今日も冬休み中の自主研修会ということで、
7名の方が自主的に集まってくれました。
前回と合わせて延べ13名の方に来て頂いたことになり、
既存の研究団体の3分の1から半分程度にまで拡大しました。
悪路の中、2時間以上もかけて自家用車でいらした先生もいましたが、
「この会が役に立っている」との声も頂き、やって良かったと思える瞬間でした。
以下、次回に生かすための反省点
よかった点
1
参加者の質問に、本質を突くものが増えてきたこと。
たとえば、構音指導のレポート検討では、
発音以外の背景の情報についてたくさん質問が出ていた。
子どもをトータルに理解する視点が
習慣化されてきている。
また、いつからその症状が始まったか、など生まれてからの経緯を
尋ねる質問も増え、子どもの歴史を縦軸にも理解しようとする
雰囲気が高まってきた。
2
発音指導のレポート検討で、発音記号とパラトグラムの図
(舌と口蓋とが接触する位置を示す図。たとえば、
これ )
を用いて復習したところ、参加者の反応がよかった。
発音記号で状態像をとらえ、発音記号で指導方法を検討することの
大切さが再確認されたように思う。
3
場面緘黙のある子どもの指導では、場面緘黙のことを
よくわかっている実践が聞けたこと。
4
ビデオや録音、各種資料を用いての本格的な発表があったこと。
5
各教室の実践資料の提供があったこと(1回目)
6
発達検査のデータについて、数値だけでなく、
検査時の行動観察(ローデータ)の提供もあったこと。
7
事例以外のお悩みや、各教室の実情などについて、
炉辺談話的に交流があったこと
改善点
1
「○○障害(症状)には、△△の指導」という、1対1対応のとらえ方が残っている。
事例検討は、その子をよく理解し、その子に合う指導を考えることである。
したがって、どの障害種かということや、状態像だけで、
指導方法を考えるというのは、「事例検討」からはもっとも遠いとらえ方であり、
もっとも慎重でなければならない。
2
情報の多さではなく、少量でも本当に必要な情報が網羅されることが大切である。
特に在籍学級での様子の情報収集がネックである。
最低限、
・学習成績 ・コミュニケーション、社会性
の情報は必要で、それ以外には、
運動面、日常生活
など、一番長い時間付き合う学級担任の先生から情報を頂くことが重要である。
また一般に、生育歴情報は軽視されることがあるが、
情報の一つとしては大切である。
どういう経緯で今の状態があるのかということの検討なしに、
指導方法を組み立てるのはたいへん危険である。
その際、一語文は何歳何ヶ月という情報だけではなく、
愛着形成の過程や、親の子育ての苦労など、
物語の経緯として子どもを理解しようとすることが必要である。
3
発達検査の解釈の仕方について、数値だけで判断する傾向。
WISCの各下位検査で、評価点に「1」がたくさんつく場合、
IQなどの各数値は信頼性に乏しく、
ましてやその数値だけで何歳代の発達年齢かを推定することはできない。
その際、周辺情報が重要である。
また、検査のバッテリーを組んでいて、その値が合わない場合、
その理由を詳細に検討する必要がある。
その違いが生じる理由については、検査法の違いを検討することも多いが、
検査を行った時期も重要である。
急に伸びる、とか急に変化する子どももいるからである。
周辺情報へのクリティカルな視点は大切だが、
発達検査にもクリティカルな視点が必要である。
今後の手立てとしては、
1
必要な情報を漏らさないために、レポートの様式を予め決める。
観点については案内の中で提示しているが、様式も決めておくことで、
情報の漏れを防ぐ必要がある。
2
事例検討の主旨、進め方について予め周知する必要がある。
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色々書きましたが、でもこれだけ意欲のある先生がたくさんいる
地域で仕事をさせて頂いているのが、大変幸せに思いました。

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