あることばの教室担当が、民間の言語障害の学会に参加しようと
していました。
ところが、公的に定められた研修の出張日と重なってしまい、
その学会には参加できませんでした。
学会の参加を理由に公的研修の日程変更などをお願いしても、
認められなかったそうです。
公的な研修とは、「調理実習」だったそうです。
「ことばの教室担当である前に、小学校教員なのだから、
家庭科調理実習をしなければならない」
このことばを、親の会活動の過去を知っておられる方は、
どのように受け止められるでしょうか?
かつてこの地方でも、ことばの教室に片道2時間以上かけて、
「国鉄」と「バス」に乗り、週1回の指導を受けるために通う
親子がいました。
当時から、口蓋裂などの器質性構音障害などの改善指導を含め、
研修を深めた教員でなければ担当できない内容でした。
親の会では、担当の先生が東京などでの1年研修が受けられるように、
教育委員会などに陳情に行ったり、1年研を受けた来た先生が、
ことばの教室に配属になるようになど、様々な運動を展開していたようです。
これらの運動が奏功し、ことばの教室担当の人事は、
通常学級のそれとは別に扱うことが事実上認められました。
かつては、通級経験20年、30年の先生が多くいました。
ところが今は、平均経験年数は5年を切ります。
調理実習は、大学のカリキュラムや家庭でも経験できるでしょう。
しかし言語障害教育を教えてくれる人は周りにあまりおらず、
専門家も少ないのが現状です。
教員養成大学で学べる機会はきわめてまれです。
だから私もDVDを作ってがんばっているわけですが、
個人レベルの努力だけでは、とてもカバーしきれないのです。
数少ない研究会に、しかも私費で参加しようとする
先生の前向きな姿勢に報いるような体制を
是非考えて欲しいと切望します。
LD学会などもしかり、少なくとも学術団体に登録している団体の研修会への
参加については、公的に、柔軟に認めて頂けるようになるといいなと思います。
既にそうしている地方もありますよね?
それぞれの先生の持ち味、得意分野が生かされる体制を。
子ども一人一人の違いを大切にするためには、
まず先生方一人一人の違いを大切にするということが必要と思うのです。
みんながオールマイティーである必要はないし、
みんながオールマイティーなんて不可能です。
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