ハンドルネーム ya
某公立学校通級指導教室担当教員
言語聴覚士
特別支援教育士(S.E.N.S)
性別 男
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子どもの歯の治療、フッ素の塗布に付き添いました。
歯医者さんでは泣くことが多かったのに、
今回は泣きませんでした。
子どもの歯科治療について、地域の評判が良い、
某歯医者さんの接し方がすばらしかったからでしょう。
従来、泣く子を無理矢理診察台に載せ、
泣いても「大丈夫だよ」という励ましで、
何とかがんばらせていましたが、今回は違いました。
1
診察台に座るところから、スモールステップの行動目標としている。
→「ここにすわってみようか」と促す。
しぶる子どもには、あくまでもやさしい促しだけで、
物理的に引っ張ったりはしない。
しぶるので、私も一緒に座って良いか尋ねると、
「一緒に座っていいですよ」と柔軟な対応。
その後も、子どものスモールステップの行動目標を設定していることが、
雰囲気からよくわかりました。
2
診察台にDVDが置いてあり、好きなDVDを選んで、
見ながら治療が受けられる。
→緊張緩和に一定の効果。
3
使う器具一つ一つを見せて説明し、子どもが納得してから治療する。
→次に何をするのかを視覚的に提示することで、
不安感を解消しようとする試みですね。
子どもが拒否しているときは、絶対に無理をしない、強制しない姿勢でした。
4
治療を嫌がった時は、その理由を検索し、柔軟な対応をしている。
→治療の途中でも、
「疲れた? じゃあ少し休もうか」と言って背もたれをあげる。
ことばの教室でも、練習中に子どもが多動になったり、嫌になってきたときは、
「疲れた?」と必ず聞き、小休憩を入れるようにしていますが、
同じ対応が歯科で見ることができるとは驚きでした。
保険点数に直接影響するでしょうに、
時間に余裕がないと、なかなかできないことでしょう。
5
保護者の対応に柔軟に合わせる歯科衛生士
→ 最後の仕上げでどうしても拒否した子ども。
万策尽きて、親にしか出せない強化刺激のカードを切って欲しいという雰囲気を感じた私は、
「最後までがんばったら、○○のお祭りに連れて行ってあげる」
と言ってみました、
これは効果がありましたが、歯科衛生士は
その強化刺激の提示に歩調を合わせてくれました。
ただ、「お口を開けて」の指示にわずかに口を開けた反応に対して
すかさずほめることで、強化されたはずなのに、というシーンがありました。
また、「治療拒否」なのか「意思表示への抵抗」なのかの鑑別が、
歯科衛生士さんは見抜けない場面もありました。
しかし、それはその子にずっとつきあっている私だからわかることで、
初対面の方にはわかるはずもありません。
それどころか、初めの問診の段階で、
これまでの別の歯医者さんでの子どもの反応を細かく尋ね、
経過をアセスメントする姿勢はすばらしいものでした。
全体としては、
小児歯科治療の専門家である歯科医師、衛生士と、
その子の専門家である私の良いコラボレーションができました。
スペシャリストと、ジェネラリストの協調ですね。