ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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本校でも一斉型の知能検査と学力検査を行っています。
アンダーアチーバー(知能に比較して学力が低い)、オーバーアチーバー(その逆)がわかったりします。
本校が採用している検査の場合、保護者、本人向けの結果のレポートも添付されてきます。
学級担任としては、その後の指導に生かすためということもありますが、各検査の意味を正確に理解するということは結構難しいかもしれません。おおまかな偏差値は出ますが、それがどんな意味合いを持つのかは、私が学級担任を持っているときは、全くわかりませんでした。「低いなあ、高いなあ」程度です。でもその程度なら、日常の学習指導の中で、だいたいつかめているのですが。
一斉型の知能検査を眺めていて、感じたこと。
1 標準偏差はいくつなのかがわからないと、数値の意味もわからない。
→標準偏差が10の場合、33と36とでは、実は意味のある差ではない)
2 出題内容との関連
→国語の学力検査では、長文を読解しないと解けない問題ばかり。
つまり、文字が読めることはもちろん、長文から必要な情報を整理したり、推理したりする力が前提であること。
回答用紙は別紙なので、解いた問題の番号を回答用紙から探すなどの処理速度も、子どもによっては強く関与するなど。
LDのお子さんの場合、ペーパー上の問題を解くことに特化、しかも問題は音声言語で読んでくれないとなると、潜在的な?国語力は測れていないことになる。
確かに問題の中には、問題文をCDで聞かせて答えさせるようになっているものもあるが、回答は筆記である。
大学入試で特別な支援を必要とする生徒への配慮がなされるようになり、学校の知能検査も、さらなるモデルチェンジの必要性はないのか。
まあ、制約された条件下での結果という意味では、それなりの意味はあるのだろうが、必要な支援の手立ては見えにくい。
「読めないなら読んであげる」支援員的な対応が、必要とする全ての児童に行き渡るほど人員はなく、全く足りないから、むしろ条件制約下での検査結果を出す以外にない、それ以上の支援の手立てを検討したいなら、個別の心理検査で、ということにしかならないというのが、もどかしい現実ではある。
3 2との関連で、児童が個別の心理検査を受けている場合は、学校の検査データとの間に著しい乖離がある場合がある。その理由を問題の内容や、統計学との関連で読み解く必要がある。
一斉型の学力検査の結果の解釈について、学級担任の先生が、数値だけを見て一喜一憂することがあるならば、神経心理学的アセスメント(生育歴情報、行動観察、標準化された心理検査を用いて行われる。・・・Yeates & Taylor,2001)に基づいて、わかりやすく説明することが必要と思われたのでした。
付け加えると、学力検査の数値が上がったとか下がったとか、それが学校の指導力の問題だとかのとらえ方は、単純に過ぎると思うのです。