ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
■メールはこちら
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
当教室では、以下の約束事で、作成することになりました。
***
1 各目標は、支援者の視点ではなく、子ども本人からの視点で書く。
例)
×「○○させる」
×「○○体制を強化する」
○「○○できる」
○「○○の支援のもとで、△△ができるようになる」
2 目標設定は、支援目標→年度目標→短期目標と、下位に行くほど具体的にする。
例)短期目標
×「流暢なことばで話すことができる」
→○「絵の説明課題で、助詞『が』を用いて話すことができる」
→○「吃音の発生時には、一度緊張をゆるめることが自分でできるようになる」
×「発音が改善する」
→○「シ音について、自由会話レベルまで正音が出せる」
→○「舌平らが安定してでき、『ジ』が単音節レベルまで安定して出せる」
(どの音がどのレベルまでできるのか、を具体的に書く)
※ あとで評価がしにくい目標設定は無意味。
3 通級の支援目標は「発音が改善すること」そのものではなく、発音が改善する「ことによって」スムーズな言語コミュニケーションがとれるようになることが目標。
4 無理な目標設定は行わない。達成しやすい目標を設定する。
週の限られた通級時間に見合った目標設定にする。
5 目標も手立ても、その時によって柔軟に変更ができる。一度作ったら二度と変えられないわけではない。保護者や同僚と相談の上で変更を検討する。
6 各目標は、「自立活動」が主であり、「教科の補充指導」を主たる目標にしてはいけない。
例)×「九九を間違えずに暗唱できる」
×「2桁-1桁の繰り下がりの計算ができるようになる」
7 他の職員に予め見せて、助言を受けてから保護者に見せて、話し合って同意に至るのが望ましい。
***
構音の指導目標の設定のためには、現状の構音の状態を評価しなければなりません。
どの音がどのレベルから障害音となっているのか。
ただばくぜんと「不明瞭」とか、「カが発音できない」という曖昧な評価では、指導計画は策定できません。
つまり、指導計画を策定する作業そのものが、実は子ども理解を深める過程です。
「まずは作ることに意義がある」
亡くなった先輩のことばは、「形を整えなさい」という単純な意味を指すのでなく、「作成を通して、子ども理解、知識の学習のために、もがきくるしみなさい」という意味を指していたのでした。
だから、形だけをまねするのは無意味なのです。