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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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通級の指導目標を検討する2

1 「担当者との信頼関係を形成する」

ことばの指導にあたり、通級児童と指導担当との信頼関係は
きわめて重要です。
話し言葉、発音に直接アプローチする指導には、
信頼関係があることが前提です。

ただ、この信頼関係を指導目標にするということは、
それを評価できるのでもなければなりません。

「信頼関係」自体を指導目標に据える際には、
いくつか注意が必要なのでは、と思っています。


まず、「信頼関係」どのように評価したらよいでしょうか?
評価できないことを目標にすることは難しいです。

そもそも、「信頼関係」とは、ここまでできたら達成というように、
線で区切ることはできるのでしょうか?

人と人との「信頼関係」は、
ここで達成したというゴールはないはずで、
常に深めていくものではないでしょうか?

つまり、「信頼関係」を評価するためには、たとえば、

・「指導担当に、休日の過ごし方、友達との遊びの内容について
話すことができる」
・「自分のやりたい遊びを指導担当に遠慮なく主張できる」
・「○○の悩みを指導担当に相談できる」

というように、具体的に設定することだと思うのです。
(もちろん上記の例は、話す能力はあるのに、
指導担当に話すことをためらう。他人には主張できるのに、
指導担当には遠慮して主張できない、といった状態像を前提にします)


次に、指導担当者との信頼関係を形成することは、
子どもの人生にとってどれだけの意味、必然性があるのでしょうか?

わざわざ保護者の送迎で、狭い部屋に入り、
私のようなつまらないおじさんと信頼関係を形成すること自体が、
その子の人生にとってどれだけ意味があるのかということです。

もちろん通級担当の先生との出会いによって、人生が変わった
ということもあるでしょうし、その後も長くおつきあいするということも
あり得るでしょう。

しかし、子どもが大部分の時間を過ごす相手は、
家族であり、学校の仲間、地域の仲間であるはずです。

通級担当は、その子が自分の生活圏で生きるためのお手伝いが役目であって、
通級指導においては、いつもそこのことが念頭になければなりません。
だから、苦手なことが残っていたとしても、その子の自立が見通されるならば、
通級も終了すべきです。
そうでなければ通級への依存が生じ、かえって親子を迷いの中に
閉じ込めてしまうのではないでしょうか。

話が少しずれましたが、子どもが教室の先生と仲良くなること自体は、
指導目標ではないはずです。
もしそれが目標なら、極端に言えば、
「卒業後も、時々教室へ遊びに行って談笑することができる」
などという目標と同じなのではないでしょうか。

主役は先生なのか、子どもなのか。


いずれにせよ、「信頼関係」を目標にしたいと考えた場合、
その願い自体はとても尊いと思います。

ただ、そのことによって何を生み出したいのか、
自分自身の思考を振り返ると、指導目標の具体的な姿が
見えてくるのだろう、と思うのでした。

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