注意 / yoppy「WISC-3の「注意記憶」(被転導性からの解放)は、ADHDを測る値ではない」
WISC-3の「注意記憶」は、「数唱」と「算数」から成り立っていました。
しかし、それらでは、「被転導性からの解放」を測ることはできないし、そもそも「被転導性からの解放」という概念自体がはっきりしているのか、と言われるようになりました。
WISC-3の「注意記憶」では高いのに、DN-CASの「注意」はとても低いということがありました。DN-CASの「注意」の方が、ワーキングメモリの概念に近いのではないかなと。
また、「算数」は、数的能力も関与するので、「注意記憶」の群指数の中に入れることに対して、多くの批判が出ました。
さらに、「注意記憶」とADHDとは、統計的な関連性がない。
だから、「注意記憶」が低いという理由だけで、ADHDの診断、判断はしてはいけない。
「数唱」の逆唱は、ワーキングメモリであるとも言われました。
確かに順唱よりは、ワーキングメモリに近いのでしょうが、WISC-4では「語音整列」を加えることで、よりワーキングメモリの概念に近づいたと言えます。
ワーキングメモリと、短期記憶とを混同している事例も見受けられます。
ワーキングメモリには推理なども加わるし、色々学説があるので、それらを敷衍しつつ、WISC-4は解釈されなければならないでしょう。
「長期記憶からワーキングメモリにダウンロードされる」という表現、おもしろいです。
一方、検査では、聴覚的なワーキングメモリを測っているのであって、そこに視覚的なヒントが加わったら、既に測れていないわけです。
「WISC-4インテグレーテッド版」では視覚的なワーキングメモリが測れるようですが、日本語版はありません。翻訳しているうちに、WISC-5が出たりするかもしれません。
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを
***
PR