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某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
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「見立て」はクリティカル・シンキングで

「自閉症になったのは、予防接種が原因」
「自閉症になったのは、ビデオの見せすぎが原因」

これらの単純な見立ては論外ですが、

「この子の発音がうまくできないのは、舌がうまく動かせられないから」
「その根拠として、舌先をまねして動かすことができない」

「この子が字をうまく書けないのは、指先をうまく動かせないから」

一見もっともらしいですし、本当にそういう場合もあります。

しかし、こんな事例もあるのです。

「舌を真似して動かせなくても、発音に問題のない子はたくさんいる」
「指先をうまく動かせなくても、字がよく書ける子はたくさんいる」

あらゆる可能性を排除することが、見立ての妥当性、信頼性を高めます。

これらは能力的なことだけではなく、
エピソードに関しても言えます。

あるエピソードを切り取って、「だから○○」と即断するのではなく、
その経緯、背景をよく調べること。

ある心理の先生はこう言っていました。
「私が高校教員の時、トイレである高校生が
もう一人を殴る、けるの暴行をしていました。
殴った高校生を別室に呼び叱ったところ、
『今までさんざん暴力をふるわれていたが、
やっと有利になったところだった』と言うのです。
私は事情も聞かずに一方を叱ったことを後悔しました。
両者の言い分をよく聞かなかったのです」

因果関係の単純な結びつけを避け、
認知バイアスを克服するために、
クリティカル・シンキングはとても大切だと感じています。

様々な情報が必要なのは、
クリティカル・シンキングをするためだとも言えます。
生育歴など、不確かな情報がまざっていても、
情報を総合することで、より真の実態に近づくことができます。

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Comment
無題
いつも為になるお話しありがとうございます。
ちょっと私には難しいのですが…今回のは何回読んでもちょっとわからず すみませんがかみ砕いて教えて頂いてよろしいですか。

ちなみに通っている精神科の先生は、「ゲームは自閉症の世界だからだめ」といってました。

そして、ためになるお話をしてくれる、こちらの先生は、男性だったのですね!私はずっと女性で臨床心理士だと思いこんでいました。読み間違いですね。
Re:無題
男性でした。ごめんなさい。
ゲームは一日中やらせっぱなしなのは、もちろんよくないでしょうけれども。
そのことでコミュニケーションが阻害されるなら。

記事は少し難しかったですかね。

お父さんの[そらまめ式]自閉症療育の該当記事が詳しいです。
http://soramame-shiki.seesaa.net/article/109344910.html


よく業者の宣伝で「○○をやったら治った」というような記事を見ますね。
本当に利いているかどうかに関わらず、たくさんの人が試したら、
そのうちわずかな人は本当に「効いた」という体験を持ちます。
でもそれは科学的には偶然の域を出ない、かもしれない、ということです。

療育の世界でも「○○療法で治った」「△△プログラムでよくなった」
といううたい文句がありますね。
本当に科学的なのか、偶然なのか必然なのかを考えるということ。

それと同じように
「子どもが○○になったのは、△△のせいではないか」
という一対一対応のとらえ方も、もしかしたら因果関係はないかもしれない、同じ条件で、どの子も同じようになるのか、ということです。

物事というのは、時間軸で考えると、
様々な原因が複雑に影響し合って一つの結果をもたらし、
その結果が原因となって、多くの新たな結果となって響き合っていきます。

空間の軸で考えると、様々な要素が複雑に絡み合い、
影響し合っている。

その全体の力動を見ましょうということです。
【 管理人ya 2010/03/22 08:42】
ありがとうございます
何となく、わかりました☆

お父さんの…
はすごく又難しいですね。100回くらい読めば理解できるかしら。
色々教えて頂き、ありがとうございました。
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