今や特別支援教育のマニュアル本がこれでもかというほど出回り、それをやればソーシャルスキルが育つと考えてしまいます。
でも、昔から言われていることですが、人付き合いというのは、実際的な経験の中で育つもの。
もちろん、プリントワークは、リハーサルしたり、ふり返るためのツールとしては有効な場合もあるかもしれません。
しかし、それはあくまでも、机上の脳内処理に過ぎません。
実際に子ども同士で交流する時間が大事です。
そして、その内容は、日常生活にできるだけ近づけることもポイント。
普段あまりやらないようなことを指導メニューに入れても、日常に般化しません。
ボードゲームが流行しているのも、相手の表情を見ながら遊べるから。
今の子ども達は、同じ部屋に居ても、それぞれがそれぞれの電子ゲームをやっているだけ、ということが少なくありません。
その意味では、「普段あまりやらない」ボードゲームが、逆によかったりします。
いや、指導内容は、極論すれば何でもいいのです。
自然な流れであれば。
指導内容そのものよりも、その指導内容を構成する要素が大事です。
役割交代になれること、負けたときの気持ちの処理の仕方を学ぶこと、公正なルールの話し合いと運用、決定、相手の同意を得てから進める、などなど。
人付き合いというのは、眺めていると、本当に色々な機能、要素がある、とわかります。
実際に子ども同士でつきあってみて、初めてわかることも多いです。
大人との一対一では見せない姿が見られます。
それを感じれば感じるほど、マニュアル的、小手先のマニュアル本のうすっぺらさがわかるのです。分厚い本でも。
「受け身」の文法構成を学ぶことも大事ですが、その前に「いない、いないバー、やって。ギャハハハ」の段階がクリアされているのか。
「あなた」と「私」の関係性が育っているのか、まずは遊びが先ではないですか。
年齢なんて気にすることはありません。
「この年で、こんな遊びなんて」
でもその子にとっては、その遊びの土台が必要とされる段階なわけです。
その土台が育まれていなければ、いくらうわべの能力が積み上がっても、基礎から崩れるのです。
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを
***
PR