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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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本物の支援者

聞こえがよくない私に、
偽物の支援者→「音楽が聴けないなら、海の音でも聴きに行けば」
本物の支援者→チャイムの音が鳴り終わるまで、話すのを待ってくれた。
その姿勢は、子どもに対しても現れている。
どんなに著名な先生を味方につけても、日々の実践が子どもの側からの理解でなければ。

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「WISCの解釈を1時間半で講義してくれませんか」

今日も、「WISCの解釈を1時間半で講義してくれませんか」と頼まれました。しかも「言語性、動作性」などと。いつの時代の話でしょう。
断る側も、断られる側も傷ついてしまいますが、丁重にお断りしました。認知心理学や発達心理学、統計学など、様々な知識を動員して、初めて解釈は可能ですよ、とご説明したのですが。
代わりに就学相談の委員会と、言語の研究協議団体との共催で、WISCを含めたアセスメントと相談の進め方の研修を一日日程でやります、と紹介させていただきました。


このほかにも、「特別支援教育について20分で語ってください」という依頼も、日程が合わないという理由でお断りしました。
テーマは「特別支援教育で学力向上!」
なんか違うかなと。
20分で語れるわけがないし、学力テストの平均点をみんなでめざす、という趣旨の「学力向上」と「特別支援教育」とは、全く合わないのです。


研修の中身が、コンビニエンスな方向に行っている気がしてならない。


こうした中、教員の大量退職と若返りにより、先輩方が積み上げてきた財産が継承されない危機感を国も持っているようですね。今後に期待。


私の教室では最近、教育相談を研修の場として、ことばのテスト絵本一つの使い方を含め、一から実技研修をしています。

「テスト絵本」のカバーを外すのは、相談が始まってからではなくて、相談前に外しておいた方が時間の節約になるとか、ページのめくり方まで、細部にわたってです。
掘り下げるべき構音はどの音なのかの判断だとか、メモ用紙に注視せず、子どもの表情を注視せよとか。

教育相談のローカルルール、学術的根拠に基づかない様式も、すべて廃棄しました。


先生方の力がどんどん身についているのを感じています。
やっぱりOJT(実務しながら研修)が一番効果的ですね。


研修で一番身につくのは「教育相談」ですね。
かつて、言語障害教育課程の免許取得のための実習は、「教育相談」が一番ハードルが高く、かつ一番ためになる研修として位置づけられていた、と聞きます。


地道に一歩一歩やっていくしかないですね。


今後もコンビニエンスなノリの研修依頼はお断りします。

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支援者が吃音について本人に話さない方がいい、とアドバイスしてしまうと

支援者が吃音について本人に話さない方がいい、とアドバイスしてしまうと、親も子も話題にすべきでないと思ってしまいます。なんとなく話題にしてはいけない、ネガティブなものなのだと、悶々としながら子どもは大きくなる。そして周りの対応も後手後手に回っている。この悪循環を断ち切らねば。
今度、民間団体と市教委の共催で相談研修を持つ話に成功しました。
勝負に出ます。



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小2。主訴「ライオンをダイオンと書く」。

小2。主訴「ライオンをダイオンと言う。書く」。学力や生活に問題はない。優先順位の低い検査はどれか。


1)ラ行の構音の掘り下げ検査
2)ラ行音を含む単語の聴写
3)ラ行音とダ行音との聞き分け
4)舌尖を上顎前歯裏につけ、下へ導きながら声を出す。
5)ラ行音とダ行音を含む単語の視写




 

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小2男児。主訴「文字の読みが苦手」

小2男児。主訴「文字の読みが苦手」。対人関係、生活に問題はない。主訴について調べるのに適切でない検査はどれか。


① CARD
② P-Fスタディ
③ WISC-Ⅳ
④ 森田-愛媛式読み書き検査(2005改訂版)
⑤ KABC-Ⅱ


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ことば教室の施設整備面について、正しいのはどれか。

ことば教室の施設整備面について、正しいのはどれか。



1 施設整備の基準はないため、他との共用はやむをえない。

2 整備の基準はあるが、法的義務ではない。

3 整備の基準は法的義務

4 国に整備基準はないので、各自治体に任される。

5 施設が整備されないと、教室を開設できない


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片側性難聴児の就学相談

右耳は全く聞こえないが、左耳には問題のない就学児の就学相談。就学先の学校への助言で適切なのはどれか。


1 特別な配慮はしない
2 通常学級では座席を子どもから見て左側にする
3 手話を用いる
4 ことばの教室では、騒音下での聞き取り練習をする。
5 指示が通らない時は、説明が聞こえたか確認する


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「就学後、集団生活に乗れるか心配」

「就学後、集団生活に乗れるか心配」を主訴に訪れた年長女児。まず収集すべき情報はどれか。

① センター巡回相談の鈴木ビネー検査の結果
② 幼稚園、保育園の様子
③ 文字の読み書きの程度
④ 学校の就学時一斉知能検査の結果
⑤ 家族構成

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検査法の組み合わせで、正しいのはどれか。


 検査法の組み合わせで、正しいのはどれか。



① 田中ビネー知能検査V ―――― 個人内差の把握
② WISC-Ⅳ ――――――――――  言語性IQと動作性IQ
③ ことばのテスト絵本 ――――― 選別検査
④ PVT-R(絵画語い発達検査)――― 全般的な言語能力
⑤ 就学時健診の一斉知能検査――― 知的障害の有無の最終判断



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【自作教材】ご当地お買い物すごろく

 

ご当地、お買い物すごろく。

買い物カードを用意しておく。(100円、200円程度で買えるもののみ)
お金も各種用意しておく(コインのみ。
じゃんけんして勝った人からさいころを振って駒を進める。
お店のマスに止まったら、その店で買える買い物カードを買う。

たとえば、ペットボトルのお茶なら、スーパーでもコンビニでも。
特定の店でしか買えない物を先に買っておくと、後で追いかけてきた
プレイヤーが買えなくなるので、有利になります。

そして、最後に、買い物額合計の高い人が勝ち。


ねらい
1 どこにどんなものが売っているか、買い物の疑似体験
2 お金の計算能力
などなど。
これが結構受けています。

ベースとなる部分だけ作っておいて、子どもたちに自作させても面白い。
ただし、ゴール直前に「スタートに戻る」などと書き始めるので、
それをプレイした子が落ち込みます。
ご注意を。

それと、おつりの方がコインの数が多くなるのを喜ぶ子もいますが。
それはそれで。

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PVT-R(絵画語い発達検査)について、正しいのはどれか。

11 PVT-R(絵画語い発達検査)について、正しいのはどれか。


 


①原則として、すべての子どもにかける。


②評価点が「4」以下であれば、特別支援学級を検討する。


③「入り口」の検査であり、子ども理解のきっかけにする。


④「自閉症」の判断にも用いる。


⑤ヒントを出されて正解した場合は、語いがあると見なし、点数に加える。


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検査の目的、特徴などを研修してから活用することが必要です。

また、簡単な検査だからと、闇雲にかける例が見られますが、
アセスメントで一番大事なのが、行動観察。周辺情報の収集と整理。


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吃音についての5択問題

小1男児。授業や行事での吃音について、適切な対応はどれか。


1.吃音を意識させると症状が悪化するため、本人が話題にしても触れない。
2.利き手を矯正すると吃音の症状が悪化するため、矯正はしない。
3.発表順は原則としてとばす。
4.時間制限のある九九の暗唱では、スラスラ言えるまでやり直しさせる。
5.学芸会のセリフについて、信頼関係ができたら本人と相談して決める。



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構音障害のクイズ

構音障害について正しいのはどれか。


a 何度教えても、「リンゴ」を「ゴンリ」と言うものも含む。
b 「ぼ、ぼ、ぼくは」など、はじめの音を繰り返すものは含まれない。
c 自然に改善するタイプと、自然には改善しにくいタイプとがある。  
d 年齢が上がれば自然に改善する。
e 住んでいる地域の方言も含む。


①  a,b
②  b,c
③  c,d
④  d,e
⑤ すべて


***

正答例 2
a 
「り」「ん」「ご」のそれぞれの音は発音できており、音順を間違えているだけです。構音操作の問題というよりは、聴覚的把持力、音韻意識(語音を認識する力)の問題である可能性が高いです。


b 
吃音の可能性が高いです。吃音と構音障害とを混同しやすいですが、両者は全く異なるものです。


c、d
 個人差もありますが、たとえば「サ行」の「シャ行」への置換よりも、「キギケゲ」の歪みなど側音化構音などの方が、一般に自然改善は難しくなります。


e 住んでいる地域の人との間で違和感なく過ごせているのであれば、構音障害とは言いにくいです。
 構音障害には様々な定義があるようです。ただ、音そのものの誤りというだけでなく、そのことにより日常生活に支障が生じているかどうかも、重要な視点です。



 

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「できる、できない」の単純な物差しだけで、子どもを見ないでほしい

目標を設定し、達成のために努力し、振り返るというモデル自体が、子どもを追い込んでいく事例もあるのです。
多くの子どもにとっては有益なモデルでも、ある子にとっては障害の状態を悪化させることも。

支援者は、いつも、自分のよって立つ位置を対峙化し、枠組みの外側から眺めてみることが大事なのでしょう。


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愛着障害

田中哲先生の講義でした。
生まれてから、学童期、思春期、成人期、そして自分の子を育てるまでの愛着障害の及ぼす連鎖の過程が見事な構造図で示されました。エリクソン等もたぶん敷衍しながら。
愛着障害、その周辺は、現場では実は多いと感じています。支援者側も子どもの言動に傷つきやすいのですが、一番つらいのは子ども。そういうものなのだと押さえることが大事だと思っています。
そして、目で見た方がわかりやすいとか、適切な行動はほめるというような、発達障害によく挙げられるアプローチだけでは足りない。支援者、とりわけコーディネーターにそうした知識と経験がないと、現場をさらに混乱させることになります。
特別支援教育に特別知識のないある学級担任の先生。子どもの愛情欲求の偏りに気づき、休み時間ごとにぎゅうっと抱きしめて上げました。手だてはそれだけではないようですが、学級全体がだいぶん落ち着いたのですね。
会議を開いてチームを作って、形を作ってどうのじゃなく、力のある人同士がインフォーマルに臨機応変に対応する力を引き出すのが、コーディネーターの役目だと思っています。
そしてWISCのデータも大事だが、愛着障害を含め、心という観点でもっとこどもを見て欲しい。
特別支援教育は、情緒障害という、心の問題も対象にしていることを忘れないで欲しいのです。

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子どもの気持ちから出発する特別支援教育


皆さんお久しぶりです。ものすごく忙しくて、すっかりご無沙汰しておりました。
でもやっと一息入れる時間ができたので。
最近、特別支援教育の文献なり、ネット記事を見ても、心がときめかないのです。歳を取って、仕事への熱意が、ぼちぼちのレベルまで下がったのでしょうか。きっと記事自体は価値あるもの。
私の感じ方の問題かと。
大型書店では、お決まりのように特別支援教育のコーナーへ。でもパラパラめくって終わり。
ところが、帰りがけに手にした幼児教育の本。
なぜか頬を伝って流れるものが。
止まらなくなりました。
どうしてなのか、自分でもわかりませんでした。
どうしていいのか。
衝動買いにしてはちょっと高いけど。
レジのお兄さんに涙が見られないように。

帰ってから、涙の理由を考えました。
この本には、子どもの気持ちが書かれている。
あくまでも、子どもの気持ちがまずあって、そのために、園の体制はどうあるべきか。
子どもの気持ちの側から、世の中が翻訳されている。

「形を整える、体制を作る」
大事なことです。
しかしそれらが、子どもの側から作られようとしているのか。
コーディング、デコーディング、チーム会議・・
。それはそれで。
でも何か違う、何かずれている、という違和感の実態がようやく見えてきた気がしたのです。
論文発表のために実践があるんじゃない。そうした動機は、見えてしまう。

ようやく整理されてきました。

そんなことのあった、この一ヶ月でした。

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教育相談の件数、倍々に増加

教育相談が次々と入ってきています。
そのペースはかなり速く、夏休みまでに、既に昨年度一年分の件数に達しています。
昨年度の件数も、一昨年の件数の倍です。

教育相談から支援への接続にあたって、
1)「成功」につながるか、「失敗」につながるか、の二元論ではなく、「失敗したり、成功したり」という子どものリアルドラマに、とことんつきあおうとする姿勢であるかどうか。

2)一つの現象を見ただけで、全体の判断をしてしまうシングルフォーカスや、自分の人生経験と重ね合わせてしまう思いこみ、思いつきの対応になっていないか。決めつけていないか。

3)形にとらわれて、子どもの気持ちに寄り添おうとする姿勢から離れてしまっていないか。

過去、こうしたことに懸念を持たざるを得ないような教育相談、校内体制を見てきました。

一方で、無名でも、コツコツと地道に実践を積み上げ、あくまでも子どもへの愛情を注ぐ実践も見てきました。

ジェネラリスト(その子の専門家)と、スペシャリスト(知識の専門家)の両輪を大切にしながら、でも最終的には「隣のおじさん」=ジェネラリストとしての総合的判断と支援の手だてにつなげられればと思っています。






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形にとらわれない特別支援教育

コーディネーターの指名
校内委員会の設置
個別の指導計画の策定

この3つが、特別支援教育の3本柱でした。
調査上ではどれもほぼ100%の実施率になったのかもしれません。

しかし、実際はどうでしょうか。

校内委員会をまず作ってから話し合うのでなく、
子どもに主に関わっているスタッフが臨機応変に情報や対応をやりとりする。
そこからがスタートのはず。





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WISC-4の「解釈の仕方」

WISC-Ⅳの検査についての研修をして欲しいという要望を受けて行います。
事前アンケート調査では、既に該当の研修講座を別のところで受けている先生が多いようです。
ならば、実技よりも解釈を中心にした方がよいのでしょうか。

ただ、「解釈の仕方」という時に、3つの懸念を持ちます。

1 行動観察などのアセスメント情報の収集抜きに、数値だけで子どもを理解しようとしていないか。

2 「このグラフだったら、○○の傾向」など、検査結果を紋切り型でとらえようとしていないか。

3 検査で全てがわかると考えていないか。基本的な心理学、統計学などの用語、概念が理解されているか。

検査の経験の浅い先生への研修ということであれば、「標準出現率」、「パーセンタイル順位」「有意差」「合成得点」、「評価点」「標準偏差」などの基礎的な用語の意味の学習から入った方が良いのでしょう。

「解釈の仕方」はマニュアル通りにあるわけでなく、検査自体が持っている性質や、子ども理解の中にあるわけでしょう。

検査をかける以前に行うべきこと、発達についての基礎知識などから始めることを考えると、一日ではとても足りないという思いです。
WISCの研修に入る前に、基礎事項で終わってしまうかもしれません。
でも、新しい先生への研修というのは、そこにこそニーズがあるのでしょう。

アセスメントの基礎知識が不足している中で、検査に手を出すことの危険性の説明、解釈する上で絶対にやってはいけないこと、などの内容を中心にしていこうかと。

少なくとも、「まずは検査」、「総合的解釈なき検査の実施」の風潮を強めないように。
むしろ慎重に考えなければならないというように持って行かなければ。




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老眼

最近、小さい文字が見えにくくなっていました。
本を読むのがつらく、文字を書くことも億劫に感じていました。
特にLD学会の論文集の文字が読めない。

慢性疲労が原因だと思っていました。

しかし、めがねをかけたとたん、文字が目の前にとびこんできて、びっくりしました。

そして、これまで文字を読むことにこんなにストレスを感じていたのかということに気づいたのです。

指導記録を書くのがつらい原因のひとつも、目の問題とわかりました。

文字の読み書きがつらい子の中には、自分がつらいと感じていることに気づいていない場合もあるのだとということに改めて気づきました。

眼鏡屋さんでの目の検査で、「これならよく見えるでしょう」と渡され、文字がくっきり見えたときの感動は、ほかにたとえようがありません。


特別支援教育が、老眼鏡をかければ解決できるような簡単なものではないでしょう。
ただ、本人の困り感によりそう支援というのは、決して派手なものではなく、専門性が地味に、しかも確実に伝わるような、静かなものだと思うのでした。





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「障害はお互い様」

親が悪い。
子どもが悪い。
学校が悪い。
行政が悪い。
専門家が悪い。
彼が悪い。彼女が悪い。

私自身も反省しなければなりませんが、「問題」を自分の「外」に見ているとき、実は自分が見えていないことが多い。
「問題」は、実は自分自身の中にもあります。

「お互い様」の視点に立つことで、「問題」を自分の「内面」の現れとしてとらえ、当事者意識を持って関わることができるのだと思います。

批判して終わりという評論家ではなく、前向きに関わる臨床家として、コツコツ実践していきたい。
時間に余裕ができた今、改めて思い直しています。


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WISC-4の報告書の書き方 2


「言語理解100、知覚推理100、ワーキングメモリ100,処理速度100、FSIQ100
以上の通り報告します」

→この報告書では、何がなんだかさっぱりわかりません。
 下位検査はどうだったのか? 検査時の子どもの様子は?
 検査者の立場での解釈は?
 数値は大事ですが、その数値の意味するところが、この報告書では見えてこないのです。
 「信頼区間」の記載がないこともルール違反です。数値は幅をもってとらえられなければならないという反省に基づいて、今のルールになっているはずです。

 実際には、行動観察から生育歴情報なども総合して解釈しておられることも少なくありません。
 外部の関係者が、保護者同意のもと、詳しい状況をお尋ねし、総合的解釈まで行けるような手だてが、別途必要なのでは。



「抽象的な思考に苦手さがあるようです。具体的にイメージできる説明の仕方を工夫します」
→主旨はわかりますが、どのような検査結果から、このような手だてが導かれたのでしょうか。
 抽象的思考といっても、様々あるはずです。
 手だてだけで、検査結果の記載が全くないのも、受け取る側はとまどってしまいます。


折れ線グラフの表をポンと渡して終わり。
→これは一番やってはいけないことのはずです。
受け取る側に数値の意味を解釈できる力量があるのか。
なぜその数値になったのかという背景情報や、指導の手だても何もない。


「○○の問題もできなかったんですよ」
→その問題は、能力の一部を代表しているにすぎません。
たまたま、その問題ができなかっただけかもしれません。
また、どのようにできなかったのか、検査時の子どもの反応はどうだったのかの情報も必要です。


関係機関の様々な制約があるなか、文書を受け取る側が、より総合的な解釈に近づけるために工夫することは、子ども理解のための正当な行為ではないでしょうか。
また、同じ検査結果でも、解釈には様々あるでしょう。
関係者同士が情報交流し、ディスカッションして視点を補い合う中で、より解釈を正確に、意味あるものにしていくことが大切なのだと思います。

8月中旬の研修会では、このことも話してみようと思います。
 

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WISC-4の報告書の書き方

日本版WISC-4刊行委員会(4はローマ数字、以下同様)が発行するテクニカルレポートによれば、WISC-4の報告書には書き方のルールがあります。


数値だけを報告したり、逆に数値がなく解釈だけが書かれているのは、報告書のルールには適合していない、ということになります。


各機関の都合、内規などの「大人の都合」により、ルール通りに書かれていない報告書を受け取る場合もあるでしょう。
その場合は、保護者の同意を得て、可能な範囲で情報収集することも必要になるでしょう。


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ディスレキシア(発達性読み書き障害)の当事者の話を聞きました。

40代になって初めて自分にディスレキシアがあることがわかったというご本人の話。
涙がこみ上げてきました。

ブログなどにも内容をアップしてはいけないというお達しがあるので、詳しくは書けませんが。

「まずは検査」という風潮に対して、「検査をかけなくてもわかることがある。まずは観察、見取りをしっかりと」という役員の方のお話に強くうなづきました。

「アセスメントなきipadの導入」
「総合解釈なき検査の実施」

私も気になっています。


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子どもの興味関心に合わせた指導こそ、通級指導の一丁目一番地

集団への帰属自体を指導目標とするのでなく、子どもが強く興味関心を抱いている内容に合わせた指導をしたいものです。

学校のカリキュラム通りに縛られること自体が苦痛と感じる特性のあるお子さんがいます。
その子の興味関心に合わせた指導をすると「余計にはまってしまい、収拾がつかなくなる」と。
でも、とことん好きなことに取り組むこと自体が、勉強になるはずです。
「好きなこと」から、聴く話す、読み書き、製作など、多様に広げられる。
ことばの教室、通級指導教室の一丁目、一番地。

ソーシャルスキルトレーニングは、本に書いてあるようなことをしても、その子にフィットするとは限らない。
むしろ、せっかくの興味関心のある内容について取り組み、それを他児とのコミュニケーションのきっかけとした方が、はるかに成果のあるSSTにつながると思うのですが。


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