ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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今年の就学相談は、昨年よりもさらに30ケース増え、180ケースとなりました。スタッフの人数は、全部で50ケースの時代と変わらないので、3倍のケース数となります。土日もなく業務を行っており、日常の通級指導もできるだけ休まないで行っているため、私は心臓の鼓動がおかしくなっています。それでも、親子のために、出来る限りのことをしたいと思っています。
「誰も理解してくれなかったけど、今日は理解してくれた」と涙ながらに話された親御さんがかつていらっしゃいました。携わらせて頂いてよかったと思える瞬間です。
就学相談に関わらせて頂いて、大切と思うことを書いてみます。
1 検査結果を伝える場ではなく、検査結果があっても、それらを含め、子どものトータルな理解を共有する場であること。「○○ができないから」ではなく、「○○できるようになるために、必要な環境は」という観点で考える。
2 親御さん、子どもさんの思いに寄り添うこと。親御さんの悩み、主訴を字義通りに解釈するのでなく、その背景を様々な情報をもとに、深く理解しようと努めること。単に「場の決定」をするだけでなく、その後の親子や関係者がポジティブな流れになるように関わること。
3 面接場面だけでなく、保育園や幼稚園、学校、家庭、地域等での様子をできるだけ詳細に把握し、子ども理解に努めること。思いつきや思い過ごしではなく、きちんと事実を積み上げること。正確な情報に基づいて論考すること。
4 親御さんや関係者を責めるような関わりをしてはならないこと。関係者、関係施設もまた、「育ちの過程」にあることを受け止め、その実態の背景の理解に努めること。
そして何よりも、
5 相談員が当事者意識を持つこと。(もし自分がこの親だったら、子どもだったら、学級担任だったら)
これらは就学相談だけでなく、日常の通級指導でも大切なことと思います。何も特別な変わったことではなく、通級指導教室が親や行政と一緒に積み上げてきた財産そのものであると言えます。つまり、親御さんからむしろ教えて頂いたことです。
全部が理想通りにいくわけではないけれど、方向性は大切にしたいです。
「相談してよかった」「話し合って良かった」で終わることが大切なのは、相談だけでなく、日常の研修や会議でも言えることです。そうでなければ、やった意味がありません。否、心の傷を残すだけなら、かえってやらない方がよいでしょう。