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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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通級は分離教育ではない

校内でのことばの教室の発表が無事終わりました。

発表後はよい質問がたくさん出て、
発表した甲斐があったというものです。

実際の指導場面のビデオが、やはり反響がありました。

で、うちの学校のことではないですが、
「通級型の取り出し指導」と言うと、
マイナス面が気になる向きがありますね。

「インクルージョン教育は、分離教育ではない」

このことから、通級型の取り出し指導は、
「分離教育」であり、インクルージョンに反するとの意見があります。

しかしながら同時に、次のことも言えるわけです。

「インクルージョン教育は、統合教育でもない」

通常学級にお客さん状態で座っていればいいわけでもない。

「インクルージョン教育」は、
「分離教育」、「統合教育」の両者を
弁証法的に止揚(アウフヘーベン)
したところにあるのですよね。

 

インクルージョンに近い通級の意義、あり方については、
実は文科省通知が一番正確で妥当ではないかと思うのです。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/06050817.htm

別に国に忠実でなければならないと主張する意図ではありませんが。


・「通級による指導を行うに際しては、必要に応じ、校長、教頭、特別支援教育コーディネーター、担任教員、その他必要と思われる者で構成する校内委員会において、その必要性を検討する(後略)」

→通級担当だけで、通級妥当を判断するわけではないですね。


・「通級による指導の対象とするか否かの判断に当たっては、医学的な診断の有無のみにとらわれることのないよう留意し、総合的な見地から判断すること。」

→診断があるから、障害があるから、ただちに通級、とは誰も言っていません。


・」学習障害又は注意欠陥多動性障害の児童生徒については、通級による指導の対象とするまでもなく、通常の学級における教員の適切な配慮やティーム・ティーチングの活用、学習内容の習熟の程度に応じた指導の工夫等により、対応することが適切である者も多くみられることに十分留意すること。」

→通級が手段の全てではないですね。


こうした主旨は、基本的には、ことばの教室が
過去からずっとやってきたことではないかと思うのです。

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