地区親の会主催。この地で同じ悩みのある親子が出会う機会ができたのは画期的。
数年来の思いが遂に実現。
吃音についてかつては、触れてはいけない、そっとしておけばそのうち治る、などとことばの教室でも言われていました。本人が吃音のことを訴えてきたとしても、そのことを話し合うこともためらう雰囲気がありました。
しかし今では、本人が自覚している場合について、むしろ隠さずにフランクに話し合うことが大切だとされるようになりました。デル著『学齢期の吃音指導』という文献は、当時は目から鱗でした。
また、症状を完全に「治す」ことは難しくても、「より楽に吃る」練習が有意義であることもわかってきました。
さらに、4~6歳未満の、特に5歳になる前の幼児期の子どもには、「リッカムプログラム」というオペラント技法をベースとした指導の有効性が根拠のあるものとして登場してきました。日本には実践事例が少ないため、試験的に行っている先生もいます。
このように、吃音についての研究実践は変わってきていますが、今回お越し頂いた先生の講義では、時代の最先端の研究を含め、接し方などバランスよく紹介されていました。
そして、当事者と支援者の両方の視点に立てる先生のお話はとても説得力がありました。
講演の前の時間帯には、親子同士が一堂に会し、同じ悩みを抱える方々がお互いに感想や意見を交換しました。
初めてのことで、ちょっととまどいもあったようですが、それぞれの親子に何かプラスになればと祈るような気持ちになりました。
後半は先生にご講演を頂きました。
吃音がある人に対してできる基本的な支援は何ですか?
「
をかけない!」
という問いに対し、参加者はワークシートに記入しました。
正解は「タイムプレッシャーをかけない!」
つい周りの人は「ゆっくり話しなさい」とか、「あわてないで話しなさい」、「一呼吸してから話しなさい」などと注意してしまいますが、本人にとっては余計なお世話です。話し終わるまでじっくりと待つこと。
「(相手が)自分の話し方をゆっくりめに変える」
「同じことを何度も言わせない」
「質問攻めにしない」
「吃りながら話されても、ほほえみを浮かべ、目を見ながら話を聞く」
「話し終わってからワンテンポおいて話し出す」
このことは、吃音の自覚がない子ども達への対応としても一番大切だ、と先生は強調されていました。
3歳児健診で吃音がわかった時は、2週間以内に連絡を取り、「様子見」としてもどのように様子を見たらよいか具体的な助言が必要だ、ということも強調されていました。
吃音のある子どもと親の特性として、同じ悩みを持つ親同士、子ども同士の出会いがなかなかない、ということが挙げられています。
この地域にもそのような定期的な場を持ちたいという思いもありますが、まだ期は熟していないようです。あわてずに、しかし地道に歩みたいと思います。まずは私自身が、言友会でもっと学びたいと思っています。
特別支援教育 ブログランキングへ
↑ 特別支援教育ブログランキング。1クリックを
***
PR