ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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しばらく記事の投稿ができませんでしたが、やっと少し時間ができました。
先日、とても元気になる講演を聴く機会がありました。
北海道の中小企業の管理職の方で、その方の生育歴は、まさにタイトルの通りとのことです。
みんながラジオ体操をしている時に、一人で砂遊びをしていたり、
ほかの兄弟が一緒に遊んでいるときに、本人は一人で砂場の砂をふるいにかけ続け、
一週間がんばって、海岸の砂と同じ手触りになるようにした、とのこと。
学校の先生には「どうせ無理」と言われ続け、
「それでは食べていけない」とみんなに言われ続けていた・・・。
だから学校は大嫌いだったそうです。
それが今、この会社で作った製品は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)でも採用され、
新たな飛行機の開発は、アメリカの企業と手を組んで進めているとのこと。
彼のすばらしいところは、技術をマニアックに磨いてこられたということだけでなく、
自分の生育歴をおそらくは正確に振り返るとともに、
今、そして将来自分は何をしようとしているのか、何をしなければならないかを
客観的に掘り下げながら人生を送っておられる、ということではないかと思いました。
だからこそ、彼の話には強い説得力を感じました。
たとえば、(以下、私のメモなので、正確ではないかもしれません)
「勉強は、
いい企業に就職するためにするのではない。
社会の問題を解決するためにする」
今の日本人は、「どーせ無理」とあきらめてしまう。
自殺者の増加につながっている。
学校の先生も子どもたちに言っている。
子どもたちから夢を奪っておきながら、
「自信を持て」などと矛盾したことを言っている。
大学の講義では、外国人は熱心に参加し、
日本人の学生は携帯をいじっているか、寝ているだけだ。
将来何をしたいかという夢もない。
大学卒の就職の採用が減っているのは、そうしたことが背景にある。
赤ちゃんが初めてつかまり立ちした時、
「危ないから、どうせ無理だからやめなさい」とは言わない。
周りの危険な物をよけておきながらも、「すごいね」とほめて、
応援するはず。
いつから「どーせできない」と言うようになったのか。
みんなから浮かないように、「普通」であることを追い求めている。
みんな「特別」「一人一人違う」存在だ。
将来どうしたいのかというビジョンが全くない。
「してもらう」ことばかり考えて、
自分から何をするということがない。
アメリカには人口比以上に、多様な趣味がある。
海に行けば、得体のしれない物が動いていたりする。
飛行機の開発で手を組むことになったアメリカ人に会ったとき、
「これまでの日本人は趣味を持たない人ばかりだった。
初めて趣味を持つ人と会った」と言われた。
会社では、定期的に社員の趣味の発表会をやっている。
趣味のない日本人が多い。
社員に「普通の人」はいらない。
飛行機やロケットが大好きな人であればいい。
子どもたちのやりたいことを奪ってはいけない。
私はロケットの開発をしているがそれが一番の目的ではない。
やればできるということを日本人に復活させるのが最大の目的。
etc.
講演が終わっての感想。
私は通級指導で、やれ読み書きの指導だ、運動面の指導だ、
コミュニケーションの指導だと言っていますが、
とてもスケールが小さいような気がしてきました。
子どもたちの好きなこと、趣味をもっと生かす。
そしてそれは、単に教科学習を促進する手段というだけではなくて、
趣味に打ち込む、そのこと自体が将来への大きな学びなのではないか、ということ。
「学力向上」とか、「体力向上」とか、順位がどうしたとか、
そうした見方とは、もしかすると違っているのかもしれませんが、
しかし教育の本質、人生の根本を問われたような気がしたのでした。