子どもを分離して指導を行う。
4. 情動レベルのコミュニケーションを重視する。
5. 身振りや表情を豊かにする。
ヒント
ヒントは不要ですね。非言語的、情動的、相互的なコミュニケーションはとても大事。


午後
第96問
教育機関での聴覚障害者に対する情報保障の方法として適切でないのはどれか。
1. 手話通訳
2. FM補聴器
3. ノートテイク
4. CROS補聴器
5. 赤外線補聴援助システム

ヒント
CROS補聴器というのは、一側性難聴に適用される補聴器のことなのですね。しりませんでした。片側性の場合は、教育的には難聴の判断ができないのですが、本人にとっては、音源定位なども含めて、実は結構聞き取りにくいものです。
だから、座席の位置を工夫するなどの対応が必要になります。
でも専用の補聴器まで必要になるか・・・、購入には自己負担になるでしょうね。現実的、教育的とは言い難いのでは。


午後
第99問
人工内耳について正しいのはどれか。
a.電極の先端で高周波数情報を伝える。
b.定期的な電池入れ替え手術が必要である。
c.FM補聴システムを併用することができる。
d.コード化法の進歩で聞き取りの成績が向上してきた。
e.体外器の種類は箱形と耳かけ型、挿耳型の3つである。

1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e

ヒント
最近は、人工内耳の性能もよくなって、地域の学校で学ぶ子が増えてきました。難聴・言語担当としては、人工内耳の基礎知識は持っていなければなりません。一度、どんなものか、図や実物で確かめておけば、解ける問題です。
bのように電池を替えるたびに手術が必要だとしたら、こんなに不便な機械はないですね。
箱形なんて、人工内耳でなくても、見たことないですね。
昔は地域のおじいちゃんが箱形を持っていて、耳につなげていたのを覚えていますが。

***

新しい先生に対して、「話し合う」研修も大事かもしれませんが、その前に基礎知識を学ぶ場がなければならないのでは?
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第16回言語聴覚士国家試験

(知識が全てではないが、支援の方向性を大きく誤らないために、知識は必要である。よく、今正しいと思われることも、将来は変わるかもしれないから、知識は絶対ではないという議論を聞く。しかし、今考えられる最善の方向をめざすのが支援者の務めではないか。)

第16回言語聴覚士国家試験 昨日だったようですね。


解答速報はこれから出てくると思いますが、
今年も、小児領域からも出題されたことでしょう。

以下は、第15回言語聴覚士国家試験の過去問から、
小児分野や、LDの指導のための神経心理学的の知見として必要な内容の一部をピックアップしてみました。

ことばの教室担当教員の皆様、チャレンジしてみては。
見てわかるように、専門学校で勉強しなくても、日常の教室での研修、経験の長い先生のスーパーバイズを受けながらでも十分勉強できる内容ばかりです。

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第32問

WISC-Ⅳ知能検査の下位検査でないのはどれか。
1. 知識
2. 符号
3. 数唱
4. 迷路
5. 理解

ヒント
WISC-4を見たことのある人ならすぐにわかります。
3にはあったけど、4ではなくなったのは、検査の信頼性に問題があるからです。
だから、3で検査を行うときは、3の弱点をしっかり理解した上での活用が望まれます。


第57問


失語症の書字能力について正しいのはどれか。
1. 非利き手でも評価できる。
2. 書き取りができれば書称はできる。
3. 漢字が書ければ平仮名は書ける。
4. アラビア数字が書ければ漢数字は書ける。
5. 自分の氏名と住所が書ければ失書はない。


ヒント
聞いた言葉を文字に書けても、目の前の物の名前を想起して書けるかどうかは別問題。
3、4は論外。5は、内容や入力方法によって書けない、書けるがあるかもしれないので、氏名住所が書ければ問題ない、ということにはなりません。
「会話できれば、言語発達に問題はない」というのと同じ誤りですね。


第68問


誤っているのはどれか。
1. LCスケール  ーー  形容詞の理解
2. 絵画語い発達検査  ーー  聴理解
3. 〈S-S法〉言語発達遅滞検査  ーー  単語の読み
4. 標準抽象語理解力検査  ーー  読解
5. 小学生の読み書きスクリーニング検査  ーー  1文字の読み

ヒント
S-S法を私は、試案の検査しか実物を見たことがありませんが、検査の主旨がわかっていれば、S-S法に文字の読み書き課題が含まれないことから、すぐに正解がわかりました。


第73問


5歳の女児。言語理解は単語レベルで、事物名称と人名は理解可能。動作語と大小・色名は理解不可。指導する2語連鎖で適切なのはどれか。

1. 対象+動作(みかんを食べる)
2. 動作主+動作(男の子が洗う)
3. 大小+事物(大きい車)
4. 色名+事物(赤い車)
5. 所有者+事物(女の子の車)


ヒント
わからない単語を使って、しかも2語文連鎖の指導というのは、ハードルが高すぎますね。
指導のねらいは焦点化しなければなりません。語いの指導なのか、統語の指導なのか。


第74問


前言語期の言語発達障害児の保護者への助言で適切なのはどれか。
a.登園カバンを見せて行き先を予告する。
b.牛乳パックを見せて子どもにコップを取ってこさせる。
c.色名の理解を促す。
d.成人語音声の模倣を促す。
e.身振りの理解と表現を促す。

1. a、b、c
2. a、b、e
3. a、d、e
4. b、c、d
5. c、d、e


ヒント
前言語期というのは、有意味語(一語文)が出てくる前の段階ですから、色名の理解はレベルが高すぎです。成人音声の模倣をさせるのも無意味。


第80問


側音化構音の訓練に用いられるのはどれか。
a.鼻息鏡
b.バイトブロック
c.外鼻孔の閉鎖
d.語音弁別訓練
e.舌の脱力訓練

1. a、b
2. a、e
3. b、c
4. c、d
5. d、e

ヒント
これは、ことばの教室の先生には、比較的やさしい問題かと思います。バイトブロックや外鼻孔の閉鎖の意味がわからなくても。
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難病、障害と就労、特別支援教育



「同じ難病であっても、一人一人みんな違う」

歩行に若干の制限はあるが、コピー機まで歩いて行ける。
でも、動線に電源コードが横たわっているので、足をひっかける恐れが。
担当者と話し合い、電源コードは付け替えて、動線から除去できることに。

そこで働けるかどうか、実際に動いてみて確かめる作業により、
できることとできないことが明確になります。

このことにより、障害だから、難病だからできない、ではなくて、
むしろできることが明確になる。
それは職場にとっても本人にとってもすばらしいこと。

特別支援教育も全く同じ発想。

先日、「言語障害特別支援学級の備品、消耗品は、どんなものを依頼したらいいのでしょうか?」
という質問が、他校から来ました。
年に1回は、この手のご質問を頂きます。
確かに、それぞれの障害に必要な備品というのもありますし、教室開設時に買わないと、高額な物はほぼ二度と買えない、というのが、学校の仕組みなのです。
だから一般的なリストは作ります。

が、一番必要なものは、その学級に就学予定の子の担任の先生にうかがえば?ということなのでした。

そして一般的な物品をリストアップしても、それを使える先生が赴任するのか、それが一番の問題だったりします。

鼻息鏡を買っても、使えなければゴミと同じ・・・。




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新しい社会適応尺度

新しい社会適応尺度

物が来たので、マニュアルを眺めました。
どんな質問がかかれているかよりも、どんな考え方でこの検査が作られているか、信頼性、妥当性はどうか、にまず注目します。そこが一番大事なので。

・S-M社会生活能力検査との相関係数が非常に高い。
・S-M・・・は、30年前のものなので、時代に合わなくなっている。
・ただし適用年齢の違いから、3歳まで(未満?)は、S-Mが適用になる。
・信頼性、妥当性について、かなり詳しい検討がされている。
・知能と社会生活スキルとの関連。(知的に低くても、年齢が高くても習得し続けるという主旨)
・WISCなどの心理検査との関係。
などなど。

質問を軽く眺めると、具体的でわかりやすいので、数値を出すだけでなく、支援の手だてに結びつきやすいですね。年齢の高い子では、本人と話し合う手がかりにも。

社会性、コミュニケーションに困り感のある子に。


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タブレットもいいけど、児童図書も 地方財政措置



タブレットもいいけど、児童図書も 地方財政措置
私の生まれた頃のうん十年前の児童図書、私が小学生の時に使った百科事典など、まだまだ陳列。
子ども一人当たりの図書数は全国平均だけど、内容は学校図書としてはお粗末です。
それでも、最近学校図書に配分される予算が増え、数百冊ずつ更新中。
でも全部更新にはあと20年はかかるでしょう。
それに、学校図書司書教諭が配置されているでもなく、更新時事務が過重な負担に。
学校図書の専門家によると、平均8000冊の学校図書は、10年で更新すること、図書室は複数学級の児童が入れるスペースがあり、閉架書庫を格納できる部屋もあること。
これが、望まれる姿だそうです。
うちの学校には図書室さえなく、各学年の空きスペースに、本がばらまかれています。
一元管理ができないので、必要な図書の選定も難しい。
どうしてこんな校舎の造りにしたの?と問いたくなります。
おまけに、図書費は地方財政措置なので、自治体で違う目的に流用可能。
これが図書整備の遅れに拍車をかけてきました。
先進国の中で、学校教育費の割合が少ない日本。
改善の兆しは見えたものの、ネット検索だけでなく、実物でページをめくってということも大切にしたいものです。
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田中ビネー知能検査ⅤのIQとWISCーⅢのIQとの比較

田中ビネー知能検査ⅤのIQとWISCーⅢのIQとの比較

田中ビネーの方が高く出ると言われますが、IQによっても、その差の出方は異なるということ。
なおのこと、測定誤差を考慮するのは大事。
幅を持って解釈すること。

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シリーズ 難病と向き合う 第1回 どう支える 難病医療

シリーズ 難病と向き合う 第1回 どう支える 難病医療
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2014-02/10.html

ただいま放送中の夜8時~は、第2回です。
第1回の再放送は来週月曜日です。
私も見逃したので、録画予約しました。

就学相談を受けていても、難病、先天的な病気のお子様とお会いすることも少なくありません。
福祉サービスぎりぎり対象外で、自己負担でお子さんの生活向上に努めておられるご家族の方も少なくありません。

私の病気は、もちろん福祉の対象外です。
私の自己負担はスマホ定額ぐらいの薬代+診察代程度なのでいいのですが。


難病に光が当たり始めたのはよかったです。
負担の公平性など、なかなか難しい問題ではありますが、少しでも良い方向に行くことを願います。

まずは一般の方の理解が。

就労について、職場に対して
「病人への配慮」
ではなく、
「お互い様の配慮」
という当たり前のこと、

ということばに強くうなずきました。


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発音が全体的に不明瞭な場合


おもいつくだけでも、

・聴覚的な語音認知が弱い場合
・発語器官に機能的、または器質的な弱さがある場合 鼻咽腔閉鎖機能、舌小帯、歯列、アデノイド、咀嚼・嚥下等も含めて。呼気圧が低くて、子音が聞き取りづらい背景に、姿勢や全身の筋力の問題があるこも。
・聴覚障害や、自閉症等に伴う場合
・心理的な課題がある場合 
・構音障害や吃音等があって、早口で回避しようとする場合
・脳の各レベルの問題
・そのほか

いろいろな仮説から、各情報をもとに除外していきます。
子どもの困り感に応えるために、見つけていくことが大事。
もちろん、はっきりしない場合もありますが。

「全体的に不明瞭」という主訴であっても、検査すると特定の音の歪みだったりすることも少なくありません。

ある程度見えてきたら、経過観察か、通級による支援が必要か、また、指導の優先順位を検討します。
単にお口の筋力をトレーニングすればよいという話ではないです。


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言語聴覚士国家試験 現職救済

 「ya先生は、どうやって言語聴覚士の資格を取ったのですか?」
「ya先生は、どうやって学校教育に入り込めたのですか?」

というご質問をときおり頂きます。

中には「資格を持っているというのはウソでは? 学校の先生が取得できるはずがない」
という方まで・・・。

なので、「証拠」を写真に載せました。
坂口さんが、厚生労働大臣の時です。
鑑もなにもつかずに、クリアファイルに入れて封筒で、書留で送られてきました。

言語聴覚士法が施行されたとき、「現職救済」の規定があったのです。
つまり、法施行後5年間のみ、現職でことばの教室などの言語聴覚療法を行っている人は、指定のスクーリングを受ければ、国家試験を受けられる、という規定でした。
(今はもうありません)

私は言語聴覚士としてではなく、あくまでも公立学校教員として雇用されています。
採用試験は学校教員です。

今から専門学校に行って、資格を取ろうかなと思っておられる学校の先生もおられますが・・・。
資格を持っていても、どうかなという方もいますし、持っていなくても、すばらしい先生もたくさんおられます。
資格をとれば信頼されるとか、そういう話ではないですね。
2年間休職して、専門学校に通うよりも、現職で研修を積み上げた方が、はるかに勉強になるのでは。

私の場合、資格を持っているから、いろいろなことができる、のではなく、資格を取るまでの自学自習と経験が今に生きている、ということです。

土日も図書館で自習、各種講演の参加、ウォーキングしながら講習の録音を聞く、ノートを作る、など色々やりました。
独身の時だからできたというのもありますが。

一方、「心理職」の国家資格の制定にあたっても、「現職救済」の規定が盛り込まれるのでは、という話がありますが、どうなっていくのでしょう。各種検査ができる人が学校現場に居てくれないと困ります。
「特別支援教育士」の資格を持っている人は・・・、というようになるといいのですが。
資格を持った人が検査を正式にできる、という方向性は、上記の主旨にかかわらず、大事なことになっていくだろうなと。

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高校の特別支援教育

思ったより進んでいるようです。
お話をうかがっていて、先入観が完全にくずれました。
公立だからこそ。
遠くの高校まで行かなくても、地元の高校で特別支援教育が受けられるという選択肢が増えるといいですね。
高校への特別支援学級設置の試みも始まるようですし。

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ワハハハ、ウヒャヒャヒャー、ああ楽しい。



笑いが止まらない。
楽しい。
楽しい。
「笑顔がエビデンス!」

まさかこんな日が来るなんてね。
その時は思いもしなかった。
信じ続けて良かった。
少しずつ。少しずつ。
ほめて、ほめて、ちょっと背中を押して、またほめて。

そして「甘やかし」という不理解と戦い。
大人のペースに合わせるな。
子どものペースに合わせよ!


実質、6年間のつきあいだもの。
学級担任には味わえない。
長い目で見つめ続けられる通級担当。

卒業式は涙で直視できなさそう。
放送室で隠れて泣いています。

人は変わり得る存在。
長い目で見つめること。




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要支援児が増えたのか、「精度」があがったのか

前任校での会議に出席しました。
相変わらず、立派な校舎で、10年の月日を感じさせない堅牢でおしゃれなデザイン。
職員はあれから全て入れ替わりましたが。
ある学年の教室を通りかかると、空き教室が。
学級減です。
にぎわいが、かつてとは明らかに違う。
10年前と比べて、新1年生の数も半分ぐらいになるのでは。
でも、通級児童数は、増減はあるものの、私がいた時代と揺れ幅は変わらないようです。
支援の必要な児童が相対的に増えたのか。「精度」が上がったのか。
よくなされる議論ですが、どちらにせよ、子どもたちには、幸せになってほしいです。


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LD概論4 エセ科学の排除も課題



「ワーキングメモリを鍛えると、ワーキングメモリが育つ」

「発達チャートを見て、できない部分を練習すれば、発達の偏りが埋まる」

といった疑似科学が跋扈しています。

支援者は、何が疑似科学で、何が科学的で、何が信頼性の高い考え方、検査なのかをよく見極めることが大事ですね。

週の限られた通級時間で、最大の効果を上げるには、エセ科学をしっかりとらえることでしょう。
このこともテーマになるかなと。

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LD概論3 KABC-2の概要

「概論」なので、少し難しくても、概要だけでもやはり説明した方がよいかなと。
『日本LD学会 会報第86号(2013.9.1)』に、KABC-2の概要説明が載っています。

標準化された個別の学力検査、しかも標準得点法による知能検査との比較ができる、我が国で初めての検査が加わったという点は、画期的です。
NRTやCRTの長所と限界が示されています。

今後、大学入試まで使える読み書き検査の標準化されたものも出ると聞いているので、見比べてみたいと思います。

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LD概論2 何でも通級で大丈夫か


週1回の指導で、言語発達の遅れも、文字の読み書きもやってくれと、学級担任に頼まれて、できます、と安易に応えることは、実は責任問題だったりします。
何でも通級、の指向性をどう修正するか、難しいですね。

ことばの教室担当者は、学校の中では少数派なので、どうしても多数派の言い分が通ってしまいます。
でもことばの教室担当として、その子を見たときに、優先すべき指導の順位は何か見えているだけに、そのジレンマに悩まされることが多いです。

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LD概論


 今度の任意研究団体の研修会で、LD概論についてお話しします。
 ただ、今回は、なかなか「筆」が進みません。
 なぜか。
 どこに焦点を絞ればよいか、迷っているからです。
 人気のテーマとして選ばれたわけですが、LDの概念をわずか1時間程度の時間に全部説明するのは不可能。
 ましてや、はやりのCHCモデルとか、WISC-4の説明とかになると、新しい先生のための説明としては難しすぎる。
 
 「そもそも知能とは」からやりたいところですが、1週間は必要ですね・・・。

 LDはこう指導しましょう、ではなく、そもそもことばの教室でのLDの指導とはどこまでの可能性と限界があるのか、の説明の方がいいかなと。
 可能性と限界とを見極めないで、期待だけ持たせて実際には・・・、ということがあってはならないでしょう。
 LDの通級妥当の判断、指導過程でのLDの教育的判断は、そんなに簡単ではない、簡単に「ディスレキシア」と言わないで、ということが感じ取れれば良いかと。

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マカトン法など、拡大・代替コミュニケーション

マカトン法について

文字の読み書きの指導は大事だし、基本、学校教育は、文字を媒介とした学習内容なのだから、ちゃんと読み書きできるようにしないとだめだとという主張はわかりますし、ある程度当たっているでしょう。
学校の勉強と言えば、文字の読み書きというイメージが強いですね。
しかし、たとえば、1,2,3歳の子に対して、文字の指導を通常するでしょうか。
しないとすれば、なぜしないのでしょうか。
本人がその意味もわからずに、書字に悪戦苦闘している一方で、別の子は「昨日お母さんとリンゴを食べたんだよ」と、サイン言語やPECSなどで、豊かな会話ができているという実態。
「ことば」というものを音声言語や文字だけではなく、もっと広く、深くとらえなければなりません。
「文字が習得されなければ、学習内容が身につかない」、というのであれば、身につくための別の入力、出力手段を用意すればよいわけです。
それが特別支援教育の考え方でしょう。




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