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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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側音化構音の指導

久しぶりに、構音指導の記事です。

今日、側音化構音の指導について話題になったので、
改めて、本の読み比べです。

以前の記事にも書きましたが、以下の2つの文献を読み比べると勉強になります。

たとえば、


涌井 豊著  1996
『側音化構音の指導研究』学苑社
指導効果をあげるためには、やはり誤り(音)を自覚させることが大切だと思う。(p53)


阿部 雅子著 2003
『構音障害の臨床』金原出版
音の正誤の判定に長い時間をかけるよりも、その時間を正しい音節をつくるために使い、正しい音節ができた時点で、改めて良い音と悪い音を理解させたほうが(よい)(p34)

涌井先生によれば、構音の誤りを自覚させなければ、
練習の動機付けにならないので、
自覚が重要だ、との文脈です。

ただ、自覚をさせる時期が大事なのでしょう。
阿部先生は、上記の通りに書いています。

側音化構音は一般に、低学年の子には聞き分けが難しい場合が多いです。
だから、初めから自覚させるというのは難しい、
むしろ単音節で正音が出せるようになってから、弁別(聞き分け)を
行った方が良い、と私も考えています。

通級の動機付けは、むしろ、子どもの状態像に応じて工夫することなのでしょう。
今は困らなくても、大人になってから困ることが多いのも、この構音障害の特徴
ではありますから。

***

涌井 豊著  1996
『側音化構音の指導研究』学苑社
・舌先の偏位(側方へ曲がったり、ねじれたりする)が認められる場合は多く、ほとんどは口唇の偏位も伴っている。この場合には、口唇の偏位を改善した後で舌の脱力・安定を図る段階へ進む。(p61)

/i/の口形は、口角を左右に最も引いた形である(p63)


阿部 雅子著 2003
『構音障害の臨床』金原出版
舌先がどの方向を向いているかよりは、硬口蓋に接して口腔を閉鎖していること自体が問題である(p70)

両口角を横に強く引いている場合もよくみられるが、口角を引くと舌の力が抜けないだけでなく、喉にも力が入るので、この力も抜かなければならない。(p62)

・口唇や下顎の横への動きを抑制したり、引かれている口角や頬部を押さえたりしても根本的な改善にはならない。

・まず舌の不自然な力を抜くこと、つまり舌の脱力が重要である。(p70)


指導を引き継いだ中で、両口角を引いてイ列の発音をしている児童がいました。
まず、その口角の緊張を取る練習から始めざるを得ませんでした。

「口唇の偏位」は、結果であって、原因ではありません。

舌の緊張の副産物が「口唇の偏位」ですから、
片方の口角を引くからと言って、もう片方も引く、
と言う練習方法は、かえって舌の緊張を誘発します。
舌の緊張を取ることが第一選択です。

ちなみに、日本語のイは、それほど口角を引かないですね。
ウも、それほど唇をとがらせないのが、日本語です。

スの指導で、唇をとがらせる指導レポートを見たことがありますが、
口唇を緊張させるのは、舌の緊張を誘発する危険な指導だと思います。

口形、口唇よりも、舌が問題なわけです。

発音の練習というと、口形模倣をイメージしますが、
実は舌が最も重要です。

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