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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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通級の指導目標を検討する 3

2 「○分間座って集中することができる」

おちつきのなさを主訴とする事例の場合、
こうした指導目標を見かけることは少なくありません。

集中して課題に取り組むことで通常学級でも同じように
「我慢させる」ことを目標としているわけです。

気持ちはとてもよくわかります。
ただ、この目標には「どんな内容、分量の時に」が
抜け落ちています。

そして、落ち着きのなさで多いケースは、

・学級では座っていられないが、ゲームなら何時間でも集中できる。
・教科によって集中に違いがあること。

つまり、集中できないのではなくて、集中のコントロールが難しいということ。

また、

・行動面の落ち着きのなさは、適切な環境であれば、
徐々に軽減されることが多いこと。
(頭の中の多動はなかなか改善しないかもしれませんが)

つまり、着席時間を長くすることそのものを目標とするのは、
あまり意味がないのでは、と私は考えています。

むしろ、座っていられない背景を看取ることの方が、はるかに大事かと。

・教科によって差があるなどは、授業の内容、方法がその子にフィットしていない可能性。
・できないことや失敗することへの不安、恐怖
・体幹の支持性など、着座姿勢を保てない体力、または感覚統合の問題
・睡眠、食事など、生活リズムの問題
(睡眠時の環境や、ねる前の食事、呼吸の問題、背骨と寝る姿勢などなど)
(寝るときの情報からもいろいろなことがわかります)
・家庭内不和、児童虐待などストレスが背景にある場合
・視機能、視知覚、聞こえの問題
・妨害刺激への抑制がもともと難しい。脳機能の問題


いろいろな背景を見ていく必要があるのでは。

座っていられる時間を長くする目標よりも、座っていられないときに
うまく回避する、離席を合法化する手続き、スキルの方が大事なのでは。

つまり、たとえば、「離席カード」があれば、3回まで離席していいよとか、
教室を脱走するならば、脱走先の場所だけは約束するとか。

また、短時間でもできる課題がこなせたらほめて、休憩時間を保障するというように、
成功体験を積むことも大事ですし。

落ち着かないから、座っていられるようにしよう、というのは、
現象面だけを見て、背景を見ていないのでは。
通級においては背景へのアプローチが役目だと思うのです。

何分間すわっていられるかよりも、
座って何をしたか、その子にとってそれがどんな意味を持つのか、
が大事なのだということです。

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