「Aさんには、構音障害がある。
構音障害には、お口の体操が一つの有効な方法である。
ゆえに、Aさんには、お口の体操が一つの有効な方法である。」
→確かにお口の体操が構音障害の指導に有効な場合はありますが、
Aさんにとって有効かどうかは、Aさんをよく知らなければなりません。
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「Bさんには、ことばの遅れがある。
ことばの遅れがあるCさんには、医療との連携が有効であった。
したがって、Bさんには医療との連携が有効である」
→これも同じですね。個々の違いをとらえず、
一般化と個別化の方略を間違えています。
文字にするとそんなこと直ちに言えない、と思えますが、
実は日常の議論に、こうした三段論法は満ちあふれています。
言っている本人が気づかないのですが、聞き手が気づいていれば
まずは良いのかもしれません。
ある事例のケース検討をするときに、他の子の事例を取り上げて
似た部分を参照して、だからこの子にも、という論理には
慎重に耳を傾ける必要があります。
ちなみに、「転じて」を使えば、
「お口の体操をしなければ、構音は改善しない」
「医療と連携しなければ、ことばの遅れの支援は有効でない」
などと、さらに飛躍した論理につながりかねません。
まあ、私もやっちゃっているかもしれませんが、
支援者は、こうした論理のトリックや、
認知バイアスにもっと注意を払いたいものだと思っています。
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