Q「舌小帯が短い子が病院へかかるまでの間に教室でできる事はなんですか?」
A まず、舌小帯が本当に短く、構音に影響しているのか、教育的に判断することが重要です。
舌小帯短縮症の診断は医師が行いますが、それが構音に影響しているかどうかについては、ことばの教室の先生が見立てなければなりません。
口を開けて、舌を挙上して、開口の距離の半分以上に挙上できれば軽度です。
半分ぐらいであれば、中等度、半分も挙上できなれれば重度です。
また、舌小帯短縮症の場合でも、構音の全てに影響するわけではありません。
舌先を使った発音、とりわけラ行が母音化するなどの現れ方をします。
でも、カ行、ガ行、イ列音はいかがでしょうか。
基本的には関係ありません。
これらは、舌先の挙上の必要のない音だからです。
そして、実は、舌小帯短縮症の治療が必要なほどに、構音に影響している例は、実は言われているほど多くはありません。まれ、と言っていいでしょう。
同じように、たとえば、サ行、ザ行、ラ行、ツなどの舌先の音をつくるとき、奥歯のかみ合わせは関係あるでしょうか。
関係ありません。構音位置と歯の咬み合わせの位置との違いを把握するのは、医療関係者の前に、ことばの教室の先生が判断することです。
機能性構音障害であるにもかかわらず、舌小帯が短いから、とか、歯のかみ合わせが悪いからという理由で、医療機関につなげる例があります。
医師は、ことばの教室の先生の見立てを参考にしますから、いきなり舌小帯を切る、という結果になってしまいます。構音の改善という目的なら、本当は必要のない施術です。
手術の予後のためにも、舌小帯はいきなり切らないのが原則です。
施術までに、舌小帯を伸ばす練習を行います。
舌を口蓋に密着させたまま開口し、音を「ポン」と鳴らすポッピング。
1日3回(最低1回)は家でも行います。(家庭の事情に応じて)
疲れたら2時間休みます。
中程度の舌小帯短縮症なら、3,4ヶ月で3、4mmのびます。
切った後も、傷口がふさがったら、伸ばす練習を継続します。
(以上は、矯正歯科の歯科衛生士の方の助言を得て作成しました)
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