忍者ブログ
某公立学校ことばの教室教員。公認心理師、言語聴覚士、特別支援教育士。 『クイズで学ぶことばの教室基本の「キ」』の著者。  SINCE 2000.1.1 
ブログ内検索
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[01/11 board]
[11/21 西村徹]
[02/23 留萌小学校ことばの教室]
[05/10 プー子]
[01/11 にくきゅう]
[11/25 なっか]
[10/26 さつき]
[10/12 赤根 修]
[08/21 赤根 修]
[05/28 miki]
[05/28 miki]
[05/13 赤根 修]
[05/06 赤根 修]
[04/15 miki]
[04/15 赤根 修]
[03/12 かわ]
[03/09 赤根 修]
[03/03 KY@札幌]
[03/01 赤根 修]
[02/28 hakarino]
[02/23 kさん]
[02/23 miki]
[02/12 suge]
[01/15 suge]
[01/15 miki]
バーコード
アクセス解析
[383]  [382]  [381]  [380]  [379]  [378]  [377]  [376]  [375]  [374]  [373

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

特別支援学級と通級指導教室の連続性

KAZ先生のEdu Blog
http://edublog.jp/kaz1229/

では、特別支援学級と通級指導教室の連続性について触れています。

http://edublog.jp/kaz1229/archive/80
http://edublog.jp/kaz1229/archive/46

アメリカでは、制度上、学級と通級の区分けはなされていますが、
事実上、連続性を持たせています。

日本ではどうでしょうか。
「学級」は、週9時間以上、子どもがその学級で学ぶことが前提で、
「通級」は、週1~8時間と規定されています。

「学級」の先生の配置は法律で定められていますが、
「通級」の先生の配置は、あくまでも「過員配置」
つまり、先生を配置するための法的な根拠はなく、
あくまで「上回る数」として特別に措置していますよ
という扱いなのです。
したがって、通級担当の先生は簡単には配置されにくい現状です。

週8時間までの通級指導がフィットすると考えられる児童生徒がいても、
その学校に通級指導の先生が配置されないという状況があちこちに
見られます。

したがって、特別支援学級を設置して対応しようとするのですが、
ここで「学級は週9時間以上」の規定が問題になります。

最近、「週9時間以上の縛り」が厳しくなっていると聞きます。

しかし、平成18年に特別支援教育の法律が国会で通ったとき、
参議院の文教科学委員会の附帯決議では、
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/06072108/002.htm
「特別支援教室にできるだけ早く移行するよう十分に検討を行うこと」
としています。

つまり、特別支援学級と通級指導教室との間に連続性を持たせるべきだと
いうことです。

「週9時間以上のしばり」は、この理念と逆行する動きではないでしょうか。
「交流及び共同学習」をうたうことで、連続性を持たせようとしていますが、
本質的にはそれは連続性ではなく、既存の制度の中でできる範囲という限定付きです。

平成5年に「通級による指導」が制度化して以来、
通級担当教員の「加配」がされてきましたが、
まだ不十分な段階で加配の増員は打ち切られました。
その後、名前を変えて(「LD対応加配」等)、282名とか、
300名とか微増はしているものの、
通級制度に移行できない特別支援学級扱いの教室は、
未だに制度の狭間に苦しんでいるのが現状です。

通級制度の先生の配置はままならないので、
特別支援学級として配置しようという動きは、
目の前の子ども達を何とかしようという願いのもとでは、ある意味必然と言えます。

これは学校現場の問題ではなくて、主として教育行政の問題であるという
おさえが最近ぐらついているのではないかと感じています。

制度と行政との間のねじれ現象によって、一番不利益を被っているのは
だれでしょうか。
そんな中でも、工夫によって何とか対応しようとしている学校現場の
状況を理解して欲しいな、と思っています。

念のため書き添えますが、「特別支援教室」が制度化して連続性を持たせたとしても、
「機能としての特別支援学級」は存続すべきだと私は思っています。
特別支援学級の廃止には反対です。
というか、国も廃止するとは言っていない、と思っています。
「特別支援教室A」
「特別支援教室B」
「特別支援教室C」
そして、それらの中間型などと列挙して、
在籍は全員通常学級になるが、従来の特殊学級の機能は存続する、
と言っていたはずだからです。

今年も就学指導委員として保護者面接をして、一番つらかったのは、
「特別支援学級か通常学級か」という二者択一を保護者に迫らなければ
ならなかったことです。
就学指導委員会の総会でも、もめた部分があったのは、
実はこの制度上の問題が根本原因なのです。
二者択一の制度にフィットしない子ども達の存在をどうしていくか、
私も努力したいと思います。

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***


PR

Comment
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
非公開コメント

忍者ブログ [PR]

graphics by アンの小箱 * designed by Anne

にほんブログ村 教育ブログ 特別支援教育へ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを




***