より詳しく、正確な学習をするためには、以下の研修会の受講をお勧めします。
日本K-ABCアセスメント研究会
日本LD学会 特別支援教育士(LD,ADHD等)養成セミナー
*以下は、私が各種研修会や、現場の経験をオリジナルにまとめたものですので、
間違いや不正確な表現があるかもしれません。その前提で読んで下さい。
1 検査全体に言えること
(1)測ろうとする能力は、能力全体の一部にすぎない。
(2)検査結果は、その時の子どもの体調や集中度、検査者が変わることによっても影響を受ける可能性がある。
(3)検査自体も古くなると時代に合わなくなる。
(4)だからと言って検査の全てを否定すべきでなく、検査の限界をわきまえた上で活用すべき。
2 K−ABC 10の基礎知識
(1)K-ABCとは、" Kaufman Assessment Battery for Children " の略。
(2)適用年齢は、2歳6ヶ月〜12歳11ヶ月まで。適用年齢を超えていても、その子の発達水準が範囲内にあると考えられるときは実施できる。また、各下位検査は子どもにとっつきやすい内容とした。
(3)ほかの検査に比べて、検査結果を指導に生かしやすい。
(4)WISCやビネー等では測れなかった「認知処理」( mental process )を明らかにする。
→ ビネーでは、「個人間差異」しかわからない。WISCでは「個人内差異」までが明らかになる。K-ABCでは、入力と出力との間での認知処理過程が明らかになる。
(5)ぱっと見て全体を理解する力を「同時処理」と言い、順序立てて理解する力を「継次処理」と言う。K-ABCでは、同時処理と継次処理のバランスも測ることができる。
(6)「継次処理が弱いので鍛えよう」ではなく、「優れた同時処理の力を生かす」アプローチが大切。
(7)下位検査から「時間制限」をできるだけなくしている。(少数民族や障害者等へ配慮)
(8)「流動性知能」とは、新しい課題を解決する能力。「結晶性知能」とは、意図的な学習で習得したもの。
(9)「認知処理>習得度」とは、その子に合った方法で学習できていない→その子に合った方法で学習すれば、もっと習得できるということ。
(10)出た結果は、臨床像に照らして、「採用」、「棄却」を決定する。
* 参考になる文献
『長所活用型指導で子どもが変わる』 図書文化
『長所活用型指導で子どもが変わる part 2 』図書文化
3 検査実施上の10のコツ(マニュアルにはない裏技)
(1)検査者は「この人はおもしろい」と子どもに思わせて、リラックスさせよ。自分をさらけ出せ。
(2)ストップウォッチは、音の鳴らないものを用いよ。
(3)初めにイーゼルの表紙を3冊とも見せて、「今日はこれだけやるよ」と見通しを持たせると、子どもにがんばりが出る。
(4)検査者自身が、継次処理と同時処理のどちらが得意か把握しておくと、子どもを理解しやすい。
(5)子どもの表情の変化を見よ。マニュアルや検査用紙を注視するな。そのためには、子どもの回答を検査者が短期記憶するための工夫をせよ。
(6)「算数」の問題は、ストーリーになっている。途中の番号から始める場合でも、検査者は予めストーリーをよく読んでおくと、ぎこちなさがなくなる。
(7)「標準得点」は、「標準得点法」で計算されている。WISCの「標準得点」も同じなので、下位検査同士で比較できる。
(8)正解に結びつくような態度を一切見せてはいけない。フィードバックしてしまうと、正確な検査でなくなる。
(9)「位置さがし」では、子どもが次々と指さすので、わからなくなる。オリジナルのチェック用紙を用意しておくと良い。
(10)検査者と子どもは、テーブルの角を挟むように座る。
4 K-ABCで得られたデータを解釈するために
(1) 「福島県養護教育センターソフトウェアライブラリ」には、「K-ABCデータ解析」のソフトがある。
(2)心理・教育アセスメントバッテリー K・ABC(丸善(株)出版事業部)
(3)「知覚的体制化」などの用語を理解するために、心理学を勉強する必要あり。
→ たとえば ココ
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