ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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小さい子どもの発話は、時としてその「ずれ感」がおもしろかったりします。
恐竜の絵カードを読んで欲しいというので、一つ一つ読んであげました。
「トリケラトプス」、「ブラキオサウルス」、「メガロサウルス」・・・
するとおもむろに、
「あのさ、アデノウィルスもあるしょ」
それは怖い恐竜ですねえ。はやっているからね。
「・・・ルス」の音が同じですね。
カテゴライズは違っていたけど、音の「照合」はできるのでしょう。
人は、人とのコミュニケーションの中でことばを獲得していきます。
中川 信子先生の「ことばのビル」をあげるまでもなく、「ことば」は様々な経験の最上階に位置します。
だから、ことばの意味を「お勉強」するだけで、それを獲得するわけではない。
ただ、こどもによっては、同じ経験をしているのに、ことばの意味理解が苦手な場合もあります。
一つ一つの経験を抽象化したり、逆に抽象的で難しいことばを使えても、その意味理解は表面的だったりします。
環境を構造化してあげることで、ことばの意味理解を獲得する子もいます。
ことばの教室での「自立活動」は重要だなと。
通常なら、日常生活の中で獲得する「意味理解」であっても、「短い」と「小さい」との違いを様々な例を挙げてわかりやすく教えてあげることが必要な子もいます。
ちなみに「短い、長い」と「大きい」「小さい」の概念は、通常の発達では未就学の段階で獲得します。
「短い」という漢字は小学校3年生で出てきますが、その段階で「短い」の意味がわかっていないと、漢字を教えても覚えにくいでしょう。
大学教授で、自閉症の当事者のテンプル・グランディンは、「犬」ということばを聞くと、「イヌ」という抽象化された概念で考えるのではなく、それまでに出会った犬のイメージを次々思い出して考える、という主旨をおっしゃっています。
具体→抽象、抽象→具体
が苦手な子には、視覚支援などを通じて、ことばの意味の多義性を教える必要があるでしょう。
「読む」「書く」よりも「聞く」「話す」がまずできているのか。
大事な視点です。
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