ことばの教室ではかつて「聴覚的記銘力」という用語をよく見かけましたが、
最近はほとんど見かけません。
昔の本にはよく見かけました。
しかし、
そもそも「聴覚的記銘力」とは何か、という定義があいまいだと指摘されています。
また、その意味が「音を覚えること」という単純な意味ならば、
それだけでは観点として十分ではないとも思うのです。
WISCの「数唱」の「順唱」は短期記憶、
「逆唱」はワーキングメモリと言われます。
音削除や音付加、順の入れ替えなどもワーキングメモリの
領域と言えるでしょう。
音についてだけ取り上げたとして、
文字の読み書きや構音障害は、
短期記憶の弱さだけでは説明できず、
むしろより広い?概念である「音韻分析能力」
「音韻意識」が重要なのではないか。
日本LD学会第17回大会発表論文集、p573には、
文字の読み書き両方に困難を有する子どもは、
単に短期記憶の弱さというよりは、実行機能の弱さを有している、
という主旨のレポートが載っていました。
一方、読みは問題ないが、書きだけに困難がある場合は、
音以外の別の弱さを基盤としているのではないかということ。
納得ですし、当然という感じです。
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