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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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文科省「平成19年度通級による指導実施状況調査結果について」を読む 3



(文科省HPのデータを私が円グラフにしました)

4割強の先生が、複数の障害に対応しています。
ただ私の印象では、実際にはもっと多くの先生が
事実上、複数の障害に対応している(対応してきた)
と思います。

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文科省「平成19年度通級による指導実施状況調査結果について」を読む 2

自校通級 16,978名 (37.5%)
他校通級 27,156名 (60.0%)
巡回指導  1,106名 ( 2.4%)

自校通級の割合は、相変わらず低いですね。

「通級による指導」は自校通級でなければ発展しない

と言っている先生もいます。

自校通級の割合をいかに増やすか、
しかしそれはすぐに難しければ、他校通級で
在籍校との連携をいかに効果的に進められるかが
ポイントでしょうね。

「連携」のために、校外に出て行こうとするのに
「年休扱い」、「義務免扱い」では難しいでしょう。
事故に遭ったら自己責任、ということでは。

「うちの学校の先生なんだから、よその学校に行くなら
職務専念義務違反」という前提が、他校通級の主旨と
乖離しているわけです。

日本LD学会でもこの点が指摘されていました。

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文科省「平成19年度通級による指導実施状況調査結果について」を読む 1

文部科学省は未明、タイトルの内容を発表しました。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/015.htm

それによると、昨年度の通級児童生徒数は、一昨年に比較して
さらに増加しています。
増加の仕方も著しいですね。
このペースだと、今年度は5万人を突破するかもしれません。

これまでの統計データをエクセルに入れてグラフ化してみました。
bfcb62a6.jpg







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中学校で激減する通級指導教室

下の棒グラフは、ある地域における2007年4月現在の通級児童生徒数の累計です。 
(特別支援学級への通級を含む)
あえて、人数は載せませんが、
グラフに特徴があることが読みとれるでしょう。
 
小学校の通級を利用していた児童が、中学校でも利用したいが、教室が存在しない、という話をよく聞きます。
ある市町村の就学指導委員会が、中学校への通級指導教室の設置が妥当と答申し、教育委員会も準備していたにもかからず、学校の都合で設置されなかった、という保護者の涙ながらの訴えも見ています。
 中学校に通級指導教室が設置されにくい理由は、たとえば以下のことが挙げられています。

1 クラブ活動などで放課後の通級がしにくい。
2 中学生ともなると、授業を抜けて別室で指導を受けることに抵抗を感じる場合がある。
3 教科担任制なので、通級しても、それを担当する教員の教科の関係があり、教科指導の補充は難しい。

そして
4 中学校での設置数がもともと少ないため、中学校の教員が通級という制度そのものになじみがうすいこと。
ということもあるかもしれません。

一方では、過日NHKでやっていたように「通級指導学級」を中学校に設置し、成果を上げているところもあります。

通級が特別支援教育の全てではありません。
通級は、通常学級での授業の工夫、TT、支援員や放課後の活用など様々な選択肢のひとつにすぎません。
通級が妥当かどうかは、通常学級でのフォローだけでは足りない場合、初めて選択肢として考える、という順序が必要かもしれません。
 ただ、週1回でも、個別指導にメリットがある子がいることも事実であり、授業を抜けてでも、通級を望む親子が存在することも事実です。
中学校の通級指導教室の増設というハード面の解決は、特別支援教育の前提とまではいわないまでも、重要な要素の一つであるとは言えます。

様々な選択肢が用意されるということが、特別支援教育の基本的理念ではないでしょうか。

 道親の会のある方は、中学校の通級指導教室について、以下の掲示板で述べておられます。 

http://bbs3.sekkaku.net/bbs/dokotoba.html


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ことばの教室の「本来」の対象? その2

文部科学省は、「言語障害」の定義の中に
「他の障害に起因するものでない」という枠を当てはめています。
つまり、自閉症、ADHD等の「他の障害」が「主」の障害で、
言語の遅れが「併せ有する障害」ならば、「言語障害」ではない、
ということです。

ところが 某教育委員会の障害別の通級児童生徒数調査の様式は
以下のようになっています。

たとえは、「言語障害」が主たる障害で「LD」を併せ有する場合、
人数を記載する場所がありません。「自閉症」を併せ有する場合は、
欄が存在します。

「LD」、「ADHD」が主たる障害で、「言語障害」を併せ有する場合も
記載する場所があります。

つまり、某教育委員会のおさえでは、

言語障害>LD   存在しない
LD>言語障害   存在する

のに

言語障害>自閉症  存在する
自閉症>言語障害  存在する

のです。

このことと、文部科学省定義とも整合性がとれていないのでは?
と思います。
 
頭が混乱しそうですが、教育行政には、このような障害カテゴリーの
未整理と思われる状態があります。

ただ私は、未整理な状態を必ずしも悪いことだとは思いません。
むしろ、少なくとも今の通級制の利用が妥当と判断される子どもに関しては、
障害カテゴリーが意味をなさなくなってきている、
過渡期であることの証明に、皮肉にもなっているように思うからです。


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ことばの教室の「本来」の対象?

特別支援教育が始まり、その一年前から先立って通級対象が拡大しました。

一  言語障害者
二  自閉症者
三  情緒障害者
四  弱視者
五  難聴者
六  学習障害者
七  注意欠陥多動性障害者
八  その他障害のある者で、この条の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当なもの

などなど。
ただし、基本的にはひとつの障害種に対応するが、教員が有する専門性や指導方法が類似しているなどすれば、ほかの障害も担当していいですよ、というようになっています。

このことについて、「多様な子どもを受け入れてきた実態が認められた」と歓迎する声がある一方、「多様な子を受け入れたために、本来構音指導で通いたい子どもが通う時間帯がなくなってしまう」という声もあります。

どちらにも言い分があり、理解できます。

ただ、ここで必要な視点があります。
すなわち、

1 構音に課題のある子の多くは、読み書きや行動などにも、重複して課題を抱えている場合が少なくない。(純粋に発音だけの問題、という子は実は少ない)

2 多動で指導を受け入れられないと判断された子でも、加齢によって落ち着き、ある程度練習に乗れるようになる場合も少なくないこと。

3 実際構音の指導をする際にも、「お口だけでなく、身体全体、全体発達をみることが必要」と教科書的には述べられている。

障害名で細かく分けて、「あなたは言語障害」「あなたはLD」などと選別するようなことを、ことばの教室が「本来」やるべきことなのか? 疑問があります。
もちろん、「通常学級での学習におおむね参加でき」という条件がなかなか満たされず、特別支援学級で手厚くみてあげた方が、限られた時間の通級よりも望ましい場合があることはわかります。
ただ、通常学級におおむね参加できるが、多様な困難のある子どもたちの存在が明らかになってきた現在、さらに細分化することにどんな意味があるのでしょうか?
構音指導はまさに認知心理学的アプローチであり、応用行動分析的アプローチでもあります。それはほかの困難がある子にも有効、否、そうした子は、診断名のない時代から通い、認知心理学的、応用行動分析的な通級指導を受けてきたわけです。(それを指導者が「応用行動分析学」、「認知心理学」と認識していたかどうかは別として。しかし過去からの研究の蓄積は、それらの学問が背景理論として働いていた、と今になれば整理できるのでは)

ことばの教室と、LD等の発達障害の通級指導教室を別に作ればいいのに、との話も聞きます。別に作れたとして、どちらに通うのが良い、ときれいに判断できる子は何人いるのでしょうか?
同じ子どもであっても、加齢とともに、教育条件とともに、ニーズは刻々変遷していくのではないでしょうか。

どこまでが「言語障害」で、どこからが「発達障害」なのでしょうか?
言語障害も、発達障害なわけですが。
文部科学省が定義する「言語障害」すなわちまとめると、
「知的な遅れはないが、言語発達だけが遅れている」
という定義に当てはまる子は何人いるのか?
WISCで言語性IQは落ちているが、全IQでは遅れがない?
言語性IQが落ちているなら、全IQも下がるのでは?
仮に言語性<動作性 として、では自閉症スペクトラムと、言語障害の境界線は?
そもそも「言語」とは何か?「言語」、「非言語」と簡単にわけられるのか?
などなど。

障害カテゴリーの議論をするほど、子どもの現実から離れていくように思うのです。


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特別支援教育担当教諭 903名→171名

読売新聞
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07121803.cfm

171名以外は非常勤講師をあてるとすると、特別支援学校のセンター的機能を担当する先生や、普通学校の通級担当の先生に非常勤講師があてられる可能性があるということでしょう。

概して、非常勤講師は一生懸命な方が多いのですが、1年たったらまた人が替わる、ということがおこることになります。

法が示す理念と現実とのギャップは大きいです。
行政改革推進法も法律ですが、学校教育法も法律です。

医療現場でも非常勤の割合が増えていて、研修にも出られない状態になっています。
困ったものです。

※記事中「改正学校教育基本法」とあるのは、「改正学校教育法」の誤りと思います。

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言語障害特別支援学級?

言語障害特別支援学級
知的障害特別支援学級
情緒障害特別支援学級

など・・・。

「障害」と「特別支援」が並べて書かれているのに違和感を覚えるのは私だけでしょうか?
確かに、学校教育法を見ても、「特別の支援」と書きながら、「障害」という語句も並べられているので、間違いではないのでしょうが。
ただ、学校教育法施行規則では、養護学校を「知的特別支援学校に改める」などと書かれており、「障害」が「特別支援」に置き換わったのだと思っています。

障害ではなく、特別のニーズ、というのが特別支援教育の理念でしょうが、「障害」という語句を法律上残しているところから、このような不統一の問題が出てくるのかもしれません。

これらのことを了解の上で「言語障害特別支援学級」と呼称しているのか。ただの名称の問題ですが、特別支援教育の本質的な問題だと感じています。

個人的には、「言語特別支援学級」の方がしっくりくるのですが。にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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「学校施設整備指針」の改訂等について(通知)

文科省は7月24日、新たな「学校施設整備指針」の改訂等について(通知)」を出し、 これまで存在しなかった「通級指導教室」の施設整備基準が初めて明記されました。
「通級制」が制度化して14年が経過してからの通知であり、遅すぎた感は否めません。しかし、指針ができたことで、今後通級指導教室を新築、改築、営繕等をする際の武器となることでしょう。
以下、「通知」をわかりやすくかみくだいて、チェック項目にしてみました。 

(原文は、文科省HPにあります)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/07091007.htm


注1 原文では、優先順位を「重要である」、「望ましい」、「有効である」とランク付けしていますが、このチェック項目では、ランクに差をつけずに掲載しました。

注2 原文では、障害別の基準になっていますが、「通級制の弾力化」により他の障害種も通級できるようになっていることや、障害を重複している通級児童生徒が多いことから、全障害種を混ぜて記載しました。

注3 原文では、特別支援学級と通級指導教室とを分けていますが、内容がほぼ同一であることから、混ぜて記載しました。基本的には、通級指導教室も、特別支援学級に「準じて」定められました。

*******************************
〜教室設備オリジナルチェック項目〜

1 指導室は適切な数だけあるか?
2 個別、小集団学習ができ、机、家具が配置できる空間面積があるか?
3 多目的室・プレイルーム、保護者控室・相談室、管理関係室、専用の便所等の関連室・空間をまとまりを持たせているか?
4 障害の特性に応じて、安全性を確保できる位置にあるか?
5 騒音や雑音、視覚的な刺激を避け得る位置か? 聴力検査ができる空間があるか?
6 落ち着きを取り戻す、安心してリラックスできる落ち着いた環境か?
7 適切な照度が確保されているか? ちらつく蛍光灯以外の照明(自然光、白熱灯)がとれるか?
8 車いすなどを使って、円滑な移動ができるか?
9 便所は、他校から来校する児童や保護者等の利用状況及び動線を考慮し、利用しやすい位置にあり、男女別か?
10 保護者控室・相談室は、指導室や外来用玄関との連絡の良い位置にあるか? 必要な机、いす等の家具や設備等を配置できるような面積、形状か? 教育相談のための空間として使えるか?

********************************


チャイムや校内放送が響き渡る指導室・・・。
雑音によって語音弁別力がとても落ちる子もいます。
聴力検査時も、語音弁別(ことばを聞き分ける)練習時にも、ことばの教室では遮音が必須です。
注意転導性の強い子にも。

だから私は100円ショップでゴム板を買ってきて、ドアの隙間に貼ったり、やはり100円ショップでレースのカーテンを買ってきて、窓に下げたりしています。それだけでも違うものです。

窓ガラスが、通常学級の施設基準よりかなり薄いので、近くに車が走ってくると、ガラスがビリビリ共鳴し始めますが、これは自力での営繕は不可能です。にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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授業の改善と特別支援教育

支援の必要な子が通常学級での授業についていくためにには、授業のやり方の改善・工夫が有効な場合があります。

・視覚、聴覚、手先の運動等の複数の感覚を同時に使った練習
・とにかく誉める、座っているだけでも誉める
・スモールステップの課題提示
・わかりやすい発問、指示

久しぶりに、これらのすべてがそろった授業を見学する機会がありました。
子どもの授業へのくいつき方は、すばらしいものでした。

支援の必要な子のすべてが、授業の改善だけで救われるとは思いません。通級型の取り出し指導がやはり有効な子もいます。
しかし、授業の改善で救われる子が増えるということも、また事実だろうということも目の当たりにしました。
自分の日常の実践が恥ずかしくなりました。にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
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