上の表では、サ行が非語(無意味音節)までは正音が出せますが、単語になると、語頭でタ行に置き換わる。
シチジは、単音節レベルから歪み音になっている。
ただし、シだけは、単音節レベルでは正音が出せる、ということを示しています。
構音検査の記録様式はいろいろありますが、何でもいいのです
一番大切なのは、一部の音だけではなく、広く音の全体を評価すること。
選別検査(構音障害の有無を判断するスクリーニング検査)なら、そこまで詳しく調べなくてもよいのですが、構音指導につなげるには、より詳しい「掘り下げ検査」を行う必要があります。
たとえば、「キギ」の歪み音があります、と引き継ぎを受けたとしても、「ケゲ」はどうなのかで、指導の手立ては変わってきます。
「ケゲ」も歪んででいれば、「内緒の声のケ+イ-」→「キ」に持って行く指導はできないことになります。
「イ列音(イ段)が歪み」という情報を聞くこともありますが、本当にイ列音全部なのか、確かめる必要があります。
全ての音を評価するのは困難ですから、疑わしい音は全て、です。
どの音が疑わしいかは、構音の仕組みを十分研修する必要がありますが、たとえば、
・サ行など、舌尖音が誤っているときは、ほかの舌尖音がどうなのかもみる。
(タ行、ナ行、ラ行、ザ行、ダ行)
・または、サ行は摩擦音なので、ほかの摩擦音がどうなのかをみる。
(シシャシュショ、ヒヒャヒュヒョ)
・イ列音の一部に歪みがあったときは、イ列音、エ列音の全てを評価する。
そして、それぞれの音が、単音節レベルで誤っているのか、文レベルで初めて誤るのか、などレベルも明らかにしておくことが重要です。
そして、記録は発音記号を使うこと。
(私の先輩は、1年ぐらいで発音記号を覚えてね、それまではカタカナでいいよ、と言っていました)
構音指導をするには、日本語の50音の音韻体系ではなく、構音位置別、構音様式別に理解しなければならないからです。
たとえば、シは、サ行には含まれません。
もちろん、表の全部を埋めようとすると膨大な時間がかかります。
会話しながら、絵カードを呼称しながらなどして、気づいたときに該当箇所をチェックしていくやり方もできます。
個別の指導計画の長期目標には、全ての障害音を具体的に書いておいた方がよいでしょう。
指導の終了の見通しがとりやすいですし、指導する音の順番も検討しやすい。
いちいち、「ええと、どの音がどうだったかな」などと指導記録を読み返したりする必要がなくなるからです。
それと、構音の評価は、音を聞くだけでなく、舌などの動きを見ることも大事です。口腔に器質的な問題(歯のかみ合わせ、舌小帯、口蓋、アデノイド等)がないかもみることです。
ということで、私のオリジナルの構音検査表を添付します。
ご自由にお使いください。
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