どんな問題が入っているかよりも、どんな背景理論で、どれだけ信頼性が高い検査なのかを確かめたいのです。
まず問題そのものよりも、解説書を読むことから始めています。
でも、折半法とか、何とか回転とか、大学院で学ぶような統計学的な知識はないため、そこは読み飛ばし・・・。
ただ、「相関係数」はとてもよくわかるし、重要だと思っています。
測ろうとしている能力が、本当に測れているのか、ということなので。
日本語版KABC-2は、英語版にはない習得尺度を入れており、認知能力と学力との比較ができる、我が国のニーズに合わせた検査と言えるでしょう。
教研式小学校全国学力検査NRTと、KABC-2の習得尺度との相関係数が興味深いです。
単純に関係づけるのでなく、慎重に、細かく検討する必要がありそうです。
「学力とは何か」を考えさせられます。
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話はかわって。
たとえば、「NCプログラム」には、「3容量」「4容量」というのがあって、これは「短期記憶」を測っているのだという解釈がありますが・・・。
その「下位検査」が諸能力に対してどれだけの相関があるのか、統計的データは示されていません。
ちゃんと測っているのではなく、あくまでも目安なのだという押さえが必要でしょう。
短期記憶にも色々な短期記憶があるし、注意や計画能力、語いや、視覚的、聴覚的弁別能力も関与しているかもしれません。他の検査との比較の中で、それは解釈されなければなりません。
ましてや、「3容量」、「4容量」ができるようになったから、それで通級の支援は終わり、とう単純なものでもないでしょう。
それらができるかということと、日常生活での困り感との間に乖離はないのでしょうか。そこはちゃんと調べたのでしょうか。
「検査結果」はたくさん並べてあっても、それをどう解釈するか、読み取るか、子どものヒストリーをどう理解するか、は、様々なアセスメント情報と合わせて、きちんと論じられなければならないはず。
つまり、「能力」ばかりみていて、子どもの気持ちを読み取っていないのでは、と思ってしまいます。
話が広がりすぎましたが、検査に対する基本姿勢ということを要は書きたかったのです。
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