部屋の整理をしていたら、今から24年前の教室運営資料が出てきました。
この資料は、前の前の職場で使われていたものですが、今はその教室には保管されていないようです。
しかし、24年ぶりに開いてみると、そこには目を疑うような内容が書かれていました。
教育相談~受付から会議、事後措置まで~
修了認定会議資料
修了認定の基準
etc
相談面接の進め方、事後の検討ケース会議の進め方まで、端的に大事なことが濃密なエキスとなってまとめられていました。
単に質問するのでなく、出会い場面からのアセスメント、雰囲気作り、保護者の気持ちを考えた質問の仕方などなど。
これほどの珠玉のまとめ方は、ほかにはあまりないでしょう。
「通級の是非については、諸々の条件も考慮して全体的に判断する」
→この文言、国が平成5年4月1日に通級制度を正式にスタートさせるより、2年も前に書かれたものです。
障害があるから、苦手なことがあるから、なんでもすぐに通級、という昨今の傾向。
しかし、諸先輩はそのことへの注意を早くから促していたのです。
「ことばの記録票を親に渡し相談日の3~7日前に届けてもらう」
→面接日前に送り返して頂く方式は、私が個人的に考えついたものではなく、古くから必要性が指摘されていたものだとわかりました。
事前に返される資料、事前に収集した情報を元に、面接の方向性や検査の選択を検討するわけです。
「主訴、相談・治療歴、主訴以外に心配していること、生活の様子(起床、着衣、洗面、歯磨、登校、食事、遊び、就寝、そのほか)、生育歴、病歴、性格、そのほか、各種検査)・・・。」
→ この時代はこのほかに、担任の先生に書いて頂く質問紙もありました。
学校での様子はそれによって情報収集していました。
これらの情報の必要性は、特別支援教育士や看護師など、支援に携わる専門職のアセスメントの常識として、古くから伝承されてきたものです。今と寸分違わないのです。
子どもをトータルに理解する視点です。
古い資料だからと言って捨ててしまうのは簡単ですが、それに代わるものがあるのか。
新しい本や考え方がめまぐるしく移り変わっていますが、ベースとなるものは、何も変わっていないわけです。
新しいどんな文献、冊子よりも、先輩方の作ったものの方がはるかに専門性が高く、各種学術的視点を取り入れている、正確な文献であるように感じました。
前例踏襲がよいと言っているのではありません。
新しいものを作るなら、古くからの伝承を凌駕するだけの内容なのかを問うべきだ、ということです。
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを
***
PR