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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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【研修レポート】自主研修会2日目

今日は7名の参加。特別支援学級担当の先生も集まってくれました。
 
・問題行動へのアプローチには、行動分析的な視点も大事ですが、そのような行動に至った背景、認知発達の土台、心理を理解するということも大事です。両方の視点が大事ですね。認知も行動も大事です。社会ルールの獲得のためには、その前提として、遊びや身近な日常生活の中でルールの意味や意義を理解していき、それが社会という大きな枠組みの理解につながるわけです。その土台を抜きにして、世の中に出たら通用しない、というアプローチはなかなか染みないかもしれません。
 
・感情の起伏が激しいお子さんの場合、1)感情のコントロールが難しい、2)出来事や人に対して、誤解や一場面を切り取った理解などから被害的な解釈となりやすい。と言った観点も必要ですし、実は睡眠障害、摂食障害がないかどうかを見た上で、うつ病などの精神疾患という観点でも気をつけてみる必要が学校の先生にもあるように思います。食欲が減退し、眠れず、午前調子が悪くて午後から良くなるという日内変動があるのは、うつ病の典型例ですが、それ以外に、その形に当てはまらない「非定型うつ病」もあります。食欲は普通だけど、非常に他罰的だったり、ことばが鋭かったりするが、好きなことをしていると調子がよい、というように。子どもなので、発達とともに克服していく場合もありますから、すぐにお薬とはならない場合も多いかと思われますが、ケースバイケースでしょうし、それらの判断も含めて、医療の支援が必要な場合があるように思います。

・通常学級か、特別支援学級かの就学の判断は、子どもの心情の内側からの理解にその答えがあるのでしょう。線を引いて、ここからが特別支援学級ということでなく。もちろん国が定めている「線」は存在しています(学校教育法施行令、施行規則、就学指導資料、就学指導資料(補遺)など)が、ケースバイケースです。予想される事態の客観的な評価も大事ですが、子どもがどう感じるかが一番大事ですね。
 
・通級時のコミュニケーションの指導をどのように通常学級での生活に般化するかは、他児の協力、その協力の知恵を学級全体で共有する、ということともタイアップさせながら進めることが大切なのでしょうね。
 
・吃音の指導では、かつては環境調整をすることが主で、症状へ直接アプローチするのはよくないとされていましたが、「通ったのに、吃音の話がなにもないまま終わってしまった」という当事者の声があるように、実は症状について話し合ったり、場合によっては「楽にどもる」練習が必要な場合もあります。どのような指導をどのように組むかは、子ども理解の中に答えはあるので、そのための手段を先にしてはいけないのでしょうね。それはどの障害種でも同じです。
 
※ケース会議でよく、「他の教室ではどのように指導していますか?」という質問が出ますが、ケース会議では話題となっている子に絞らないと、子ども理解が抜けて、手段先行の発想に陥ることになるのでしょう。
 
※レポートの様式は、予め指定した様式で書いてきてくれた方は、必要な観点が漏れなく入っていますが、オリジナルだとやはり情報が抜けてしまいます。研究の歴史や最新の研究に基づく多角的な観点でまとめることで、まとめること自体が子ども理解につながる、ということです。 たとえば、学級担任からの情報といっても、そこにはいくつかの必要な観点が存在します。漠然と情報収集すればよいわけではありません。

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【研修レポート】自主研修会 1日目

6名の参加でした。小学校の先生のほか、幼児ことばの教室のSTの参加も頂きました。
 
 
 
1 以前に比べると、学級担任の先生からの情報収集がなされるようになってきたのは、参加者の前向きな姿勢の現れと思います。さらに「支援を必要としている」とか「友達とはうまくいっている(いっていない)」という情報があった場合は、もう少し掘り下げた情報があると良いのでしょう。
 
 「支援を必要としている」というのは、どんなことに対して、だれが、どのようにという情報が不可欠ですし、友達とは、特に休み時間に何をどのように遊んでいるのか、一見仲良く遊んでいるように見えて、ということもあります。
 
指導に生かすためには、あるいは通級妥当の判断をするためには、より具体的な情報が必要でしょう。
 
 学級担任からは、どのような情報を収集したら良いかという質問を頂きました。また、通級担当からは医療機関にどのような情報を提供したら良いかという質問も頂きました。実はこの2つとも、答えは同じなのかなと思っています。
 
 つまり、学習面、コミュニケーション面、行動面、情緒面、運動面、基本的生活習慣、得意なこと、苦手なこと、現在の校内支援体制など。
 
 そして、医療的診断や、教育的判断のためには、生育歴情報や相談歴、療育歴、各種検査情報も必要になります。生育歴をたどらずに、今の状態像だけで「自閉症」「LD」などと判断するのは極めて危険です。レッテル貼りの最たるものですね。
 
  
2 教育相談の進め方も話題になりました。検査は、どのようなものを使ったらよいかなど。標準化されていても、いなくても、検査結果は、日常の学級担任等の情報と付け合わせて解釈しなければならず、その検査だけで判断してはいけない、ということを改めて確認できたように思います。標準化していないならなおさらです。
 
 どうも、保護者面接や検査時の様子だけで判断してしまう風潮がまだ残っているように思います。当教室では、教育相談までの情報収集を大切にしています。一回会っただけではわからないことがたくさんあります。情報は指導に直結出来るような内容でなければなりません。
 
 そして、検査結果の数値自体の読み方も正確さが必要です。PVT-Rの評価点は、6と5とでは変わりはありません。上がった下がったの関係ではない。統計的に差があるわけではないです。1標準偏差は3ですから、WISC―3の評価点の見方と同じですね。
  
 
 
3 「会話のずれ」というのは、どのように生じているのか、文法的にか、意味的にか、音韻的にか、語用論的にか、ソーシャルスキル的にか、情緒的にか、人間関係的にか、などなどを理解するために、具体的な会話の内容の情報があると良い。
  
 
4 他の障害を合わせ有する言語障害のあるお子さんへの支援をどうしたらよいか、非常に難しい問題です。簡単に答えは出ませんね。やはりその子の生活全体を理解した上で、困り感を受け止めた上で、優先順位を決めるしかないのでしょう。


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【勤務対応】「自主研修会」の取り組みへの逆風

この冬休みも、3回にわたって自主研修会を開くことになりました。
そのうち2回はいつものケース会議で、あとの1回は、ある事例を元に、
問題の仮説の設定から、指導仮説、教材作成までの一連の流れを実習するスタイルにしました。
「指導方法、教材を紹介して欲しい」という要望を受けてのことですが、
「子ども理解なくして、指導なし」という理念のもと、あくまでも子ども理解をベースにして、
子ども理解に基づく教材作成のあり方を学ぶことこそ重要と考えたのでした。
 
ところで、昨今の会計検査院の指摘により、管理職も勤務対応を厳しくしており、
今回の自主研修会の案内についても、「個人で開催する研修会への参加を研修扱いにできない」
とした学校や、勤務対応について他の学校はどうなっているか、
問い合わせの電話も頂きました。
 
ちょっと教育行政、やり過ぎですよ、と言いたくなります。
長期休業中の校外研修は、法律が認めているところですし、教育公務員は、絶えず
研究と修養に努めなければならないという法律の理念に逆行しているのでは、と思います。
 
通級担当の専門性を保障する教員免許制度を国がまだ整備していない現状の中で、
現場の先生が手弁当で学んで、少しでも専門性を高め、子どもたちのために、
とがんばっているのに、これに対してブレーキをかける方策をとっているわけです。
 
なんとも言えませんね。
 
ただ、時代の流れに合わせることも必要なのだろうなと。
いよいよ組織を立ち上げるか、既存の組織内に位置づけるか、選択を迫られています。
 
頭数はそろっています。
発起人の募集、会則の策定、行政との設立交渉など、色々考えています。
 

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【研修レポート】特別支援教育士養成セミナー「指導実習」にならった事例検討会 

子どもやその周辺についての豊富なアセスメント情報をもとに、
「問題の仮説」(総合的判断)と、
「指導仮説」(支援の方針)を設定し、
個別の指導計画の策定、
そして実際に教材までつくってしまうという、
この上なく実践的な研修会を昨年に引き続き、開かせていただきました。

問題の仮説と指導仮説では、
いずれの班も正確に捉えていました。

個別の指導計画の策定では、時間がたりませんでしたが、
私が感動した、ある班の発表
「ソーシャルスキルを教えて身につけさせることはできるだろうが、
他者への関心がないのに、技術だけ身につけることが、
この子のためになるのだろうか」

事例の本質をよくとらえている発表で、感動しました。

そして、教材作成。




あらかじめ持ってきていただいた自作教材の一つです。
デザインがとてもきれいで、まるで、市販品のようです。

止まったマスの数字のカードをゲットできるそうです。
書かれている数字の足し算で勝敗を決めても良いし、
子どもによってルールを変えられるとのことです。

DSCF1938.jpg











それを、
発表事例用にアレンジしてくさだったのが、このすごろくです。


DSCF1935.jpg












たたいてかぶってジャンケンポンです。
ディフェンス側は、子どもの好きなキャラクターのかぶりものです。


DSCF1937.jpg















そしてこの教材。「なまえぴったん」


DSCF1931.jpg












ひらがなカードを一枚ずつ引きながら組み合わせて、人の名前を作ったらポイント。
レアカード、ナビィカードで変化をつけているところがにくらしい。
また、遊び方のバリエーション、レベルアップも多段階で考えているようです。

教材作成の観点である、
「指導目標の一致度」、「意欲・関心度」、「理解度」、「発展性」
の全てにおいて、私は今回ピカイチ賞と思いました。

なんと言っても、このゲームで実際に遊んだ班のメンバーが、
終わったら飲みに行こうかというぐらい、打ち解けたそうです。
遊びは大人の人間関係も変えていきますね。

やっぱり遊びは大事だなあと。

感想アンケートを見ると、時間がたりなかった、もっと基本的な内容も、
という意見もありましたが、ほぼ大好評だったようです。
なかには、「心が何度もしびれました」などという感想もあり、
こちらもしびれました。

参加者の皆さん、ありがとうございました。

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【研修報告】自主研修会PART5 3日

最終日の今日は、6名の参加でした。
会議室はヒンヤリしていて、冷房のある学校はうらやましいなと思ったら、北向きなので天然なのだそうです。一日快適に研修できました。


通級妥当の判断や、その後の指導のために、
1)行動観察や検査の情報
2)学級級担任などの情報
3)生育歴など、就学前までの育ちの経過の情報
これらがそろっている必要があること。
つまり、今現在の情報だけで、手立てを考えることはできないし、できたとしても羅針盤がない思いつきになってしまいます。
就学指導委員会の就学判定時の情報が現場まで届く手立てが必要です。


専門用語を活用した正確なレポートを拝見しました。
レポートは、この姿をめざしたいものです。


発音や吃音の指導に入る前に、ラポートを形成し、ある程度自発語がふえてからでないと難しい。また、予後自然改善の可能性を専門的に検討する必要があります。

4 
「読む、書く」の前に、「聞く、話す」を。
教科の補充指導もいいけれど、自立活動の保障を。

***

これで自主研修会が終わりました。
3日目になるとさすがに疲れが出ましたが、達成感もあります。


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【研修報告】自主研修会PART5 2日目

今日は、車で2時間のところに行ってきました。
私に相談したいとお声のあった方は、そういえばこの地域にお住まいの方でした。
そのことに前日になって気づき、声をかけたところ、お仲間を連れていらっしゃったのでした。
延べ11名のご参加でした。

今日は全てケースレポートの検討でした。

各レポートを検討しながら、
構音では、
選別検査と掘り下げ検査との違いについての説明、
鼻咽腔構音と、開鼻声との違いについて、偶然持参したサンプル音声を用いての説明、
あるケースでは、口腔機能訓練、弁別、ワーキングメモリなどのどれが優先順位なのか、など。
「弁別」は、単に正誤弁別だけでなく、いろいろあることをお話させていただきました。

コミュニケーションでは、
生育歴をもっと掘り下げて情報収集したり、検討すべき話や、
発達検査の解釈の仕方、
検査結果の生かし方についての基本的なポリシー(つまり、値が低いからそれを底上げするということでなく、日常困った部分に、長所をどう活用するかという観点)、

感覚・運動面では、
視機能と視知覚とは全く別のものであること、
運動面のぎこちなさの前に、感覚の育ちが重要であること
発語器官の運動面と、身体全体の運動面とを比較検討すること、
衝動性との関連でも検討すること、などのお話。


そして、構音だけでなく、背景情報から、発達の遅れなどの状況をよく理解することの大切さをお話させていただきました。

すばらしかったのは、あるケースについて、幼児、小学校、中学校の先生が一堂に会したこと。
初めてこの場で詳しい話し合いができたようで、地域の縦の連携に貢献できたことは、思わぬ収穫でした。


明日は今日とは正反対の方向に2時間30分から3時間離れたところに行きます。
地域のブロック研修にお邪魔する形になりました。

***

「施設使用許可願いは、会長印が望ましい」と言われました。
個人名で個人の印鑑ではだめなのですね。
でも、まだ組織ができていないので、「会長」も何も役職はないのです。

組織化について、私の胸の内で一気に火が付きました。

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【研修報告】自主研修会PART5 初日

今日は、自分の学校で自主研修会を開き、9名の方が集まりました。
通級担当以外の先生も何人か見えました。

「管理職に職員派遣依頼は書いてくれないのか」
とか、
「会場使用許可願いはないのか」
と言ったクレームを何人かの管理職の方からいただきました。

ごめんなさい、必要な書類は今後出します。
でも、そんなことは、かつてはほとんど言われたことがありません。

教員は余計な事務仕事をする時間があったら、教材の一つでも作ったり、研修内容そのものに時間があてられるようにすべきだとは思うのですが・・・。
教員の余計な仕事は縮減して、子どもと向き合う時間を、と一方ではスローガンを掲げていますが、一方では費用対効果を証明する文書の整備を求められ・・・。

それはさておき、研修内容はケースレポート検討でした。

事前に配布した記載例を参考にして、皆さん書いてくれました。
記載例にない内容については、参加者から質問が出るなど、多視点で子どもを理解するということが浸透してきているという実感を持ちました。
たとえば、
「家族構成」
その子がどのような家庭環境であるかを理解することは、子ども理解のために重要ですし、支援策を家族と一緒に考えるときにも必要な情報になります。


一つわからなかったのが、
「自己理解を進めると、自己肯定感が下がる」
という意見。

確かに、子どもの苦手なところをとりあげて、「そこが悪いのよ」という価値観のお仕着せをするならあり得るかもしれませんが・・・。

基本的には、
・神経質→細かいところによく気づく
・仲間に入ろうとしない→客観的に人を見つめられる
・おとなしい→思慮深い
・さわがしい→ムードメーカーになりえる

つまり、短所と長所は表裏の関係なわけです。
良いか悪いかという価値付けが自己理解ではないのでは?

これは、支援者側の「障害観」を直接問われるのだと思います。
「治す」
というより
「変容する」
なのでは。

エネルギーを出させなくするのではなくて、そのエネルギーを利用して、社会適応に変容させる、ということだと思うのです。


もう一つ。
恐怖に感じやすい対象を
「少しずつ慣れさせる」
とか、
「論理療法で感じ方を変える」
だとかも、ちょっとわかりませんでした。

「少しずつ慣れさせる」
確かに必要なこともありますが、
大人になっても、「それ」への恐怖を「なくす」ことが必要なことか・・・。

たとえば、運動会のピストルの音を
少しずつ慣れさせる指導が果たして必要か。
成人してから、ピストルの音を人生で何回聞くのでしょう。
まあ、将来、「ドンパチやる職業」に就くなら別ですが・・・。

私は小学生の頃、花火が怖くて仕方ありませんでした。
「ほら、怖くない、怖くない。見てご覧。きれいでしょ」

余計なお世話でした。
怖い物は怖い。見たらもっと怖いのです。

期限を区切って、子どもの内面を変えるという風に考えない方がいいような気がしています。
怖いけど、行動がこう変わったというならわかります。
変わるとしても、少しずつ、子どものペースで変わっていく、慣れていくのであって、
大人の側が、慣れろ、慣れろとやっても、慣れないものは、慣れない、のでは?

想像力が弱い子が、新しい課題に尻込みするなど、説明と見通しを持たせることは有効な指導ですが、本能的に怖い、という内容のものについては・・・。

「論理療法」
も、ある程度知的な高さが必要でしょうし、いくら理屈を並べられても、本能的に怖い物は怖い、のでは。


でも、子ども達のためにいろいろ試行錯誤されている先生方の姿が見えてきて、本当は感動していました。


ケース検討終了後、個人的な相談、というより構音検査のやり方についてのミニ講義をしました。
初めは一人の先生向けだったのですが、他にも参加したいという方がいらして、結局半数の方が最後まで聞いてくださいました。

本当は、1年、2年かけて研修することをわずか30分にまとめて、となりましたが、先生方の研修意欲には頭が下がる思いでした。


参加者の皆さんはどんな思いだったか、フィードバックする仕組みが必要に思いました。

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自主研修会 大好評

今夏の長期休業中の「自主研修会」を呼びかけたところ、述べ20名、3日間に分けての実施の運びとなりました。

始めた頃の2倍の人数です。

研修は、ケース会議を積むだけでは、土台から崩れてしまう
(平たく言うと、我流に流される危険がある)し、
基礎知識の研修だけでは、臨床への般化が難しい。

両方を有機的に融合し、他職種に学んだ研修体制の構築が必要なのだと思っています。

理論と実践と、OJT。

自主研修会は、他地域でも試みられるようで、将来的には連携なども考えられるかもしれません。

個人的な取り組みが障壁になるなら、いっそ組織化しようとも考えています。

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【研修案内】今年もやります。「自主研修会PART5」手弁当で研修

自主研修会PART5 開催要項

2011年6月15日

「自主研修会」設立準備事務局
 

 一昨年から始めた「自主研修会」も5回目を迎えました。手弁当で集まる参加者の親睦を深め、力量を高めるため、お役に立っているという実感があります。夏季休業中のため、ゆったりとした気分で研修できます。是非ご参加ください。


1 主旨 
(1)ことばの教室、通級指導教室の新しい担当の先生を含め、研究協議などを行うことで、地域の言語障害教育、通級指導の教育の質の向上を図る。
(2)通級担当以外の関心のある方とも交流を深め、特別支援教育における地域の連携に寄与する。


2 対象 ことばの教室担当者、及び関心のある方


3 日時 2011年7月26日(火)、27日(水)、8月17日(水)、18日(木)のいずれか。
10:00~15:00(予定)


4 場所 ・yaの勤務校
      ・または3名以上集まれる管内の希望の場所


5 内容 ケースレポート検討(事例レポートの提出は任意。レポートがない場合は、学級通信や教材など、話題として何か一品お持ち下さい)


6 会費 無料


7 定員 最低開催人数3名、最高10名(3名以上集まれば、ya 自ら出張します)


8 用意する物  ○A4サイズの簡単なケースレポート(任意)1枚×人数分 
          ※レポートは別紙様式を参考にし、書ける範囲で書いて下さい。 
           ○食物(昼食、お茶菓子も含め、各自ご用意ください)
          
※ 謝礼などのお気遣いは、一切必要ありません。


9 申し込み方法  別紙に記入し、7月13日(水)までに提出ください。


10 その他  日時、場所の決定後などに改めて開催要項の作成が必要な学校等があれば、お気軽にご相談ください。


11 主催者  ya(某小学校ことばの教室教諭)
         (「自主研修会」(仮称)設立準備事務局)  


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【研修報告】「教育研修センター講座 言語障害教育Ⅰ」(2011.5.9)

 ことばの教室担当の先生方を主な対象とした講座「言語障害教育Ⅰ」が開かれ、講師を含め19名の参加がありました。

 講師は、私を含め3名でした。

 講座「読み書きの評価と指導」では、「短期記憶」や「ワーキングメモリ」、「文脈の理解」、「選択的注意」など、読み書き困難の背景にある能力について、疑似体験を交えながら説明、一人一人の違いを丁寧に見取ることの大切さを強調していました。
 
 講座「構音障害の評価と指導」では、構音障害やの構音の仕組みを細かく説明し、ロングエスに代わる新しい発音記号など、最近の動向についても触れました。
 
 午後は事例交流が3班に分かれて開かれ、「学級担任からの情報収集」の大切さなどが話題にあがりました。
 

 今回の講座の応用編として位置づけている講座「言語障害教育Ⅱ」が、8月24日(水)に開かれます。講師は同じ3名です。ある事例について、子ども理解、問題の仮説、指導仮説、個別の指導計画や自主教材作成までを各班で話し合いながら進める実習版です。関心のある方、都合のつく方の多数の参加をセンター、及び講師陣は期待しています。
 
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この記事は、当言語障害教育団体の記事を先取りして掲載したものです。

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ケース会議こそ研修の王道。

明日は道研究組織主催のケース会議にお呼ばれしています。事例8本はいずれも私が会ったことがないこどもたち。限られた情報だけで判断し、コメントしなければなりません。責任を感じます。大したことは言えないので、お土産を一杯持っていくことにします。DVDに詰めて。一杯持っていけば一つぐらいヒットするかな?と。でも当てずっぽうではありませんが。
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「○○障害(症状)にはこの指導」というコンビニ的発想をどう克服するか・・・自主研修会 PART4 の2回目

今日も冬休み中の自主研修会ということで、
7名の方が自主的に集まってくれました。
前回と合わせて延べ13名の方に来て頂いたことになり、
既存の研究団体の3分の1から半分程度にまで拡大しました。

悪路の中、2時間以上もかけて自家用車でいらした先生もいましたが、
「この会が役に立っている」との声も頂き、やって良かったと思える瞬間でした。

以下、次回に生かすための反省点

よかった点

1 
参加者の質問に、本質を突くものが増えてきたこと。
たとえば、構音指導のレポート検討では、
発音以外の背景の情報についてたくさん質問が出ていた。
子どもをトータルに理解する視点が
習慣化されてきている。
また、いつからその症状が始まったか、など生まれてからの経緯を
尋ねる質問も増え、子どもの歴史を縦軸にも理解しようとする
雰囲気が高まってきた。

2 
発音指導のレポート検討で、発音記号とパラトグラムの図
(舌と口蓋とが接触する位置を示す図。たとえば、 これ 
を用いて復習したところ、参加者の反応がよかった。
発音記号で状態像をとらえ、発音記号で指導方法を検討することの
大切さが再確認されたように思う。


場面緘黙のある子どもの指導では、場面緘黙のことを
よくわかっている実践が聞けたこと。


ビデオや録音、各種資料を用いての本格的な発表があったこと。


各教室の実践資料の提供があったこと(1回目)


発達検査のデータについて、数値だけでなく、
検査時の行動観察(ローデータ)の提供もあったこと。


事例以外のお悩みや、各教室の実情などについて、
炉辺談話的に交流があったこと


改善点

1 
「○○障害(症状)には、△△の指導」という、1対1対応のとらえ方が残っている。
事例検討は、その子をよく理解し、その子に合う指導を考えることである。
したがって、どの障害種かということや、状態像だけで、
指導方法を考えるというのは、「事例検討」からはもっとも遠いとらえ方であり、
もっとも慎重でなければならない。

2 
情報の多さではなく、少量でも本当に必要な情報が網羅されることが大切である。
特に在籍学級での様子の情報収集がネックである。
最低限、
・学習成績 ・コミュニケーション、社会性
の情報は必要で、それ以外には、
運動面、日常生活
など、一番長い時間付き合う学級担任の先生から情報を頂くことが重要である。

また一般に、生育歴情報は軽視されることがあるが、
情報の一つとしては大切である。
どういう経緯で今の状態があるのかということの検討なしに、
指導方法を組み立てるのはたいへん危険である。
その際、一語文は何歳何ヶ月という情報だけではなく、
愛着形成の過程や、親の子育ての苦労など、
物語の経緯として子どもを理解しようとすることが必要である。



発達検査の解釈の仕方について、数値だけで判断する傾向。
WISCの各下位検査で、評価点に「1」がたくさんつく場合、
IQなどの各数値は信頼性に乏しく、
ましてやその数値だけで何歳代の発達年齢かを推定することはできない。
その際、周辺情報が重要である。
また、検査のバッテリーを組んでいて、その値が合わない場合、
その理由を詳細に検討する必要がある。
その違いが生じる理由については、検査法の違いを検討することも多いが、
検査を行った時期も重要である。
急に伸びる、とか急に変化する子どももいるからである。

周辺情報へのクリティカルな視点は大切だが、
発達検査にもクリティカルな視点が必要である。

今後の手立てとしては、

1 
必要な情報を漏らさないために、レポートの様式を予め決める。
観点については案内の中で提示しているが、様式も決めておくことで、
情報の漏れを防ぐ必要がある。


事例検討の主旨、進め方について予め周知する必要がある。

***

色々書きましたが、でもこれだけ意欲のある先生がたくさんいる
地域で仕事をさせて頂いているのが、大変幸せに思いました。


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通級担当が手弁当で自主研修会PART4

今回も近隣のことばの教室の先生方が集まって、
事例検討をしました。

飲み物、食べ物は各自持ち込み、ガソリン代も自分もちです。
会場は、お金のかからない学校で。
(昼食は手弁当ではなく、今回はレストランで食事して、
歓談して親睦を深めました)

参加者は事例レポートを持ってきて頂いています。

(「自主」研修会なので、レポートは強制ではないし、
気軽さをモットーにしています)

今回は、参加者集約や手続きを私ではなく、
これまで参加してくれていたメンバーが「自主的に」全部してくれたのでした。
とてもありがたいことです。


今回キーワードになったのは、6年生の中学校への進学に向けて
どんな引継ぎをしていけばいいのか、ということが一つのトピックでした。

中学校への進学に当たっては、
高校受験に全てが結びつくという中学校の雰囲気や、
個別の違いへの対応よりも、集団への帰属が重視されるという
現状にどう対峙していくかが話題になりました。

中学校にはことばの教室がありませんし、
申請しても開設できるかは、ハードルがかなり高いわけです。

対応策としては、引継ぎの方法を工夫するとともに、
進学後、子どもとの連絡の取り合いで予後を追跡すること、
校内リソース(養護教諭や、特別支援学級の先生など)
の配置をどう把握し、つなげられるかがポイントだ、と話し合われました。

中学校に特別支援教育の理念をどう伝えていくかがカギなのでした。

今回私が関わらせて頂いた就学相談でも、来年度中学校への進学の
ケースに多数出会わせて頂きました。
就学指導委員会としての、中学校への通知文書の中では、
子どもの状態像だけではなく、
それらの障害が一般にどういうものなのかという基礎知識や
具体的な対応策の例も盛り込みました。

小学校の先生はやさしい(あるいは甘い)から、そんな支援ができるのだ、
という意見を聞くことがあります。

私も中学校に勤めたことがあるので、
精神的に一番不安定な時期の中学生に対しては、
甘い対応では学校全体が成り立たない、集団規律の徹底を、
という「感覚」はある程度わかります。

そういう「感覚」から小学校の先生は、一般に「甘く」見えるのかもしれません。

ただ、中学校には私の時から既に「学校教育相談」「カウンセリングマインド」
という実践が広がっていました。

個別に懇談して、生徒の気持ちに受容的に接して、解決策を考える、
という設定には、中学生だからできるという部分があります。

***

私の新卒時代。
定期テストでカンニングを疑われたが、否認する中学校生徒に対して、
「先生は疑っているわけではないよ。
だから違っていたら違っていると言って欲しい」と促し、
涙ながらに本当のことを言ってくれたので、
「ありがとう。よく本当のことを言ってくれた。
先生はうれしいよ」と話しました。

そして、カンニングの背景に、「○○点以上とらなかったら、部活を辞めさせる」
と保護者に言われたプレッシャーがあることが明らかになりました。
二度とカンニングはしないと約束したから今回は許して欲しい、と
先生から保護者にお願いすることも約束し、その後の見通しも確認しました。

悪いことを分からせるという対応だけでは、こんな解決はしなかったと思います。

子どもの心情に寄り添うこと、
生徒の行動の背景、経緯を理解すること、
先の見通しを伝えて安心させることや、
出来事の意味を解説してあげる、
具体的な対応方法を確認するなどで、
より効果的な生徒指導になっていくのでは。

それが、意識しなくても、すなわち特別支援教育なのではと思うのです。


場面緘黙の子。
その子だけ特別な配慮というよりも、たとえば、
発言できなくても、起立しただけで「立ってくれてありがとう」
という学級運営方針をどの子にも貫くという対応は、
中学校でもできないだろうかと。

それは、スモールステップで子どもの行動を望ましい方向に、
ということもあるし、
子どものありのままの姿を受けとめるというメッセージにもなると思うのです。


***


ケース検討後、ある方が感想を述べました。
「これでいいのかといつも悩みながらやってきた。
それでいいんだよ、と言われて励まされた思いだ。
子どもに対して、「いいんだよ」といって安心を促すのは、
自分自身にも言える大切なことだと思った」

この感想を伺って、集まって良かったと思えたのでした。


次回は私の学校で1月14日(金)に開きます。
近隣の方で関心のある方はご連絡ください。
1,2名程度なら、まだ参加申し込みOKです。
(私が誰なのか、かなりバレているようですので)


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OJT 「実務の中で仕事を覚える」2

OJT 「実務の中で仕事を覚える」

(この記事の第2弾)



実際に指導を参観し、その様子について協議する、
これが一番の研修、連携だと思っています。

「報告書」ではリアルは伝わらないし、
いくらでも脚色できてしまいます。
つまり、「報告書」だけでは、指導者の主観からどこまでも脱却できません。

指導を見に来て下さって、子どもの反応を含め観察して頂き、
通級指導の妥当性を含め、意見を頂くことが重要だと思っています。

毎年、何人かの学級担任の先生が、実際の指導を
見に来て下さっています。

「指導報告書」には、見に来て下さい、と、先輩は
書いていました。
私もなるべく書けたらと思っています。

指導参観は、関係者との本来の連携にもなるし、
同じ職種の方同士で指導を見せ合えば、
これほど有意義なOJTは他にありません。

その意味で、言語聴覚士臨床実習は、
まさにOJTでした。
子どもの反応は見逃すことがあります。
もう一人のスタッフが見ていてくれていることも多く、
協議で交流することで、子どものことを
さらに正確に理解することができます。

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自主研修会3  支援者の自発的意思

まさかこの地方の先生方が全員集まってくださるとは。
自発的な意思の点が、線に結ばれていくのを感じました。

今日は午前中に4ケースの検討をしました。
それぞれ試行錯誤しながら、
素敵な実践をされているなあと思いました。

発達の特性も大事ですが、環境についても大事だなあと。

週1回程度の通級でできることは、本当に限られていて、
でもそんな制約の中でも、どのように工夫していくか、
色々なアイデアが出ました。

最後に感覚統合の研修会に参加された先生が、
その資料を配ってくださいました。
自発的にこのような動きが出てきたのはすばらしいなあと
思いました。

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自主研修会2 発達検査の解釈には、統計学的な正確さが必要

もう一つ、課題となっているのは、
発達検査の解釈でした。

数値的なことは、あくまでも統計学に基づいた
正確な解釈をしなければなりません。

WISCのIQが2違うだけで、上がった、下がったという
一喜一憂することは、科学的根拠がないわけです。

その差は、統計学上、どれくらい意味があるのか、ということが大切。

***

話は変わりますが、全国学力テストで、平均をランキングしていますが、
それはどれだけの意味があるのか、正直疑問です。

まず、数値には、平均値だけでなく、集中と分散も必要ですね。

どれくらいばらついているのか、どれくらい有意差があるのかという議論なしに、
単に順位を並べているだけ。

テレビの視聴時間と学力との相関も示されていますが、
テレビを長く見る→学力が下がる
という因果関係の結びつけは、どうなのでしょう?
もしかして、両者は単純な因果関係ではなくて、
両方とも「結果」かもしれません。

つまり、テレビを時間を決めてみる、なんて約束事をすれば、
学力が伸びるという単純なものではないこと。
これは、現場を見ているとよくわかります。

様々な要素をトータルに見る必要があるのでは?

学力テスト実施への慎重な意見がありますが、
その懸念が見事に出ている、と感じるのです。
マスコミの取り上げ方を見ると・・・。

***

子どもの学力は、本当に落ちているのでしょうか?
大学で、高校レベル授業のやり直しをしていると言いますが、
少子化で大学に誰でも入れるようになったことは
考慮しないのでしょうか?

知能検査の標準化作業では、今の子は、昔の子に比べて
むしろ知能は向上していることが明らかになっています。

だから、古い知能検査を行うと、数値は甘く出ますよね。

「ゆとり教育が、学力を下げた」なんて、本当ですかね?

***

「カリキュラマシーン」の元ディレクター、ギニョさんの話を聞きました。
http://www.youtube.com/watch?v=Tj0QvfYNjwQ

30年以上前だって、拗音の読み書きができない子はたくさんいました。
この番組が、教育番組だったか、というと議論があるようですが、
この番組を見ることで、拗音が理解できたという感想が寄せられていたそうで。

文字の読み書きの前に、音韻の理解だという話は、
昔からやはり言われているんだなあと思いましたが。

***

話しが大幅にずれましたが、
数値の一部だけを見て判断してしまうのは、ずばり認知バイアスではないでしょうか。
実施する以上は、慎重、かつ丁寧に、多角的に取り扱うこと、
世間一般に多角的に理解して頂くための手立てが必要と思うのです。

そして、平均が低いから、数値を標準に近づけよう、という発想は
本当に子ども達のためになるのでしょうか?
その子、その子の育ちという考え方が大事なのでは?

ということが、個々人に対しても、全体に対しても欠かせない視点だと思うのです。

***

名誉のために。今回発表してくださった事例では、そのことが
よく理解されているように思いました。

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自主研修会 発達障害を理解するには、発達を理解すること

毎年恒例になってきた、自主研修会を開きました。
車で2時間かけていらっしゃる先生もいて、
正直頭が下がります。

お話しを伺うと、それぞれ全国、全道規模の研修会に
参加もされているとか。
本当に熱心です。

今回は、午前中にケース会議。
それぞれ任意で持ち寄ったケースについて検討しました。

午後は、このブログにも一部掲載している問題集の解答、解説でした。

今回やはり感じたのは、発達障害を理解するには、発達を理解すること。

「障害」というと、今までにない対応策というイメージになりますが、
発達がその子ペースなだけなのだと。
であれば、子ども一般の発達をおさえることがとても重要かと。

おさえがないと、議論はずっとかみ合わないことになります。

もちろん、発達障害の本質は、周りとの関係性の中にあるのではありますが、
個体の特性を、では全く無視してよいかというと、そうではありません。
両面必要なわけです。

明日は、また別の教室に出向いて、自主研修会を開きます。
両方合わせて、某研究組織の3分の1の規模になります。

ちらほら、既存の団体の研修より勉強になっているというご感想も・・・。

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発達外来の事例検討会で教材発表



前半の事例検討会では、休日に集まる関係者ということもあり、
いつもながら、質の高い議論がされたように思いました。

スーパーバイザーとしていらした大学の先生の
コメントもすばらしいものでした。


事例検討会後の茶話会で、教材発表をさせていただきました。
冒頭、教材や指導方法が先にあるのではなく、
アセスメントが先にあること、
そのまま使うのではなく、子どもに合わせてアレンジすることの
大切さをお話しさせて頂きました。

教材発表のリスクは、いつもそこにあると感じているからです。

発表後の質疑応答では、
自作教材を作る秘訣や、その教材を子どもができなかったときに、
どうアレンジするかについての質問がありました。

教材の作成の時間がなかなかとれない現場では、
カードのような汎用性の高いものを作り、
同じ教材を他児にも、使い方やルールを変えることで使えるようにすること。

空間関係の把握が難しく、図形を模写できない子に対しては、
紙を重ね合わせて透かして見せてから書かせるとうまくいく
場合があることを回答させて頂きました。

「うちの子には、どういう指導方法がありますか?」
という質問には、やはり答えにくいものがありました。

その子のことをよく知らないので・・・。
その子のことをよく知る中に、指導方法のヒントはあるわけです。
認知心理学的にも、応用行動分析学的にも・・・。

解散後、発達外来で教具作成を専門に職種とされている方と
直接お話しできたのは収穫でした。
部品の入手方法など、いいヒントを頂きました。
ありがとうございました。

今回はパワーポイントでの発表で、
実物を一つも持っていかなかった(忘れた!)のは、
私らしいミスなのでした・・・。

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OJT 「実務の中で仕事を覚える」



通級指導教室に必要であるが、なかなかできない研修形態があります。


「OJT」


つまり「実務の中で仕事を覚える」


です。


通級担当教員の研修形態は一般に、ケースレポートをまとめて発表するのが主です。
ただ、ペーパーのレポートは、指導者のバイアスが往々にして入ってしまい、
子どもの実像に迫りにくい場合があります。
そこで指導場面のビデオ映像を併用したりするのですが。


もっともOJTに近い研修形態は、
「実際の指導の様子を見せ合う」
ことではないでしょうか。


担当一人の教室では難しいし、複数教室でも同じ時間に
全員が指導に入っていることが多いので難しい面はありますが、
定期的にでも行うことが


「生きた研修」
「本当に足下からの研修」


になるのだと思います。


関係者にも、文字で伝えるのもいいですが
実際に指導を見てもらうことが本筋と思います。


マジックミラーはそのためについているのですから。


でも、うちの教室のマジックミラーは小さくて見にくいのです・・・。
(写真ぐらいの大きさだと、かなり見やすいのですが)

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発達外来主催のケース会議

meeting2.jpg








に参加してきました。

出席者は学校の先生、幼児療育、幼稚園関係の先生、
ST,OT、PT、支援事業課職員の皆さんなどでした。

あるSTからのケース紹介を受けて、
グループに分かれてインシデントプロセス法による
検討でした。

議論はハイレベルであり、正確な知識と豊富な経験に
裏打ちされた意見が多く見られました。

ケースについての質問も的を射ており、
ベテランの方ほど、子どものことをもっとよく知ることが必要、
とばかりに的確でズバリの質問をしていました。

多様な意見が出ましたが、ハイレベルな方々が集まると、
その結論には大きなぶれはありません。
おおよそ同じ方向にまとめられるのでした。

私が唯一発言させて頂いたのは、
子どもをこうしようという前に、
子ども自身はそのことをどう感じているのか、
という視点を大事にしたい、ということでした。

最後に私から教材発表の予定でしたが、
吹雪がひどくなってきたため中止となり、
次回に改めてということになりました。

ケース会議の内容にしても、職員の皆さんの
一生懸命さにも、とても刺激を受けました。

就職してからの現場研修がいかに大切か、
そして自分の知識と経験はいかに小さく、
修行不足であるかを改めて思い知らされました。

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手弁当で自主研修会を開催

地域のことばの教室の先生方の中で、希望する方を対象に、手弁当でケース会議を開くことにしました。以下、開催要項です。

*********************************

自主研修会 Part2 のご案内

 7月27日(月)と、30日(木)の2日に開いた「自主サークル研」は好評で、「また開いて欲しい」という要望を頂いています。
 また、先日の研修会では、
「これができないからできるようにしようでなく、子どもの困り感に合わせた指導が大切」
「指導は遊び、遊びは指導」
「ソーシャルスキルトレーニングの前に、愛着形成、甘えの発達は」
などと、経験豊富で専門性の高い先生方から、私たちにアドバイスを頂きました。

 「指導方法の前に、子ども理解を」
 「○○障害の指導ではなく、その子の指導」

 この本質を見直すことが喫緊の課題と感じているのと同時に、子どもを様々な情報から多面的に評価し、手作りの指導につなげている実践も拝見することができて元気を頂いています。

  自主研修会第2弾を開催します。お互いに元気になりましょう。

2009.12.8 ya
 

1 対象 アセスメントと指導(主に通級指導)のスキルアップをめざす方(経験年数は問いませんが新しい方歓迎)
 

2 日時 冬季休業日の始まりか、終わり頃(アンケートを集約して決定)
     10:00~15:00 ぐらい
 

3 場所 yaの勤務校の会議室
 

4 内容【案】 ケースレポート検討
  

5 会費 無料
 

6 定員 5名 (定員を超える時は、2回に分けるなども考えます)
 

7 用意する物   
 A4サイズの簡単なケースレポート1枚×6部
 
※レポートには「主訴(当初と現在)、現在の様子(通級時情報、学級担任情報、家庭情報等)、家族構成、生育歴、療育歴教育歴、各検査結果、話し合って欲しいこと」を含めることを推奨。
構音指導の場合は録音があるとなお良いです。

地域宿泊研レポートと同じものでも可ですが、上記の観点で抜けている部分があれば補ってください。事例以外のレポートは不可です。なおレポートは、保護者の同意を得てください)
飲食物(昼食、お茶菓子も含め、各自ご用意ください)
謝礼などのお気遣いは、一切必要ありません。


8 申し込み方法  別紙に記入し、12月18日(金)16:00までにFAX送信ください。

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地域の特別支援学校の講座を担当

今日は、地域の特別支援学校に呼ばれて、
WISCー3の初心者向け研修を担当させて頂きました。

本格的な研修なら3日かけてやるべきところを
わずか一時間で、しかも実技から解釈までやってほしいという、
かなり高度な? お願いを受けてのことで、
資料作りが最後まで難航しました。

けっきょく、この一時間で全部をやるというより、
ダイジェスト的に紹介して、詳しくは別の研修で
とつなげる意図としました。

***

他の行事とバッティングしたにもかかわらず、
定員を上回る申し込みがあったようで、
やむなく別の講座に回って頂いた方もいたようです。

参加者は、学校の先生や教育行政担当の方もいらしていました。
お久しぶりの方も何人もいらして、時間の経過の速さを感じました。

本当は、私が一方的に話すよりも、
「先生、最近どうですか?」と話しを聴いて回りたくなるような、
それぞれの肩に色々な課題を背負われて
いらっしゃっているような感じがしました。

それでも、何人かの方には、始まるまでにお話しを聞き、
「WISCは前の前のバージョン(!)が、ほこりをかぶっている」
「新しい検査器具を数種類買ってもらっているが、
どれも一度も使っていない」
「子どもの能力だけでなく、他の面のことが心配」
などという、お話しを伺うことができました。

講座では、13の下位検査のうち、
WISC-4で廃止されたり、「格下げ」が予定されているものを除き、
厳選3種類の実技とし、他はビデオと説明のみとしました。
終わりに、通級指導でWISCを活用した実践例を2本紹介しました。

実際の指導例では、教材の紹介も行ったので、
結構メモをとってくださった方がいました。

アンケートを読んでいないのでわかりませんが、
きっと早口で難しいことも話してしまったので、
???の内容もあったのでは。

でも、これをきっかけに、子どもの力の正確で多角的な
アセスメントの大切さ、そしてそれは検査だけではなく、
日常の行動観察が第一、ということを少しでも感じて頂けたのでは
と思っています。


ということで、参加者から別の研修の講師の依頼を非公式打診され、
うれしいやら悲しいやら複雑な気持ちで、学校を後にしたのでした。

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自主研修サークル 2

今日は、某教室にお邪魔して、数名の先生方とケース会議をしました。
前回と同じように、ケース会議だけで一日が経ちました。

子どもの状態像によって違う構音の見立て、指導方法から、
感覚統合、応用行動分析、心理的なアプローチ、
家族関係の力動など、
話しはあらゆる方向に及びました。

単に「会話時に構音が不明瞭」といっても、
子どもによって原因や背景が違うのでした。

また、プレイルームにあるおもちゃについて、
「ああ、あれはそういう意味だったのか」
という気付きを得た先生もいました。

応用行動分析は、単にほめるだけではないこと、
ご機嫌をとるためだけにほめるのではなく、
教育的な意図があること。

家族関係の力動では、
単に親はこうあるべきということでなく、
家族内外の関係性の中で当事者も悩んでいる、困っているのだということ。

低い能力をどうにかしたいということの前に
「安心感」がその子にとって第一であること。

などなど。

私自身も、知識が整理されてよかったです。

4名中なんと3名が今年新しく担当した先生の教室なのですが、
録音を聞かせていただくと、子どもとの会話がほんわかとした温かい
雰囲気にあふれていて、感動して帰ってきました。

美女に囲まれて研修できたことも、よかったでした。(^-^)

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自主研修サークル

自主研修サークルをやりましょうと声をかけたところ、
今日は数名集まってくださいました。
遠方からも手弁当で、もちろん旅費はありません。

もう一回、別の場所でも行うのですが、
今度は私がその教室に赴いて、ケース会議をします。

2つのサークルを合わせると、こちらの組織の3分の1の人数に達します。

一方的な講義だと、実はあまり浸透しないということを経験している私は、
ケース会議こそが、研修の王道だと感じています。

今日は、午前中ケース会議、午後から、午前中に話題になったことを
中心にお話させて頂く予定でしたが、
全日、ケース会議で時間がなくなりました。
結果としてそれでよかったのではと思っています。

そして、それぞれの先生が苦労してがんばっていらっしゃるんだなあと
改めて思いました。

その中で、感じたことを2つ。


専門性とともに大切なのは、当事者意識。
「自分だったらどうなのか」

指導に迷ったらここに戻ることだと思っています。

様々な指導プログラム、支援体制の前に、
その子は学校に行きたいと感じているのか。
学力向上、人付き合いの訓練の前に、
「今、ここ」の人生のクオリティーは。

教師である前に、一人の人間として、
地域の仲間として、その子に何を感じ、どう向き合うのか。
現象面だけでなく、その子の生活文脈全体から感じ取ること。




以下の過程を意識しながら取り組むことの大切さ。


情報の収集(様々な関係者から情報を頂く)

情報の整理(必要な情報、共通する情報、矛盾する情報などを整理)

問題の仮説(その子にとって何が問題なのか。「困り感」は)

指導仮説(どんな指導の手立てをとれば、どんな結果を期待できるか)

問題の仮説の見直し(困っていることに変化はないか。本当の問題は何か)

指導仮説の見直し(指導の手立てを見直す必要はあるか。どのように見直すか)


情報収集の段階では、
アセスメントの多視点化、正確さも大事だと思っています。
検査内容の妥当性、信頼性。
○○が弱い、と判断するなら、
何をどのように評価してそう判断したのか、
主観だけで判断していないか、
ということも大切。


そして、全国の通級指導教室で流行している
「ソーシャルスキルトレーニング」
これはもっと、一般に言われている以上に奥が深いもの。

その子に合ったソーシャルスキルトレーニングは、
どこかの本に書いているわけではない。

日常の困っていることの中にある。

ケース会議は、マニュアルからオリジナリティーへという意味でも、
有意義だと感じたのでした。

いずれにせよ、集まってくださった先生方の意欲と、
少しでも勉強して役に立ちたいという想いに、
頭がさがります。m(_ _)m

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講演会と巡回相談

今年は、これまでに5本の講演依頼と、2本の巡回相談の依頼を受けさせて頂いています。これまでの私の経験則から、それぞれの限界点をまとめます。

○講演会
・講義の内容を取り違えてとらえられたり、参加者のニーズや理解度とフィットしない場合が少なくない。
→(解決策)参加者の反応を見ながら、話す内容やプレゼンの内容を柔軟に変える。

○巡回相談
・相談依頼を受けて、巡回してから、専門家チームに意見を求め、再び訪問するまでに何ヶ月もかかる。その間、子どもの状態像も周囲もかなり変わっている。
→(解決策)専門家が一堂に会する日程は調整が困難なため、すぐには解決不能。本当は、各学校に相談に乗れる人が配置され、継続的にアセスメントできる人がいるのが理想だろう。

・ちょっと授業の様子を見ただけで(限られた情報だけで)、見立てと指導の手だてを考えなければならない。
→(解決策)あらかじめ欠けている情報を追加依頼したり、コミュニケーションをとってから訪問できれば、かなり違うのでは。にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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