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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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指導報告書

当教室では、年2回、学級担任の先生に「指導報告書」を送っています。
通級での指導目標、手立て、子どもの状態像の変化や予後の推定、
学級での配慮をお願いしたいことなどを書いています。

指導報告については、以下のことが大切と考えています。

1 
忙しい学級担任の先生に読んで頂くため、
文字数は少なく、文字のフォントは大きめにして見やすく、
端的にまとめたものであること。
盛りだくさんに書くと、かえって読んで頂けません。


学級担任の先生との「双方向」の情報交流が大切であり、
一方的に報告するというよりも、リアクションしやすいように記載すること。
→「学級での様子についてもお知らせ頂けると幸いです」
「学級での学習面、コミュニケーション面、運動面、集団活動などでの様子はいかがでしょうか」
「指導の参考にしたいので、是非お知らせ頂けるとありがたく思います」
というように。

「指導報告書」を送っても、何の反応もない、という通級担当の先生の嘆きを
聞くことがありますが、こうした一言を添えるだけでも違います。

報告それ自体に単独で意味があるのではなく、
報告することでどんな教育効果を期待するのか、
読む側にとってどうなのか、まで見通した上で取り組むことが大切と思っています。

今日、早速一ケースについて、学級担任の先生から電話で
リアクションがありました。ありがたいことです。



学級での配慮事項を書く際、「上から目線」にならないこと。
→30~40名見ている学級担任の先生には、その子にだけ、
ああしてください、こうしてください、とは書けません。
「本児は、○○の特性を持っているので、
視覚的に見せてあげることでわかりやすくなるかもしれません」
というように、子どもの特性を挙げるにとどめます。
その特性に対してどう指導するかは、あくまでも学級担任の裁量であり、
通級担当がとやかく言うのは、越権行為だと思うからです。

ただ、たとえば、自然改善が難しい構音の誤りについては、
「引き続き、発音の誤りの指摘は避けて頂き、
会話の内容に反応して頂けると幸いです」
というようにお願いする書き方をしています。

構音指導の報告では、「舌平らをあめ玉を使って練習し」
などという内容は、学級担任が読んでも、日常に活かしにくい部分です。
練習方法よりも学級での配慮事項、予後についてお知らせした方が
意味があるのでは、と思います。



自校通級の学級担任の先生には、指導報告書を手渡しする。
→机の上にポンと置いてしまわざるを得ないのが、
時間帯が合わない教員同士の宿命です。
ただ、この機会を捉えて、時間を何とか見つけて、
手渡ししながら、「最近、○○ちゃんどうですか?」
という情報交換のきっかけにします。
紙よりも、顔を直に合わせて話すのが大事だと思うからです。

同じ報告でも相手の反応によって微妙に表現を変えるのが、
コミュニケーションですね。
紙だとそれがしにくくなるので、紙と同時にニュアンスも
報告させて頂くということ。


5 
わかりやすい表現を心がける。
→指導記録、カルテなどは、むしろ専門用語を用いなければなりませんが、
「指導報告書」など外部の人に見てもらう文書は、
専門用語をかみくだいて、わかりやすい表現にしなければなりません。


・・・・・・

「ことばの教室では何をやっているかわからない」
という声を学級担任の先生から伺うことがあります。

それは、報告が届いていない場合もあるでしょうが、
ときおり、報告が届いているはずなのに、こうした声が
聞こえることがあります。

それは、単に報告していないからではなく、
もっと別の意味がある、と語用論的に
とらえる必要があります。
つまり、ただ報告の量や頻度を増やせばよい
という話ではないようです。

指導を実際に見て頂き、その後ディスカッションする、
というのが最もわかりやすく、意味のある連携だと思います。
学級担任への配慮事項を求めるなら、
それを自ら実践している姿をお見せできなければ、
本物とは言えないでしょうし、
学級と通級での子どもの姿の違いを生で見て頂いた方が、
学級担任の先生にとってはるかに、本質的な
気づきを提供できるはずです。
また、学級担任の先生からも色々アドバイスを
頂ける場合もあります。

つまり、文字に書いた紙の報告書はあくまでも
連携のきっかけに過ぎない、というおさえが大事では。

なかなか時間がとれませんが・・・。

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