ことばの教室の役割は2つあると言われます。
1 子どもや周辺のアセスメント
2 子どもの自己肯定感を高める
週1~3回の指導は、言語障害の指導にフィットしています。
これは通級制度ができるときの、それまでの実践に基づいて出された時間です。
しかし、読み書きの指導となると、さらに上回る時間、しかも自校通級であることが求められます。
つまり「積み上げ」が難しい。
「積み上げ」は、通常学級での役割であって、通級の役目とするには、時間が足りないのです。
「積み上げる」というより、積み上げるための羅針盤としての役目を果たすのが「通級」でしょう。
羅針盤を示すには、子どもをどう理解するかということが、何よりも大事です。
子どもを理解するには、第一に「行動観察」。
ただ、行動観察だけでは、
1 その行動の背景に何があるのか。
2 その行動は過去からどうつながってきて、今後どうなると予想されるのか。
をとらえることに限界があります。
そこで、「生育歴情報」と「標準化された心理検査」が必要になります。
多くのことばの教室では、教育相談時に「ことばのおいたち」というような質問紙を保護者に書いてもらうでしょう。
「生育歴情報」は、単に「一語文が何歳」などと遅れの数値を見ると言うことだけではなくて、子どもがどういうストーリーで生活してきたのかを理解する、そのことが一番大事なことではないでしょうか。
ことばの遅れがありました、だけではなく、「遅れによって、どんな不都合が生じていたのか」
それは、在籍学校や幼稚園、保育園、家庭からの日常の情報なくして、判断はできないはずです。
一方、「標準化された心理検査」は、検査をかけられる人材や機材も限られており、必ずしなければならないものでもないでしょう。
ただ、標準化されていない検査を用いて、しかも子どもの日常の様子の情報収集もしないで、その検査のチャートだけを見て、通級妥当の判断をしている教室があると聞きます。
検査をすれば、苦手なところ、得意なところは、それは出てくるでしょう。
当たり前の話です。
しかし、それによって、子どもや周辺の人が、どれだけの困り感を持っているかの検討をせずに、単にデコボコだから通級対象にしようというのは、学術的(アセスメント)にも、法的(文部省 「就学指導資料」「補遺」など)にも問題があると言えます。
通級が支援の全てではありません。
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