「言語性LD」と「ディスレキシア」とを別々にカテゴライズして、相違点や一致点を論じている部分がとても興味深く感じられました。
そもそも最近は「言語性LD」という用語はあまり用いられていない、「非言語性LD」は、自閉症スペクトラム障害や、感覚統合の分野に整理されてきたので、わざわざLDに「言語性」を冠しなくていいのだ、と誰かがおっしゃっていたので。
でも本著では「言語性LD」を紹介しています。
言語性LDは、音韻デコーディング(文字を音韻に変換すること)が読解よりも優れているし、ディスレキシアはその逆、というように。
つまり、言語性LDの場合、デコーディングの指導だけでなく、読解にも指導のニーズがあるとのこと。
ここで思い出すのが、「多くの子は、低学年時には文字の読みの困難を示すが、徐々に目立たなくなり、高学年になると、それに代わって読解が主な困り感になる」という統計上のお話。
つまり、現場感覚としては、典型例はあるのだろうけれども、実際には複合的に絡んでいて、カテゴライズというより、個別に違っているという印象が強いです。
一方、言語性LDと言語障害の一部との違いは何か、という問いには、どちらでもいい、とお答えする事例が多く、個別の状態像を見て、教育的なサービスの内容や量を検討するしかない、と私は思っています。
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