もう一つ、課題となっているのは、
発達検査の解釈でした。
数値的なことは、あくまでも統計学に基づいた
正確な解釈をしなければなりません。
WISCのIQが2違うだけで、上がった、下がったという
一喜一憂することは、科学的根拠がないわけです。
その差は、統計学上、どれくらい意味があるのか、ということが大切。
***
話は変わりますが、全国学力テストで、平均をランキングしていますが、
それはどれだけの意味があるのか、正直疑問です。
まず、数値には、平均値だけでなく、集中と分散も必要ですね。
どれくらいばらついているのか、どれくらい有意差があるのかという議論なしに、
単に順位を並べているだけ。
テレビの視聴時間と学力との相関も示されていますが、
テレビを長く見る→学力が下がる
という因果関係の結びつけは、どうなのでしょう?
もしかして、両者は単純な因果関係ではなくて、
両方とも「結果」かもしれません。
つまり、テレビを時間を決めてみる、なんて約束事をすれば、
学力が伸びるという単純なものではないこと。
これは、現場を見ているとよくわかります。
様々な要素をトータルに見る必要があるのでは?
学力テスト実施への慎重な意見がありますが、
その懸念が見事に出ている、と感じるのです。
マスコミの取り上げ方を見ると・・・。
***
子どもの学力は、本当に落ちているのでしょうか?
大学で、高校レベル授業のやり直しをしていると言いますが、
少子化で大学に誰でも入れるようになったことは
考慮しないのでしょうか?
知能検査の標準化作業では、今の子は、昔の子に比べて
むしろ知能は向上していることが明らかになっています。
だから、古い知能検査を行うと、数値は甘く出ますよね。
「ゆとり教育が、学力を下げた」なんて、本当ですかね?
***
「カリキュラマシーン」の元ディレクター、ギニョさんの話を聞きました。
http://www.youtube.com/watch?v=Tj0QvfYNjwQ
30年以上前だって、拗音の読み書きができない子はたくさんいました。
この番組が、教育番組だったか、というと議論があるようですが、
この番組を見ることで、拗音が理解できたという感想が寄せられていたそうで。
文字の読み書きの前に、音韻の理解だという話は、
昔からやはり言われているんだなあと思いましたが。
***
話しが大幅にずれましたが、
数値の一部だけを見て判断してしまうのは、ずばり認知バイアスではないでしょうか。
実施する以上は、慎重、かつ丁寧に、多角的に取り扱うこと、
世間一般に多角的に理解して頂くための手立てが必要と思うのです。
そして、平均が低いから、数値を標準に近づけよう、という発想は
本当に子ども達のためになるのでしょうか?
その子、その子の育ちという考え方が大事なのでは?
ということが、個々人に対しても、全体に対しても欠かせない視点だと思うのです。
***
名誉のために。今回発表してくださった事例では、そのことが
よく理解されているように思いました。
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを
***
PR