ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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今年度一年を振り返って
赴任一年目ではありましたが、従来の考え方、やり方について改革を提案、実施してきました。
1 教育相談のあり方の改変
(1)アセスメント情報の収集のあり方について
→発音が主訴だから発音だけ検査するのでなく、生まれてから今までの生育歴、学校生活の様子、幼稚園、保育園の引き継ぎ情報など、多面的、総合的に見立てる。
「行動観察、生育歴、標準化された検査」の3つ
(2)教育的判断の根拠の明確化
→アセスメント情報を総合的に判断し、おおよその支援の方向性を教育的に判断。
障害種は国が定める通級対象と照らし合わせ、科学的根拠に基づく判断へ。
教室独自の判断基準の廃止。
もちろん、国が定める基準通りにやるということだけではなく、障害の教育的判断にどんな根拠があるのかを明確にすること
(3)ことばの相談と就学相談との連携の強化
(4)教育相談報告様式の改変
→箇条書き的見立てから、論述的見立てへ
(5)マニュアル的自由会話から、その時、その場、面接者と子どもとの呼吸に合わせた自由会話へ
2 指導の改変
(1)マニュアル主義から、子ども一人一人の違いに合わせた指導へ
→コミュニケーションが苦手だから、SST、という本に書いてあることではなく、関わり合い、子どもの反応から読みとることへ。
(2)無根拠な指導から、科学的根拠に基づく指導へ
(3)言語発達遅滞のとらえ方。表出言語ではなく、内言語へこそ注目へ。
3 就学相談のあり方についての改変提案
4 保護者との連携強化
→子どもが何年も通っていて、今年初めて親が教室に入りました、という親御さんが何人も。
特に参観日など、保護者が来校しやすい日時に来て頂く等の工夫。
→個別の指導計画を保護者と話し合い、指導の方向性について共通理解に立とうとしてきました。
***
これらの取り組みの結果かどうかは別として、今年度、
教育相談件数は昨年の2倍強。(もうすぐ3倍に)
就学時健診、就学相談と、ことばの相談との連携、情報交流により、より適切な就学相談へ
定期に通う通級児童の増加
につながりました。
今後の課題
1 乳幼児部門と学校教育とのスムーズな接続、早期の相談体制
→アンケートで、約3割の保護者が、もっと早く支援につながりたかったと回答。
教室啓発の強化。
2 就学相談体制の抜本的な改善、特に研修の強化、保護者、本人の立場に立ったシステムへ
3 担当教員の専門性の向上
4 人事面
5 物理的環境面
6 仕事内容の選択と集中(なくてもよい仕事は思い切って廃止。必要な仕事(指導時間の確保、指導内容の充実、保護者との連携強化)に労力と時間を重点配分へ。仕事分野の整理統合
7 教室運営計画を「使える計画」へ。
3、4は、私一人の力ではどうにもならないわけですが。