ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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「ヒッグス粒子」がついに発見された?というニュースは、科学の好きな私にとって身震いする思いです。
子どもにこの話をしたら、紙をハサミで限りなく小さく切り刻んで「できた」と言っていました。
かわいいですね。
IPS細胞で病気が治るという話しも、夢が広がります。
さて、今日は「読み書き障害」で検索していらした方が多いので、「科学的態度」と合わせてこの話題を。
私が、読み書き検査でよく使うのは、
『小学生の読み書きスクリーニング検査─発達性読み書き障害(発達性dyslexia)検出のために─ 』(STRAW)
と、
『森田-愛媛式読み書き検査(改訂版)』です。
前者は、レーブン色彩マトリクス検査(RCPM)と組み合わせて、
知的障害を伴わない発達性ディスレキシアをスクリーニング検査で検出するのが目的です。
私の場合は、知的な遅れがあるかどうかということとの関連で検討するために、
RCPMを使うことはほとんどなく、WISCなどとの組み合わせで検討しています。
そういう統計表にはなっていないのですが、私の使用目的は別のところにあります。
この検査自体は、統計学的な処理がされているので、「マイナスいくつSD」などと値は出ますが、
私はどのように間違えるのか、どのようにできないのかという点を重視して使います。
つまりスクリーニングというよりは、通級を担当している子どもの読み書きの状況を
評価するために使っています。使用目的が本来的ではないかもしれませんが。
しかしこの検査は単語までしかできませんので、文レベルでは評価できません。
そこで、後者の『森田-愛媛式読み書き検査(改訂版)』を使うことがあります。
ただ、検査も大事ですが、日常の国語のノートや作文を見たり、授業の様子の情報収集だけでもかなりのことがわかります。
しかし科学的なエビデンスに基づいた指導を行うには、やはり標準化された検査を組み合わせ、正確な解釈を行うのが科学的態度とも言えます。
統制されていない条件なのに、一回のお試しだけで傾向を判断するというのは、科学的ではないし、エセ科学そのものと言えます。
同じ条件で何度繰り返しても同じ結果が出ることが検証可能でなければ、科学ではないのです。